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中国のネットサービスは、日本企業にとってのビジネスチャンス

グローバル事業企画室 川嶋一郎

2017/06/20

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中国のネットサービスは急速に発展し、人々の生活を便利で快適にしています。その姿は、すでに日本を超えていると言ってよいでしょう。今後の展望を、2017年3月までNRI上海社長を務め、中国滞在経験の長い川嶋一郎に聞きました。

 

2010年代以降、ネットサービスの進化で生活は一気に便利に

 

2000年以降の中国経済は2ケタ成長を続け、急速な勢いでビルが建ち、道路を走る車の数が増えていきました。出張などで何度か中国を訪れたことのある人は、訪れる度に街の風景が変わっていくさまに驚いたことでしょう。しかし中国の人たちは「ここ数年の方が変化を実感していると思う」とNRIの川嶋は言います。なぜなら中国では2010年代以降、日常生活を便利・快適にするネットサービスが、さまざまな分野に浸透していったからです。

 

路上の屋台もスマートフォン決済で

 

特に普及したのが、スマートフォンを介したサービスです。現在も日中間を行き来する川嶋は「スマートフォンがあれば、現金を使う必要がほぼない」と言います。アリババウォレットやウィーチャットペイメントによる決済サービスによって、レストランやコンビニ、スーパーはもとより、数年前からは路上の屋台でも、現金で払う必要がなくなりました。

「ウーバーのような、スマートフォンのアプリを介したタクシー配車も当たり前。また、食事の出前や生鮮品を配達するサービスも盛んに利用されています。出前も生鮮品も、30分ほどで家に届けてくれます。」

従来、中国の人たちが日常で不便に感じていたこと、例えば、ひと昔前までは手間も時間もかかった鉄道や飛行機のチケット購入や、病院の診察予約や支払いも、今ではネットを通じて瞬時にできます。

 

 

リアルよりも信頼できるネットサービスが広がる
中国でネットサービスが発展した背景について、ネットの世界にリアルな店舗より信頼できるお店が増えたからだと川嶋は言います。

「例えば生鮮品。人々は、リアル店舗のスーパーより安全で信頼が置け、消費者に支持されるお店も少なくありません。ユーザーがサービスや商品を評価する仕組みがネット上に備わっているので、サービス提供側はよりよいサービスを心がけるし、質問があれば即座に対応する。消費者に支持されないお店は淘汰されるのです」

計画経済の名残もあって、中国では長らく、小売店舗は人々にモノを渡す場に過ぎませんでしたが、2001年のWTO加盟以降は、人々のニーズに応えるための意識改革が進んできています。しかし、いわゆる「サービス業」としての歴史が浅いので、豊かになった中国人の消費ニーズを十分に満足させられていないのが実情です。他方、中国のネットサービスは国の政策支援もあることに加え、感度が高い意欲的な経営者が多数参入してきた結果、「小売店などが対応できずにいる消費ニーズを満たしている」と川嶋は見ています。

 

必要とされるのは、レベルの高い日本のサービス品質
日本を追い越す勢いで成長を続ける中国のネットサービスですが、サービス提供事業者の淘汰は進んでおり「そろそろ次の成長段階に来ている」と川嶋は言います。

 

「中国のネットサービスのビジネスモデルは、消費者とリアル店舗をネットでつなぐ、実は単純なもの。今後は、もっと複雑なプロセスを持ったサービスに進化していくと思います」

例えば、包括的なヘルスケアサービスを提供するとすれば、サービス事業者が単独でサービスを提供できるわけでなく、病院や薬局、保険会社、医療機器メーカーなど、多様なプレーヤーが参画することが必要になります。

「中国のネット事業者にとって、サービスや商品の品質レベルが高い日本企業は魅力的なパートナー候補として見られています。モノの需要や快適さを満たした中国では今後、暮らしの質を上げるニーズが高まっていく。それは、日本企業にとって大きなビジネスチャンスの到来だと思います」

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