オーストラリアの過疎地域で遠隔医療システムの導入を推進しています

(Photo by Darrian Traynor)

世界各国で大都市圏への人口集中に伴い、過疎地域での医療提供が課題になっています。オーストラリアにある山あいの村“ダーゴ”でも、看護センターはあるものの、看護師では診療できない傷病を持つ患者は車で4時間かかる都市“メルボルン”の病院まで行く必要がありました。

NRIグループのVelrada Capitalは、ダーゴの医療課題解決のため、地域医療サービスを提供するBRHS*1とともに、MR技術*2を活用した遠隔医療システムの導入を推進しています。ダーゴの看護センターに常駐する看護師がMicrosoft HoloLens*3を装着し、メルボルンの専門医とオンラインで連携することで、患者はダーゴにいながら診察を受けられます。急患発生時だけでなく、メルボルンで手術を受けた後の経過観察も遠隔での診察が可能で、医療環境に対する住民の不安解消につながっています。本システムは、ダーゴでの成功を受けて他地域にも広がり、BRHSの管轄域では半年間で406件の遠隔医療が実施されました。現在は、州全土の過疎地域へも展開されています。

NRIグループはこれからも、過疎地域における医療に革新を起こし、人々が安心して暮らせる社会の実現に貢献していきます。

*1 Bairnsdale Regional Health Service:ダーゴを含むイースト・ギップスランド地域に幅広い医療サービスを提供している組織

*2 Mixed Reality(複合現実):現実世界とデジタル世界を融合させる最新技術

*3 Microsoft Corpo- rationが開発したMRを実現するヘッドセットデバイス。現実空間にCGを重ね合わせたり、遠隔地の状況をリアルタイムに可視化したりすることができる

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