株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、投資信託を取り扱う資産運用会社と販売会社の間での情報連携を支援する投信販売ネットワークソリューション「FundWeb Transfer」1において、顧客の最善の利益に適った商品提供等を確保するためのプロダクトガバナンス2の強化を目的とした新機能を、2025年11月より順次提供を開始します。

金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」3の中で、資産運用会社と販売会社の間でコミュニケーションをとりながら、製販全体で投資信託のプロダクトガバナンスに取り組むことが重要であると言及しています。販売会社においては、投資家への適切な商品提供や説明義務の実効性が高まることが、資産運用会社においては、投資家の真のニーズを捉えることで投資信託の質の向上につなげることが期待されています。また、投資信託では資産運用会社と販売会社は多対多の関係で取引が行われており、製販全体でプロダクトガバナンスを強化するためには、会社間のデータ連携基盤が不可欠となります。
この度、NRIはFundWeb Transferに新機能を追加することで、製販一体でのプロダクトガバナンスの強化を支援します。

新機能の概要は以下の通りです。

販売実績データの容易な連携
販売会社が集計している投資家層別(年代や投資目的等)の公募投資信託の販売実績データを、資産運用会社に容易に連携できるようになります。従来は、資産運用会社では販売会社で販売した総額しか把握できていませんでしたが、今後は投資家層別の販売状況も把握することが可能となります。本機能は2025年11月より順次提供します。

資産運用会社によるデータ分析および販売会社へのフィードバック
資産運用会社は、販売会社から連携されたデータを分析することで、公募投資信託の新規設定時に想定していた投資家層と、実際に購入した投資家層のギャップを把握することが可能となります。その分析結果を販売会社にフィードバックすることで、双方で連携しながら、今後の投資信託の組成や販売方法の改善に活かし、顧客の最善の利益の実現に向けて取り組むことが期待されます。FundWeb Transferには「レポート作成機能」を追加するため、資産運用会社は独自の分析も組み合わせながら、簡便にレポ―トが作成できるようになります。本機能は2026年度上期の提供を予定しています。

(図)新機能を用いたデータ連携のイメージ

新機能を用いたデータ連携のイメージ

政府の資産運用立国実現プラン4においては資産運用業の改革がうたわれており、プロダクトガバナンスの強化もその一環として、資産運用業界全体の取り組みとなっています。NRIは、今後もプロダクトガバナンスの強化に資する取り組みを進めるとともに、販売データの分析支援にも注力し、資産運用業界の課題解決に貢献していきます。

  1. 1資産運用会社や銀行・証券会社といった、投資信託の販売会社と委託会社間を多対多で接続するネットワークソリューション:https://www.nri.com/jp/service/solution/fis/fundweb
  2. 2顧客(投資家)の最善の利益に適った商品提供等を確保するためのガバナンスであり、製販全体で取り組むべき課題とされている:https://www.fsa.go.jp/news/r6/20240926/02.pdf
  3. 3https://www.fsa.go.jp/news/r6/20240926/02.pdf
  4. 4 https://www.fsa.go.jp/policy/pjlamc/20231214.html