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NRI トップ NRI JOURNAL 変化を続ける中国ECのニーズにいち早く対応する
NRI北京のパッケージソリューション

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変化を続ける中国ECのニーズにいち早く対応する
NRI北京のパッケージソリューション

#情報・通信

#マーケティング戦略策定

#グローバル

2018/10/30

2017年11月11日、「独身の日」を迎えた中国では、深夜にもかかわらずアリババのECサイトにアクセスが集中しました。この日の総売上は、前年比139%の1683億元、約2兆8777億円と過去最高を記録。拡大を続ける中国EC市場の最新事情と日本企業が進出する際のポイントを、中国における日本企業の活動を長年支援してきた、NRI北京の副総経理伊達 一朗と産業ソリューション開発部長沈 君謙に聞きました。
(TOP写真はNRI北京の沈、所属と肩書はインタビュー当時)

安さだけでなく、品質やサービスを競う時代に入った中国EC市場

――中国EC市場が活況を呈しています。最近はどんな変化が見られるのでしょうか。

中国でのEC市場は、価格競争で急成長してきた時代から成熟期へと移行しつつあります。これまで中国の消費者は、ECサイトに安くてよい商品を求めてきましたが、最近は利便性という新しい価値を重視するようになってきています。
例えば、水や米など重い日用品を遠くまで買いに行かなくて済むということや、大型の家具や電気製品を配達だけではなく、すぐ使えるよう取り付けまでしてくれることです。
さらに、ECサイトにおける新規顧客の獲得コストや運用コストが上昇しているため、運営する企業側としても価格競争から品質・サービスを競う必要に迫られています。
また、中国ではSNS、口コミ、最近ではユーチューバーのような動画発信が影響力をもっているため、こうした個人コンテンツを自社のマーケティングにうまく取り込むことも重要です。

――ECの利用方法に特徴はあるのでしょうか。

中国は国土が非常に広く、ブランドの実店舗を全域に展開することは困難です。ECサイトを経由すると消費者は地理的な制限を超えて、欲しいものを買うことができます。さらに、海外から好みの商品を取り寄せることもできます。こうした理由からECの利用者は増大してきました。
また、中国メーカーの格安スマートフォンが普及していることから、これを利用して買い物をする習慣が浸透しています。ECの決済方法も、Alipay(アリペイ)※1やテンセントのWeChatペイメント※2がメインです。

中国EC市場で10年以上の経験と実績でサポート

――日本企業が中国でEC取引に進出するには、どんな準備や注意が必要でしょうか。

まずは、販売経路の整理が必要です。すでに自社製品を輸入して代理店経由で販売している場合には、新たにECチャネルを追加する前に、どの商品を対面で売る、どの商品はECで売る、といったすみ分けを図る必要があります。 次に、社内でのECの位置づけを明確にする必要があります。重要チャネルとして位置づけるのか、お客さまとのタッチングポイントなのか、広告塔的存在なのかを明確にします。

このように販売戦略を明確にすることで、新商品を展開する際に、自社ECで展開するべきか、既存のプラットフォームと連携するのか、運用は自社で行うのか中国の企業に委託するのかなどを的確に決められます。

――NRI北京は、日本企業の中国EC取引をどうサポートできるのでしょうか。

私たちはこれまで10年以上にわたって、中国に進出する日本企業のEC導入サポートを行ってきました。その実績のもと、中国のEC事情に合わせた事前のコンサルティング、戦略・戦術づくりに強みがあります。
実績豊富なパッケージを展開しているため、素早く安価に開発やシステム構築ができます。中国国内案件では、約4〜5カ月での導入も可能です。
NRI北京のパッケージの強さは、バックオフィス機能にもあります。大規模なEC運用では、コンテンツ作成、お客さま対応などの機能を使い分けられるパッケージ構成であり、機能・安定性には自信をもっています。

変化の速い中国EC市場に素早く対応

――アリババクラウドのゴールドパートナーになっていますね。

NRI北京はクラウド領域における高い技術力が認められて、日系企業では唯一、アリババクラウドのゴールドパートナーに認定されています。
ECは、プロモーション実施時などの特定期間にアクセスが集中する傾向があります。しかし、年数回のアクセス集中のためにインフラを強化することは、採算的にあいません。その点、アリババクラウドを活用すれば、スモールスタートと拡張性とを両立できます。

――中国のEC市場は変化が早いと聞きます。

10年にわたってサポートしているオフィス用品を販売する企業のECシステムでも、毎週定例会議を開催し、機能改善を続けています。
スマートフォンの画面をタップするだけでコピー用紙の発注が完了するダッシュボタンなども開発しています。中国では、企業間の取引でさえもスマートフォンで行うようになっているため、こうした変化に対応しました。私たちは、短期間で開発サイクルをまわすアジャイル型開発のマネジメントノウハウをもっていますので、こうした開発をスピーディーに行えるのです。

NRI北京 伊達(インタビュー当時)

 

また、中国版LINEと言われるWeChatは、WeChat上にアプリケーションを展開するツールとして「ミニプログラム」を2017年から展開しています。ミニプログラムのリンクを、ボタン一つで友達に飛ばすことができるため、口コミの施策として有効なツールです。2018年3月に提供されたばかりの新しい仕組みですが、私たちはこうした新技術にも積極的にチャレンジしています。NRI北京はこれからも中国EC市場で日本企業を支援していきます。

  • Alipay(アリペイ)
    中国アリババグループのAlipay(アリペイ)が展開するモバイル決済サービス。オンライン決済やQRコードでの店頭決済などが利用できる。
  • WeChatペイメント
    中国一のダウンロード数を誇るWeChat(微信)にひもづいたモバイル決済サービス。
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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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