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2100年までの未来を予測する「NRI未来年表」

#グローバルオペレーション

2017/01/23

野村総合研究所(NRI)では、今後予定・予測されている様々な出来事を「政治・社会」「経済・産業」「国際」の軸で整理し、さらにNRIによる将来予測を掲載した「NRI未来年表」を毎年作成しています。昨年末に、2100年までの未来を展望した、最新版の「NRI未来年表 2017-2100」を公表しましたので、その概要をお知らせします。

 

長寿化が主因で増加の続く世界人口

 

未来予測の基本は人口予測です。人口の変動は、社会制度や経済構造に大きな影響を及ぼすからです。今回、2100年までを展望するに当たって、国内外の機関による最新の人口予測をベースにしました。

 

国連の推計によると、2015年時点で約73億人の世界人口が100億人に達するのが2056年、2065年に103億人、そして2100年には112億人に達します。

世界の人口増加といえば、かつてはアジアやアフリカ等の発展途上国における人口爆発、つまり出生率の増加が原因と言われていましたが、今や主因は長寿化です。世界の65歳以上人口は、2050年には16億人(2015年の2.6倍)、2065年には19億人(同3.2倍)、そして2100年には25億人(同4.2倍)と、急速に高齢者の割合が増えていくのです。

 

人口減少で住宅市場の縮小が進む日本

 

世界最速で少子高齢化が進む日本は、今後人口減少が進みます。国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)の予測によると、2015年に1億2,709万人であった日本の総人口は、2025年に1億2,066万人、2050年には1億人を割り込んで9,707万人、2060年に8,673万人、そして2100年には約8,300万人と、現在の約3分の2になってしまいます。2015年に世界11位であった人口ランキングも、2100年には30位まで落ち、もはや「人口大国」というイメージではありません。

 

人口減少の影響を最も受けるのは、住宅市場です。NRIでは日本の住宅市場の予測を継続的に実施していますが、2015年度に約92万戸であった新設住宅着工戸数は、2025年度に約67万戸に、2030年度には約54万戸に減少すると予測しています。

 

先進国で進むAI、ロボットの活用

 

このように世界的規模で人口の高齢化が進展し、かつ先進国ほどその傾向が顕著ということになりますと、懸念されるのは労働力不足です。労働力不足は経済活動に直結します。

内閣府によると、2030年までに日本の労働力人口は2013年比で約900万人減少し、5,683万人になると予測されています。他方、経産省の予測では、同じ頃に人工知能(AI)やロボットによる効率化・自動化が進んで、雇用が735万人減少するとされていますが、これはむしろ将来的な労働力の減少をAIやロボットが代替する未来を展望したものと言えるでしょう。

 

NRIが英国オックスフォード大学のオズボーン准教授らと共同で行った研究では、2025~2035年頃には、日本の労働人口の約49%がAIやロボットによって置き換えが可能と推計しています。

 

また別のNRI予測ですが、2050年にはAIを活用した「自動運転」や、「介護ロボット」の市場規模が、それぞれ約4兆6千億円、2,770億円という巨大なものになるとしています。

 

米国の未来学者レイ・カーツワイルは、「2045年にはAIの性能が全人類の知能の総和を超える」と予測していますが、そうしたAIを有効活用して、先進国では来るべき労働力不足を補って、生産性を維持・向上させていく取り組みが進行するものと推察されます。

 

NRI未来年表2017-2100

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