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「健康経営」を停滞させない仕組み――有機的な連携で効果を“可視化”する

産業デジタル企画部 西尾 紀一

2018/11/20

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経営的な視点から従業員の健康を維持・管理することで、生産性を高め、組織を活性化し、業績、株価、企業イメージの向上を図る「健康経営」。健康経営銘柄の選定や「健康経営優良法人(ホワイト500)」認定などが徐々に普及し、健康経営に取り組む企業や団体が増えてきています。長年、ヘルスケア事業に携わってきた野村総合研究所(NRI)の西尾紀一に、健康経営に関する課題や解決策について聞きました。

健康経営への関心は高まっているが――

健康経営に取り組む優良な法人を経済産業省が認定するホワイト500への申請数(経済産業省の「健康経営度調査」への回答企業数)は、2016年度の700法人強から2017年度には1200法人強と確実に増えています。こうした企業には、近年の人材不足の流れを受け、従業員の離職を防ぎたい、優秀な人材を確保したい、という意向も強く働いています。その一方で、これまで取り組んできた企業の間には停滞感も見られます。経営陣を納得させる成果を明示できないため、経営課題としての優先順位が低くなり一過性の活動で終わってしまうなど、健康経営のメリットや経営上のリスクを十分に“可視化”しきれずに苦戦を強いられているのです。

その原因は主に3つあります。1つめは、健康経営の成果となる業績向上や離職率の低下などは中長期的な視点で評価すべきもので、短期的な効果が出るわけではないこと。2つめは、企業が保有する健康関連データが限定的で、個人の医療情報などは把握できないこと。3つめは、診療報酬、健康診断、ストレスチェック、勤怠状況など広範なヘルスケア・データが一元管理されておらず、個人や組織と紐づけて適切に分析・活用できないことです。

突破口は「コラボヘルス」×「ヘルステック」

こうした状況を打破するためのポイントの1つが、企業と健康保険組合などの保険者が協力・連携して、従業員の健康増進に向けた施策を効果的に実施していく「コラボヘルス」です。網羅的なデータを持たない企業側は、保険者が保有するデータを活用することで、より効果的な健康施策が打てるようになります。保険者側はこれまで、生活習慣病を予防するためのメタボ健診(特定健康診査)を促したくても、通達や推奨という手段しかとれなかったのですが、企業側が従業員に積極的に働きかければ受診率の向上が期待できます。厚生労働省は、データヘルス計画を立案し、6年間で施策を進め、成果を測定するよう保険者に要請していますが、これもコラボヘルスの追い風となっています。

ただし、企業の関心は「労働安全」や「生産性向上」という観点からメンタル系疾患に向けられるのに対し、保険者は「医療費の適正化」のため、糖尿病や腎不全などの慢性疾患を予防しようとメタボ対応を重視する傾向があります。こうしたズレを乗り越えて連携するには、継続的に情報提供したり一緒に課題を検討したりする場を設けて、目的やビジョンをすり合わせ、相互理解を深めなくてはなりません。

もう1つのポイントは、デジタル技術、いわゆる「ヘルステック」をうまく活用することです。健康管理システムは以前から用いられてきましたが、データ取得のタイミング、対象者、データ管理の主管者などがバラバラでした。デジタルを活用し、多種多様なデータを一元管理し有機的に結び付けることができれば、課題が明確になります。そこに有効な施策を連動させて、その進捗や成果を測定、評価、改善するというPDCAサイクルを回していくのです。

成果を測る際には、中長期の効果をブレークダウンして、短期的な測定指標(歩数、体重の変化、休職状況など)をうまく組み込むことも重要です。そうすることで、スピーディーかつ効果的に進捗状況が把握でき、経営上のメリットも示せるようになります。

このように、コラボヘルスとそれを支えるサービス・インフラがそろって初めて、継続的な取り組みが可能になるのです。

 

健康経営に関わるステークスホルダーが目標を共有化し、PDCAサイクルをまわす

NRIが提供するソリューション「WELLplus+」で健康経営を支援

上記で述べた「コラボヘルス」×「ヘルステック」な健康経営を実現させるために、NRIが今、開発・実証を進めているのが「WELLplus+(ウェルプラス)」という新サービスです。関連データを集めて一元管理し、ステークホルダー間で目標共有や情報活用に役立てることができます。たとえば、従業員は自身の健康状態を把握し、メタボ気味であればウォーキング・イベントが推奨されるなど、適切なサービスが受けられます。企業は、多種多様なデータの分析結果からより有効な健康促進策を検討・実施できます。産業医といった産業保健スタッフも、幅広いデータから対象者を深く知ったうえで的確なアドバイスや働きかけができるようになります。このように健康経営のステークホルダーすべてが受益者となる仕組みです。

日本は世界で最も高齢化が進んでいる国です。いかに健康寿命を延ばし、長く社会で活躍できる人を増やしていくかは、世界からも注目されています。私たちは健康に関する網羅的なデータ分析、健康施策の企画推進、PDCA管理など多面的に健康経営を支援することで、将来的にはグローバルでも活かせるサービスにしていきたいと考えています。

 

WELL plus+サービスの全容は近日公開予定(2019年1月)です。

WELL plus+サービス事務局:health-tech-info@nri.co.jp

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コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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