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日本企業の海外拠点におけるデジタル化の現状と課題――これからの時代に求められる対応とは

NRI香港社長 下野 隼人

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2019/12/19

デジタル・イノベーションが生み出される場所として、米国のシリコンバレーと並んで注目される中国の深セン。近年は日本や中国以外にも、インドネシアやタイなどアジア各国でデジタル化への動きが加速しています。野村総合研究所(NRI)の海外現地法人NRI香港では、中国深センを始めとしたアジア各国で生まれる最先端技術やサービスを活用し、お客さまと共にイノベーション創造に取組んでいます。香港に14年間駐在し、アジア圏で日本企業を支援してきたNRI香港の下野隼人に、日本企業の海外拠点におけるデジタル化の現状と課題、これからの時代に求められる対応について聞きました。

アジア各国はデジタル時代への準備を加速

中国はデジタル化が急速に進み、日常生活におけるさまざまなものが自動化され、社会の仕組みさえも変わりつつあります。先進国では法規制や企業内の手続きなどにより、最先端の技術の導入に時間がかかるケースが多いのですが、中国ではデジタル化に官民を挙げて取り組んでいるため、意思決定・実装のスピードが速く、その分、導入実績も多くなります。例えば、日本では人工知能(AI)に携わるAI人材不足が深刻ですが、中国には多くの経験を積んだ技術者が揃い、次々と新たな開発を行っています。今や、日本との技術力の差は大きく広がっています。

他のアジア諸国でも、デジタル化への動きが大きく進んでいます。タイはインダストリー4.0を推進する方針を打ち出し、インドネシアも官民一体で取り組んでいます。フィリピンでは政府などが投資し、来るべきIoT(モノのインターネット)時代に向けてネットワークなどのインフラを急ピッチで整備しています。経済状況が好調なベトナムでは、若い世代のデジタル人材が着々と育っています。私は、特にフィリピンやベトナムに今後の成長が期待できると感じています。

現地企業のスピード感とは圧倒的な差がある

日系企業のアジア拠点を見ると、総じてデジタル化は後手に回っている印象です。中小企業ではシステム導入が会計部分のみという事情もあってか、新興国の拠点ではITに関する予算がそれほど組まれず、事業活動のほとんどを属人的なスキルに頼る傾向があります。しかし将来的に、IoTやAIなどの高度な技術を使ってデータを収集・解析し、現地での事業活動に役立てたいならば、そのベースとなる統合基幹業務システム(ERP)の導入は必須です。目先のオペレーションに合わせたシステムを次々と追加してしまうと、後からシステムを再構築するなど、二重の投資が必要になります。

大企業の海外拠点では、現地発でデジタル関係の新しい試みをしようとすると、意思決定に時間がかかってしまうことが問題です。たとえば深センで、日本企業が検討中のデジタル案件について、それを実現できる技術を持つ中国企業に打診したとします。中国企業はすぐに開発体制を組み、プロトタイプを作るなど、積極的な対応を行います。ところが、依頼側は日本の本社で決済を通すための調整や手続きに時間がかかり、結局、「予算不足で翌年度に持ち越し」となるケースも少なくありません。迅速に動く中国企業との温度差を感じます。

経営目標に沿った計画的な投資と迅速な意思決定プロセスが必要

日本企業の海外拠点や日系現地法人がデジタル化を検討する際には、現地のビジネス環境の変化も織り込みながら、そこでどんな活動をしたいのか、経営層が目標を明確にすることが重要です。将来的に現地の生産拠点でAIを使ってトレンド分析し、需要予測や在庫量の調整に役立てたいならば、前もって基幹システムのコード類を標準化したり、分析に必要なデータが取得できるようにしておく必要があります。企業規模によってデジタル関連の予算は異なりますが、それぞれの経営課題や今後のニーズを踏まえた投資をお勧めします。

日本企業の海外駐在者の任期は、2~3年と短期間であることがほとんどです。赴任1年目は現地のビジネスへの理解が最優先、2年目にデジタル化の施策を企画しても、予算が取れ動き出す3年目には帰任辞令が出て、後任者にうまく引き継がれずに中断されるパターンに陥りがちです。意思決定プロセスが早ければ、もっと速やかに導入が進み、継続性も保ちやすくなります。大きなデジタル施策を打つ際には、決済や予算などを現地に権限移譲するなど、既存のプロセスを変更する必要があります。

NRI香港では、日本のNRIはもちろん、上海や北京などの中国拠点、タイ・フィリピンなどアセアンの拠点と連携しながら、アジア全域で、20年前からERPのクラウドサービスを提供してきました。駐在・在籍期間が長いスタッフはお客様企業のIT事情にも詳しく、現地拠点のIT担当者のような感覚でサポートさせていただいています。さらに最近では、中国・深センを始めとする海外発かつ現地で実証済みの最先端技術を組み合わせて、国内外の日本企業のデジタル化をご支援できる体制が整いました。お客様の効率化や競争力の向上のために、基幹システムの整備からデジタル関連のPoC(概念実証)や実装、アジア各国の法制度やインフラ状況を踏まえたご提案まで、幅広くご支援していきたいと思っています。


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