マテリアリティ(重要課題)の特定

国際基準・ガイドライン、ESG評価機関からの要請、企業理念・成長戦略との整合、社外役員・有識者の意見等を参考に、経営の視点や社外ステークホルダーの視点からNRIグループのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。2030年に向けた長期経営ビジョン「NRI Group Vision 2030」(V2030)策定時には、NRIグループにとっての影響(財務面)のみならずステークホルダーからの期待・要請(環境・社会への影響)を合わせたダブルマテリアリティの考え方等を考慮したマテリアリティを再度特定し、V2030に組み入れました。
なお、マテリアリティの特定にあたっては、社外役員・有識者との議論や経営討議を踏まえています(下図STEP3)。2023年3月には、サステナビリティ基本方針の一部として、マテリアリティを取締役会にて決議しました(下図STEP5)。
また、NRIグループのビジネス環境や社会環境の変化等を踏まえて、NRIグループの事業及び財務に及ぼす影響を評価し、サステナビリティ関連のリスクと機会を特定しています。これらの結果を踏まえ、年に一度サステナビリティ会議にて、マテリアリティ改定の要否等を検討しています。

1. 特定プロセス

2.マテリアリティ(重要課題)

「創出する価値」、「価値を生み出す資本」、「経営基盤(ESG)」の3層からなる8つのマテリアリティを、事業戦略の策定や経営の意思決定プロセスにおける重要な要素と位置づけています。

創出する価値

「持続可能な未来社会づくり」を実現

※価値共創については、こちらをご参照ください

2030年にめざす姿(目標) 主な取り組み マテリアリティ指標 2025年度目標 2023年度実績
デジタル社会資本の充実を通じた

活力ある未来社会の共創

優れた人的資本・知的資本と、そこから価値を生み出すためのデジタル社会資本が充実し、あらゆるひとが豊かに暮らす、活力ある社会の実現に貢献している

  • ビジネスモデル変革
    • DXコンサル、アナリティクス
    • AI利活用によるビジネスの拡大
    • ソーシャルDX(マイナンバー活用、地方創生など)、金融デジタル事業
  • 社会・制度提言、情報発信 など
  • 業界・社会変革を実現するDX2.0/3.0総投資額・施策額

630億円*1

151億円

社会資源の有効活用を通じた

最適社会の共創

ビジネスプラットフォームの共同利用、データによるリアル空間の可視化や予測等を通じて、社会資源 (人材・公共財・知的財産等を含む) の有効活用や自然資源の循環等、スマートな社会の実現に貢献している

  • ビジネスプロセス変革
    • 戦略/業務/システムコンサル
    • バリューチェーンDX(CO2可視化、サーキュラーエコノミーPF創出)
  • ビジネスプラットフォームによる共同利用促進
    • STAR,BESTWAY など
  • 最適社会に貢献するビジネスプラットフォーム売上高

1,410億円

1,374億円

社会インフラの高度化を通じた

安全安心社会の共創

社会インフラやデータが、災害やサイバーリスクに強く高度で安定稼働するIT基盤によって守られ、あらゆるひとが安心して様々なデジタルサービスを享受できる、強くてしなやかな社会の実現に貢献している

  • 持続可能な社会インフラ実現
  • ITインフラ改革
    • セキュリティ、クラウドサービス
  • 安定サービス運用
  • 防災・減災政策提言・復興支援 など
  • 強くてしなやかな社会を支える安全安心関連売上高*2

2,160億円

1,855億円

  • ※1中期経営計画 (2023-2025) 期間の累計値
  • ※2内部取引を含む

価値を生み出す資本

「人的資本」及び「知的資本」が価値共創を支える

2030年にめざす姿(目標) 主な取り組み マテリアリティ指標 2025年度目標 2023年度実績
多様なプロフェッショナルの挑戦・成長による

人的資本の拡充

高い専門性や多様な価値観を持つ人材が集い、プロフェッショナルとして自律的に挑戦・成長し続ける場を生み出し、価値創出につながっている

  • 成長ストーリーを実現するケイパビリティの増強
  • ダイバーシティ&インクルージョンの定着
  • 一人ひとりの成長機会の拡大 など
  • 従業員エンゲージメント(NRI籍)の総合スコア
  • 女性への機会付与率*3(NRI単体)
  • 総合スコア:70以上継続
  • 機会付与率:17%
  • 総合スコア:71
  • 機会付与率:15%
個々の知を組織力に昇華させる

知的資本の創出・蓄積

個々の知を組織力に昇華させる優れた知的資本 (ビジネスモデル・ブランド・ケイパビリティ) を創出・蓄積し、価値創出につながっている

  • ビジネスモデルの進化(AIを活用した生産革新、ソフトウェア資産の拡充等)
  • 進化し続けるブランドの形成(情報発信のコンテンツ充実等)
  • 事業展開を支える組織ケイパビリティの強化(品質監理、生産革新等) など
  • 知的資本創出・蓄積のための投資額

410億円*4

141億円

  • ※3プロジェクトや事業における責任者の女性比率
  • ※4中期経営計画 (2023-2025) 期間の累計値

経営基盤 (ESG)

NRIらしいESGを、サプライチェーンへ拡張

2030年にめざす姿(目標) 主な取り組み マテリアリティ指標 2025年度目標 2023年度実績
ビジネスパートナーとの協働による

地球環境への貢献

再生可能エネルギーのさらなる高度利用を進めるとともに、Scope3を視野にビジネスパートナーと協働しながら、自然資本への配慮と持続可能な地球環境づくりに貢献している

  • 温室効果ガス排出量削減・再生可能エネルギー利用の促進(Scope1+2)
  • Scope3における温室効果ガス排出量削減に向けた対応 など
  • 温室効果ガス排出量削減率 (基準年:2019年度) (Scope1+2)
  • 温室効果ガス排出量削減率 (基準年:2019年度) (Scope3)*5
  • 再生可能エネルギー利用率

2030年度目標

  • Scope1+2:97%削減*6
  • Scope3:30%削減
  • 再生可能エネルギー利用率:100%
  • Scope1+2:86%減
  • Scope3:21%増
  • 再生可能エネルギー利用率:95%
ステークホルダーとの関係強化による

社会的責任の遂行

ステークホルダー(ビジネスパートナー、従業員、社会など)との良好な関係を形成し、健全な雇用・労使関係、人権への配慮等、サプライチェーン全体で社会的責任を遂行している

  • 従業員のウェルビーイング
  • 人権・労働慣行に関する取組み(AI倫理など含む)
  • パートナー企業との協力関係強化、ステークホルダーやコミュニティとの関係形成 など
  • 「NRIグループビジネスパートナー行動規範*7」への同意または同等規範*8の保有率

国内グループ 90%
(参考:グローバル 80%)

国内グループ 80%
(参考:グローバル 70%)

戦略的なリスクコントロールを実現する

ガバナンスの高度化

グループ・グローバル全体で長期視点のリスクコントロールを実現するため、戦略に応じたリスクテイクも含む、バランスの取れたガバナンスに取り組んでいる

  • グループ全体でのガバナンスと内部統制システムの整備・運用
  • 統合リスク管理(ERM)
  • 品質監理、情報セキュリティ管理の強化
  • 情報開示促進と透明性向上
  • コンプライアンスの徹底 など
  • 重大なリスクの発現件数(規制当局への報告またはそれに準ずるNRIグループ責の事案)

0件

5件

  • ※5環境省のガイドラインに定める簡易な算定方法に基づいて算定。実際の削減効果は数値に反映されていない(算定方法の見直しを現在検討中)
  • ※6残余排出量は中和化
  • ※7環境・人権等に関する項目を含む
  • ※8システム開発委託先など、NRIグループの調達先企業における同意または同等規範保有率
サステナビリティ