フリーワード検索


タグ検索

注目キーワード
業種
目的・課題
専門家
国・地域

NRI トップ NRI JOURNAL 顧客と共に取り組むデジタルビジネスの創造~デジタルトランスフォーメーションに必要な視点とは~

NRI JOURNAL

未来へのヒントが見つかるイノベーションマガジン

顧客と共に取り組むデジタルビジネスの創造~デジタルトランスフォーメーションに必要な視点とは~

NRIデジタル 代表取締役社長 雨宮 正和

2018/10/11

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

インターネットやスマートフォン、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、クラウドサービスなど、デジタル技術がビジネスに欠かせなくなった現在、これらを活用したビジネスモデル変革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への取り組みが進んでいます。その一方で、あまり成果が上がっていないと感じる企業も少なくないようです。今回、デジタルを活用した企業のビジネス創出に数多く関わってきたNRIデジタルの雨宮正和社長に、DXの取り組みを成功させるポイントは何かを聞きました。

顧客とのダイレクトなつながりがビジネスモデルを変革させる

なぜ今、企業がDXに注目しているのでしょうか。
1つは、インターネットの技術やサービスが飛躍的に進化し、企業と消費者がダイレクトにつながるようになった点です。例えば、消費者がネットショッピングを利用した際に会員登録をすると、企業は誰が、どんな情報に興味を持っているのかを知ることができます。このつながりを活かし、企業は、それぞれの消費者に合わせた商品を提案できるようになりました。
企業向けビジネス(BtoB)の分野でも、同様のことが言えます。IoTにより、工場の機械や設備を通じて企業と顧客企業がダイレクトにつながり、設備の稼働率や買い替えのタイミングをデータでリアルタイムに管理できるようになりました。そうなると、かつてのように営業拠点や在庫を蓄えた倉庫などのリソースを全国的に配置する必要性が低くなります。デジタル技術を活用することで、製造業などでは営業やアフターサービスの仕組みをコンパクトにし、コストの軽いビジネスモデルを実現できるようになります。

顧客とダイレクトにつながることで成果を上げるためのポイントは、商品がどんなシーンでどのように役立つのかという、顧客にメリットのある情報を、理解しやすい表現で商品情報にまとめ、適切に発信できるかです。価値ある情報の提供が、販売の拡大やリソースのコンパクト化につながるのです。

過去だけでなく、顧客の「今の情報」を活用することが重要

顧客とのダイレクトなコミュニケーションができると、顧客の「今の情報」を収集しやすくなります。以前から、蓄積された過去の顧客情報を使って最適な商品を提案することはよく行われていました。しかし、「今、この商品を欲しがっているのは誰か」「今、誰が何に興味を持っているのか」という「今の情報」は、過去のデータからは分かりません。それを知ることを可能にしたのがデジタル技術であり、特に常にユーザーの身近にあるスマートフォンが果たす役割は大きなものがあります。スマートフォンならではの特性を活かした、顧客へのタイムリーな働きかけも行われています。

デジタルの特性を活かした商品づくり

顧客とのダイレクトなつながりによるコストの軽いビジネスモデルの実現と、顧客の「今の情報」を活用した売り上げアップは、事業会社の収益拡大に大きく貢献するDXです。企業にとって次の課題は「どんな商品を売るか」ということです。顧客が欲しいと思う、これまでにない魅力的な商品やサービスを、デジタル技術の特性を活かして、いかに新しく創り出すかもDXの重要なポイントです。
ある化粧品メーカーが、ユニークな女性用化粧品サービスを開発しています。スマートフォンで撮影した肌情報と気候や気分の情報から、その時々の状態に合った化粧品を顧客の手元機器から提供できるようにしたのです。まさに、顧客の「今の情報」を活用したデジタルならではの新しい商品であり、新しいビジネスモデルと言えます。

DXの成果をどう捉えるべきか

DXは企業の成長に大いに役立つと思われている反面、期待したほどの成果が上がっていないと感じている企業が少なくないのも事実です。それはなぜなのでしょうか。
1つは、売り上げの拡大といった面に目が行きすぎて、コスト圧縮効果をあまり考慮していないからです。売り上げは重要な指標ですが、コストの圧縮もDXの成果と言えます。
また、面白そうという理由からPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施していることもありますが、取り組む対象の見極めは大切なポイントです。DXを推進する部門がPoCとして商品の販売サイトをつくり、チャットなどのやり取りをできるようにし、そこで購入するか担当者との商談にするかを選ぶようにしたケースでは、業務量が増えてしまうために現場の協力を得にくかったそうです。PoCから実際のサービスに至らないケースは多く、最近では「PoC疲れ」という言葉がよく聞かれるようになっています。DXは既存組織の変更や改革が必要なことも少なくありません。企業全体の取り組みとしてDXを推進できないと、期待したほどの成果が上がらないことがあります。

機械メーカーとNRIの取り組み

DXの事例の1つに、野村総合研究所(NRI)と工作機械メーカーであるDMG森精機が2018年1月に設立した共同事業会社「テクニウム」があります。テクニウムは、メーカーが持つ知見をソフトウェアやサービスという形にし、デジタルチャネルを介して提供することにより、顧客のDXを支援しようとしています。そのサービスの企画・開発やマーケティングを支援しているのがNRIデジタルです。今後も、お客さまと共にデジタルビジネスを創造していく取り組みを、多く進めていきたいと考えています。

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn
NRIジャーナルの更新情報はFacebookページでもお知らせしています

お問い合わせ

株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

ACCESS RANKING