フード バリューチェーンとは
「食品に関連する生産から消費までの流通工程において発生する付加価値の繋がり。」です。 農林水産業における資材調達から農業生産の現場、また、収穫後の市場流通、食品メーカーによる加工・保管、食品卸による商流・金流・物流構築、小売や外食、また、EC通じた販売が主な対象となります。
多くの企業と人手を抱える業界環境
農業・食料関連産業の国内生産額は約118兆円であり、国内の全経済活動の約11%を占めています。 他方、企業数でみると全産業の約20%を占めると言われており、非常に多くの企業が属している産業構造となっています 。その背景として、地域性、品目の違いからセグメントが細分化可能であること、そして流通が多段階の構造になっていること、などが挙げられ、結果として、人手不足が進む昨今において、食品産業(食品製造業、外食産業の計)における外国人就業者の割合が約19%と、他産業に比べて、外食人就業者依存の割合も高くなっています。
求められる業界変革
農業・食料関連産業は、人が生活をしていく上で最も基本となる産業の一つであり、長い歴史があります。結果として、過去に行われてきた事業活動や政策を経て、業界独特の仕組みや商習慣が存在しています。他方、人口減少や高齢化、さらにはライフスタイルの変化は加速度的に進んできているため、今まで以上のスピード感をもって業界の変革に取り組むことが求められています。 変革の方向性としては、デジタル技術の活用等による生産性の向上や海外進出による市場の拡大、さらにサプライチェーンの見直しや業界再編などが考えられます。
コンサルティング領域
フードビジネスを取り巻く大きなトレンドとしては、以下の①~⑦が存在し、NRIでは、各トレンドに沿ったコンサルティングサービスを提供しています。
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①
農業担い手変化
- 農業参入支援、生産拡大・地域間連携支援 、農業プラットフォーム立ち上げ支援 など
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②
川下・川中主導の業界再編
- 経営戦略策定、事業統合支援、SCM高度化、ECチャネル構築、M&A など
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③
海外産品拡大の可能性
- 新商品・新業態開発検討、調達ポートフォリオ見直し、将来需給予測 など
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④
海外展開への取り組み
- 海外戦略策定、進出国選定、マーケティング戦略策定、M&A、輸出実証 など
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⑤
デジタル活用による生産性向上
- DX戦略策定、スタートアップ調査・M&A、DtoCチャネル構築 など
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⑥
SDGsの潮流対応
- 海外トレンド調査、SDGs戦略・KPI策定、リスク評価 など
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⑦
国内政策の変化
- 政策立案、官民連携、政策実現支援(PMO)、産業振興、地方創生 など
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