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人工知能はどこまで広がるのか

2016/10/31

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本格的な人工知能の時代が遂に到来!

 

ここ数年、メディアなどで「人工知能(AI)」という言葉をよく目にするようになりました。昔からSF映画や漫画などの非現実的な世界ではお馴染みでしたが、現実世界でも数十年前から着実に研究が進んできているのです。

 

現在は、「第三次人工知能ブーム」が到来していると言われています。第一次ブームは、1950年代から60年代にかけてで、単純な集計処理とは異なるパターン認識や問題解決をコンピュータで実現するための、さまざまな方法が議論されました。コンピュータにパズルを解かせようとしていた頃です。第二次ブームは80年代であり、エキスパートシステムが開発され、人間が持つ専門知識をソフトウェア上に移植することができるのではないかと期待されました。

 

それから30年以上が経過した今日、「ディープラーニング(深層学習)」という機械学習技術の進化により、人工知能は著しく進化するようになりました。人間の脳は、たくさんの画像や音声を認識して特定のパターンを見つけ出す認知機能を持っています。今回の人工知能ブームは、コンピュータがこの認知機能を持てるようになったことをきっかけに巻き起こったのです。

 

2012年、Googleがコンピュータに猫の画像を判別させることに成功しました。その後、人工知能の活用は一気に加速。社会の色々な場面で人工知能を応用した機械やシステム、ツールを見かけるようになりました。人工知能が様々な分野に確実に広がっていく中でその技術を理解し、近い将来それをどうやって活用すればいいのか、今から考えておく必要がありそうです。

 

人工知能、これまでとこれから

 

私たちの日常生活の中でも、すでに人工知能が大いに活用されています。PCやスマホでインターネットにアクセスすると、いやおうなしに目に飛び込んでくるWeb広告。ユーザーが普段何気なく行っているキーワード検索をたよりに、人工知能が個々のユーザーに適する内容の広告を選んで表示するしくみです。広告・マーケティング分野は人工知能の巨大市場と見なしてよく、2015年の段階で5,666億円もの市場規模になっていますが、今後、テレビ広告やバナー広告の市場を奪って、2020年頃には1兆円近い規模になっていると考えられます。

 

そして、何と言ってもこれから拡大が期待されるのは、車の自動運転です。世界的に高齢化が進む中で、研究開発も積極的に進められおり、トヨタ自動車がシリコンバレーに研究所を設立するなど日本企業の動きも加速しています。2050年には、全ての自動車に人工知能が搭載され、自動車分野が人工知能の最大市場になっている可能性は高いです。

 

人工知能のアプリケーション別市場規模(NRI推定)

 

 

人工知能で奪われる仕事はあるが・・・

 

今後もこの勢いのまま人工知能が広まり続けると、これまで人間が携わってきた仕事が人工知能に奪われ、しかもそれが加速度的に起こるだろうと心配する声が聞かれます。確かに、人間でなくても人工知能を持った機械などが代わりに実行できる仕事は増えていくでしょう。実際、介護現場や災害支援で活躍するロボットなど、特定の分野では人工知能が人間以上の働きをしてしまう場合もあります。しかし当面は、高度な自動運転システムによってタクシー運転手がみな職を失うといった話ではなく、特定分野のニッチな人工知能アプリケーションが、じわじわと人間の仕事にとって代わることがより現実的です。

 

人間と人工知能の共存共栄

 

手書きの帳票を正確に読み取ったり、小売店の発注を効率化したりする人工知能アプリケーションが開発されると、ゆくゆくは経理担当者や発注担当者が職を奪われることになるかもしれません。しかし、こういったアプリケーションの開発を目指してプログラムを書ける技術者はまだそれほど多くありません。逆に、それらのアプリケーションが業務効率化などで企業に貢献することを考えれば、プログラマーへのニーズは高まるのです。有能なプログラマーの確保と育成が、むしろ人工知能時代のカギとなっていくでしょう。

 

そして、さらに重要なのは、人工知能では代えられない仕事をこなす能力をみがく教育です。例えば、まったく新しいものを生み出す想像力や人と人との信頼関係をつくるコミュニケーション能力です。事実に基づく膨大なデータを基に判断する人工知能には全く新しい事業のアイディアを思いつくことはできませんし、人心掌握がものをいう営業やマネジメントの仕事を人工知能が代替することは困難です。

 

人間と人工知能、それぞれの強みを理解しさらに強化していけば、共存どころか、より良い未来を共に創りだすことがきっとできるはずです。人と人工知能の創発によって今以上にクリエイティブな世界が来るかもしれません。

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