株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、2025年7月11日、地球環境問題に関する国際的な非営利団体CDP1 が実施した2024年度の気候変動に関する調査(CDP気候変動質問書)において、最高評価の「Aリスト」企業に6年連続で選定されました。これは、NRIの気候変動に関する国際水準での目標設定や対応ならびに情報開示が、グローバルリーダーにふさわしいと評価されたものです。

「CDP 気候変動Aリスト」について

CDPの気候変動に関する調査は、各社の温室効果ガス排出削減活動や気候変動緩和対策の取り組みなどを調べるもので、各企業はその回答内容に基づき、AからD-(マイナス)のスコアで評価、公表されます。情報開示を行わない、あるいは十分な情報を提供しない企業には、Fのスコアが付与されます。2024年度は、全世界で22,400社が気候変動調査に期限内に回答し、スコアが付与されています。そのスコアの中で「CDP 気候変動Aリスト」は、気候変動への戦略や対応において特に優れた取り組みを行っている企業が選定され、最高ランクとなります。

NRIの気候変動に関する取り組みと「CDP気候変動 Aリスト」選定の背景

NRIでは、気候変動に対する以下の取り組みや情報開示が、国際的に高いレベルにあると評価され、今回の「Aリスト」への選定につながったと考えています。

  • 「ビジネスパートナーとの協働による地球環境への貢献」をマテリアリティの一つとして掲げ、取締役会の監督のもと、「NRIグループ低炭素移行計画2」を策定し、取り組んでいる。2023年度より、役員報酬の決定において、温室効果ガス排出量の削減を含むサステナビリティ指標の達成に向けた取り組み状況を考慮する仕組みを導入するなど、計画の実現に向けてサステナビリティ・ガバナンスをさらに強化している。
  • 2021年2月に、「温室効果ガス排出量(Scope1+2)を2030年度に72%削減(2013年度比)」する目標を策定し、「Science Based Targets(SBT)3イニシアチブ」から、1.5℃目標の認定を取得した。その後目標を、再生可能エネルギー由来の電力への切替え等の取組みの推進により「温室効果ガス排出量(Scope1+2)を2030年度に97%削減(2019年度比)」に改定した。2023年2月には、SBTイニシアチブの「企業ネットゼロ基準4」に則って、「温室効果ガス排出量(Scope1+2+3)を2050年度に92%削減(2019年度比)、残余排出量5は中和化6」とするネットゼロ目標を策定し、2024年5月に認定を取得7した。
  • サプライチェーン全体での排出量削減を目指し、2022年度より、NRIのScope38排出量の多くを占めるソフトウェア開発パートナーの排出量削減に向けたエンゲージメントを実施している。具体的には、パートナー向けの温室効果ガス排出量算定に関するワークショップや説明会、個別相談会を開催している。

NRIグループは、コーポレート・ステートメント「Dream up the future.未来創発」の下、今後も気候変動問題をはじめとした社会課題に対し、さまざまなステークホルダーの皆さまとともに新たな価値を創造し、持続可能な未来社会づくりに貢献していきます。

  1. 1CDP:環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や主要購買組織の要請に基づき、企業や自治体に、気候変動対策、水資源保護、森林保全などの環境問題対策に関して情報開示を求め、また、それを通じてその対策を促すことを主たる活動としている非営利組織。CDPは、現在、環境問題に関して世界で最も有益な情報を提供する情報開示プラットフォームの一つとなっている。また、CDPは、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)、We Mean Business連合、The Investor Agenda(機関投資家の気候変動対策推進イニシアチブ)、NZAMI(ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ:Net Zero Asset Managers Initiative)の創設メンバーでもある。CDP Aリストおよび回答企業のスコアについては、次のCDPのウェブサイト(英語)をご参照ください。https://www.cdp.net/en/companies/companies-scores
  2. 2詳細は次のNRIウェブサイトをご参照ください。https://www.nri.com/jp/sustainability/environment/data
  3. 3Science Based Targets (SBT):地球の気温上昇を産業革命前からの気温と比べて1.5℃に抑えることを目的とした、企業による科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標。気候変動課題の対応を推進するため、気候変動対策に関する情報開示を推進する機関投資家の連合体であるCDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体により設立されたSBTイニシアチブにより認定を受ける。詳細は次のSBTイニシアチブ ウェブサイト(英語)をご参照ください。https://sciencebasedtargets.org/
  4. 4ネットゼロ基準:産業革命前からの気温上昇を1.5℃以内に抑え、2050年までのネットゼロを達成する目標を設定するための、標準化された基準。SBTイニシアチブが2021年10月に公表した。
  5. 5残余排出量:ネットゼロ目標の時点で自社グループのサプライチェーン内で削減できない排出量のこと。
  6. 6中和化:サプライチェーンの外で、炭素除去技術などを活用し残余排出量を相殺すること。
  7. 7詳細は次のNRIニュースリリースをご参照ください。https://www.nri.com/jp/news/info/20240516_1.html
  8. 8Scopeは「企業による温室効果ガス排出量の算定・報告の対象範囲」のことで、以下1~3に分かれています。
    Scope 1:燃料の燃焼などの直接排出量
    Scope 2:電気・熱・蒸気などの使用に伴う間接排出量
    Scope 3:Scope 1,2以外の温室効果ガスの間接排出量。サプライチェーンでの製造、従業員の通勤、出張など

【ご参考】NRIグループのサステナビリティに関する取り組みを紹介するサイト・発行物

サステナビリティトップ https://www.nri.com/jp/sustainability

統合レポート https://ir.nri.com/jp/ir/library/report.html

サステナビリティブック、ESGデータブック https://www.nri.com/jp/sustainability/library/report