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資生堂ジャパン×NRI 最先端の皮膚科学とテクノロジーの融合

資生堂ジャパン ブランドマネジメント部 新規接点開発室 デジタルフューチャーグループ 川崎 道文氏、久野 慶一郎氏、近藤 美鈴氏、 NRI デジタルビジネスデザイン部  田辺 里美

2018/10/03

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一人ひとりの肌に最適なケアをお届けする資生堂ジャパンのスキンケアシステム「Optune(オプチューン)」。野村総合研究所(NRI)もプロジェクトの一員として開発を支援してきました。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を駆使したパーソナライゼーション、専用マシンの開発、ベータ版の販売、月額課金制など化粧品業界としては前例のない新事業がどのように誕生したのか。両社の担当者に聞きました。

デジタル技術でこれまでにない発想のスキンケアが誕生

Optuneは「従来のやり方に縛られない、生活者視点での新しいビジネスモデルの開発」、「2018年上期までの市場投入」というミッションの下で、2017年1月から急ピッチで進められました。資生堂は145年間にわたって、美容部員によるカウンセリングやマルチブランド戦略を通じて個々人の多様なニーズに応えようとしてきましたが、デジタル技術で商品自体をパーソナライズ化する絵姿は想像できなかったと、プロジェクトを主導してきた資生堂ジャパンの川崎道文さんは言います。

同じ化粧品を常に同量を使い続けるのではなく、「肌の状態の“揺らぎ”に合わせて、使う化粧品や使用量を変える」という常識破りのコンセプトと、「センシング、アナライジング、ソリューションで構成されるサービスの全体像が見えてきたときに、IoT化でより高度なパーソナライゼーションが可能になる」と、川崎さんは初めて実感できたそうです。

新しいサービスでは、まずスマートフォン用アプリを使って肌画像を取得し、肌の状態を測定します。そこに気候や気分などのコンディション情報を加味して、クラウド上のサーバーで分析。長年蓄積してきた皮膚科学の知見をベースに、独自のアルゴリズムを用いてセラム(美容液)とモイスチャライザー(乳液)の最適な組み合わせと使用量を割り出し、それをユーザー宅に置かれた専用抽出マシンにリアルタイムに伝達します。マシンには個々人に合わせた5本のカートリッジが装着され、1,000通りを超えるパターンで抽出。その時々の肌環境に合わせたお手入れが実現するのです。

1社単独では開発できないデジタル時代

とはいえ、化粧品一筋できた会社が、1年未満の間に、カートリッジ、専用マシン、システム、サービス周りまですべて開発するのは難易度が高かったと、ビジネスモデルやシステム開発を担当した資生堂ジャパンの久野慶一郎さんは振り返ります。「特に、IoTやデジタルを活用する際には、1社の力だけで期待される価値は提供できません。さまざまなプロフェッショナル企業に参画いただいて、一緒に進めるやり方は、大きなチャレンジでした」

 

そこで、「ワタシプラス」や「肌パシャ」などのシステム面を支援してきたNRIがプロジェクトに参加し、システム開発なども担当。「カートリッジ販売とサービス月額利用料を組み合わせた新しい課金モデルを実装するための課題や、さまざまなパートナーとの連携、要件の詰め方など、NRIの方が細部にまで目を光らせ、主体的に動かしてくださったので、非常に助かりました」と、久野さんは言います。

データを活かしながらマーケティングを深化させる

ベータ版の販売から半年経った今、圧倒的に増えたデータを活かしながら、継続利用を促すメッセージやタイミングなどを模索中だと、CRMを担当する資生堂ジャパンの近藤美鈴さんは言います。従来のオンライン購買履歴やPOSデータでは、購入後の利用実態は把握できませんでしたが、「マシンの電源を入れ、手を差し入れていただくことで、お客様の使用回数や頻度など、今までわからなかったことがわかるようになります。これは、CRMの大きな変革につながると感じています。ただし、既存のマーケティングのノウハウが通用しない未知の領域なので、NRIさんと一緒に試行錯誤しながら、ロジックを創り込んでいます」

「お客様がどこで詰まり、何をお困りなのかなど、みなさんとデータを眺めて議論するのですが、日々発見があります」と、プロジェクト全般に関わり、データ解析を支援するNRIの田辺里美は述べます。

 

 

究極のパーソナライゼーションを目指して

「Optuneは、パーソナライズの結果をお客様がどれだけ納得されるかでブランド価値が大きく変わってしまう、これまでにない試みです。今後はアナライジングの精度がより求められますが、そこはNRIが十分に支援できる領域です」と、田辺は意気込みを話します。

「仕事や子育てなどに忙しく、自分に合った化粧品を探す時間や手間のない方にも、常に最適なスキンケアをお届けできるよう、現在は本格展開に向けてシステムやビジネスモデルに磨きをかけています」と、川崎さんは述べ、次のような展望を描きます。「将来的には、例えば洗面台の前に立つだけで肌の状態がわかるセンシング、画像解析技術を用いたアナライジングの強化、海外展開など、究極のパーソナライゼーションに向けて挑戦したいと思っています」

Optune App(スマートフォンの専用アプリ)とOptune zero(専用抽出マシン)、Optune Shot(Optune zeroにセットするセラムとモイスチャライザー)

CRM Customer Relationship Management 顧客との関係を維持・強化するための組織的な取り組み。これを通じて生産性を高め、企業価値を向上することを目的とする。

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