株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、温室効果ガスの排出を追跡するカーボントレーシングシステム(NRI-CTS)を開発してきました 1 。World Business Council for Sustainable Development(WBCSD:持続可能な開発のための世界経済人会議) 2 では、カーボンフットプリント情報を共有するためのワーキング活動Partnership for Carbon Transparency(PACT) 3 において、Pathfinder Network ver1、ver2という情報共有のための技術仕様を公表していますが、その仕様を実装したNRI-CTS 4 プロトタイプ版が、2023年4月17日から実施されているConnectathon 5 と呼ばれる相互接続テストを完了しました。今後、今回の認定ソリューション間で、日本、欧州、米国で算定された製品カーボンフットプリント情報を、相互に交換することが可能になります。
この成功によりNRI-CTSは、PACTから、ドイツ本社のCircularTree社(ソリューション名はCarbonBlock)
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、米国本社のCirrus Nexus社(ソリューション名はTrueCarbon)
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など他のソリューションと同時に世界第一陣としてPathfinder Networkに準拠したソリューションとして認定され、PACT pathfinder準拠ソリューションとしてPACT online catalogue
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に登録されました。今後、自社でカーボンフットプリント算定・交換ソリューションを開発しない企業は、このPACT online catalogueからPathfinder Network対応済みソリューションを選定することが可能になります。
2023年6月以降、NRI-CTSを用いて、欧州電池規制対応や欧州国境炭素調整措置対応に取り組む日本企業および海外企業に対して、規制対応準備を支援するコンサルティングサービスを提供します。また、NRI-CTSの開発経験を踏まえて、自社でカーボンフットプリント算定ソリューションを開発する企業に対して、Pathfinder Network対応のアドバイザリーおよび接続検証に関するサービスを提供します。さらに、2023年8月以降にNRI-CTSの商用サービス版を、2024年1月以降に欧州電池規制対応版NRI-CTSを順次提供する予定です。
製造業のグローバルサプライチェーンにおいて、国を越えた製品カーボンフットプリント情報共有のためには、日本のみならず海外のソリューションと相互接続できることは重要です。NRIは引き続き、WBCSD PACTのPathfinder Framework/Networkの改定に対応し、NRIの顧客である日本企業や海外企業による気候変動対策の支援を強化していきます。
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NRI-CTSの開発に関しては次のURLをご参照ください。
https://www.nri.com/jp/news/info/cc/lst/2021/1215_1 -
2
WBCSD については次のURLをご参照ください。
https://www.wbcsd.org/ -
3
PACTについては次のURLをご参照ください。
https://www.carbon-transparency.com/ -
4
NRI-CTSについては次のURLをご参照ください。
https://nri-cts.net/ja/index.html -
5
WBCSD PACTが運営するPathfinder Networkに準拠したソリューションが相互に接続テストを行う機会で、2023年4月以降に毎月開催が予定されています。
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6
CircularTree社およびCarbonBlockについては次のURLをご参照ください。
https://www.circulartree.com/product -
7
Cirrus Nexus社およびTrueCarbonについては次のURLをご参照ください。
https://www.cirrus-nexus.com/truecarbon -
8
PACT Online Catalogについては次のURLをご参照ください。
https://catalog.carbon-transparency.com/
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