株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、 2024年2月13日、「NRIグループAI基本方針」(以下「本方針」)を策定しました。なお本方針は、2019年に策定した「NRIグループAI倫理ガイドライン」を改定したものです。
策定の背景
NRIグループは、コーポレート・ステートメント「Dream up the future. 未来創発」のもと、夢と可能性に満ち、豊かさを実感する、活力ある社会の実現をめざしています。2019年、AIの利活用によりもたらされる様々な課題を調査・整理した上で、各国政府や国際機関の議論も踏まえ、2019年に「NRIグループAI倫理ガイドライン」を策定しました
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。その後、生成AIが登場するなど、AI技術の進展は加速度を増しています。昨今は「コンテンツの権利侵害」や「虚偽のアウトプット作成」をはじめとした、AIの利活用等に伴う新たなリスクが懸念され、各国政府や国際機関での議論も活発化しています。
人びとの生活や社会活動に様々な恩恵をもたらす一方で、悪影響を及ぼす懸念もあるAI関連技術の扱いについて、NRIグループはAIに関わる研究・開発・利活用等を進める立場としての責務を認識し、事業活動の中で適切にAIを導入・活用していくことが重要と考えています。そこでNRIは、新たなリスクに対応しながらAIに関わる研究・開発・利活用等を進めるため、「広島AIプロセス
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」「AI事業者ガイドライン案(総務省・経済産業省)
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」などの国内外の動向等を踏まえ、本方針を策定しました。
NRIグループAl基本方針の骨子
「NRIグループAI基本方針」では元来AIが持つ「情報漏洩」や「バイアス・不公平」、「プライバシー侵害」等のリスクに加え、生成AIの登場によりさらに懸念が高まる「著作権等の各種権利侵害」や「誤謬性・正確性」、「不適切コンテンツの生成」などの新たなリスクに対応すべく、人権の尊重、説明責任、法令遵守・権利保護、AIガバナンスの要素を強調・追加しました。
- ステークホルダーとの対話・共創の推進
- 公平性と人権の尊重
- 透明性と説明可能性の確保
- 情報セキュリティ・安全性の担保
- 法令遵守・権利保護
- AIガバナンスの構築と人材育成
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本方針の詳細については、次のURLをご参照ください。
「NRIグループAI基本方針」 https://www.nri.com/jp/sustainability/social/policies#AI_Ethics_Guidelines
NRIグループの全役職員は、本方針に基づいてAIを利活用し、持続可能な未来社会づくりに貢献していきます。また、NRIグループでは、本方針で示す考え方が、企業活動に適切に反映されるための仕組みを展開するとともに、様々なステークホルダーとの対話を踏まえ、必要に応じて、本方針を見直していく考えです。
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策定時の発表は次のURLをご参照ください。 https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2019/cc/1024_1
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広島AIプロセス:生成AIの利活用や開発などに関する国際的なルール作りに向け、先進7カ国が中心となり議論する枠組み。
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「AI事業者ガイドライン案(総務省・経済産業省)」:総務省と経済産業省がとりまとめた、「AI開発・提供・利用にあたって必要な取組についての基本的な考え方を示す」もの。
ご参考
「NRI グループ人権方針」 https://www.nri.com/jp/sustainability/social/policies#jinken