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NRI トップ NRI JOURNAL 『ITナビゲーター2020年版』――2025年度までの市場トレンド予測

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『ITナビゲーター2020年版』――2025年度までの市場トレンド予測

DX

IoT

2020/01/08

野村総合研究所(NRI)では毎年、IT市場を展望し、これからのビジネスモデルの可能性を洞察する『ITナビゲーター』を出版しています。本年は、2020年春に本格的な商用化を迎え関連市場拡大への期待が高まる5Gサービスを序章に、「ICTメディア」「xTech」など6章にわたり2025年までの市場規模予測などを掲載しています。本稿では、特に注目される分野の最新動向と今後の見通しについて紹介します。

広がる5Gの可能性と、求められる守りのDXの観点――ICTメディア・サービス産業コンサルティング部長 三宅 洋一郎

今回のITナビゲーターでは、5Gが日本の市場にどういった影響を与えるのかを中心に、市場トレンド予測をまとめています。5Gには、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に新たなビジネスを実現するインフラとして、多くの企業が期待をよせています。
一方、企業には、個人情報の扱いやGAFAをはじめとするプラットフォーマーとの関係など、デジタル時代ならではの新たな課題への対応も求められています。政府もデジタル市場競争会議を作り、データの価値評価も含めた独占禁止法のルール整備、デジタル・プラットフォーマー取引透明化法の検討、個人情報保護法の見直し等について検討を重ねています。
消費者はDXによる利便性を感じながら、データを取得される不安も同時に感じています。個人情報に対する消費者の思いを充分に勘案しないと企業に対する信頼を失うリスクがあり、消費者と信頼関係をいかに構築するかが、実はDX推進の最大のポイントなのです。

デジタル時代の国際競争第2幕の主戦場はスマートファクトリーから――コンサルティング事業本部 パートナー 北 俊一

社会や産業、生活のDX が急速に進展するこのタイミングで5Gが始まることの意義は極めて大きいと思います。5G時代には、これまでつながっていなかった多くのモノのネットワーキング、つまりIoTが本格化します。5G のポテンシャルがフルに発揮されるのは2023年以降と考えられますが、それまでの間は、工場や倉庫、大規模商業施設、スタジアムなどの閉空間での活用が先行し、点から線、面へと活用範囲が広がっていきます。
デジタル時代の国際競争の第1幕は、GAFAの圧勝に終わりました。デバイスはスマホ中心、そのビッグデータの分析結果は、広告とレコメンドに用いられました。国際競争の第2幕は、ドローンや自動車、そしてあらゆるところに取り付けられたセンサーから得られるデータを、5Gネットワークによって制約なく吸い上げ、これを価値化する競争です。
その主戦場は、まずはスマートファクトリーだと想定されます。例えば、現場で働いている熟練工の4K映像をAIで解析してフィードバックしていくなど、日本の強みである現場力を活かしていくことが第2幕を勝利に結びつけるポイントとなります。

コンテンツとしてのスポーツはスマホの画面争奪に―ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 滑 健作

スポーツ庁と経済産業省は官民一体となって、東京オリンピックを契機として、2025年までにスポーツ産業活性化に取り組むと発表しています。そのためには、ICT を活用してビジネスモデルを変えていくことが重要です。例えば、これまで見ることができなかった競技以外の情報をコンテンツ化し、発信することよって、ファン層の拡大・コア化などを目指すなど、競技団体の創意工夫が求められます。
また、大規模スタジアムでは5Gの特性を活かして、多量の情報と高品質な映像で付加価値の高いサービスの提供が可能となります。
スポーツは、スタジアム内外にかかわらずスマホで楽しむコンテンツの1つとなるでしょう。そして、スポーツ市場におけるスマートフォンファーストの流れは、スマホユーザー側に選択権が与えられることになり、ユーザーがお金や時間を費やす価値があると感じるコンテンツに育てていくことが必要となります。 今後はスマホの画面で楽しむ全てのコンテンツがスポーツと競合します。「画面の中の競争」に勝てなければ、スポーツは消えゆくコンテンツの1つとなりかねません。

変革への労を惜しまず行える企業が小売業界の勝ち組に―ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 矢野 亮

これまで小売業界は、業態別に棲み分けをしながら専門性を高めてきました。しかし、各業態の成長領域追求、取り込みによる業態のボーダレス化が進展していることに加え、ECの急成長に伴い、これまで成長を続けてきたコンビニエンスストアも、品揃えを増やすことで業績を伸ばしてきたドラッグストアも成長期から成熟期へと差し掛かっています。
近年、リアル店舗という顧客接点を有することを強みとして小売企業もデジタル化を進めておりますが、ITプラットフォーマーが顧客との接点と情報を握り、小売領域に進出する動きも出始めています。
この流れに小売企業が対応していくためには、まず自社の有するデータを整備・統合してDX戦略の基盤を構築することが求められます。その上で、自社の強みを磨きつつプラットフォーマーと連携する、さらには自社の強みを小売企業独自のプラットフォームビジネスへと変換するなど、大きな変革が求められます。
こうしたDXの取り組みを成功させるためには、これまでの営業部門、EC部門、商品部門などの機能別組織に横串を通す機能を設置し、次世代を担う人材をDXリーダーとして起用することなども求められます。こうした変革への労を惜しまず行える企業こそ、小売業界での勝ち組になっていくと予想されます。

AdTechはネット広告の技術から販売促進や商品の企画・開発へと用途を拡大―ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 中原 悠悦

日本の広告費は全体で6.5兆円、インターネット広告費はそのうちの1.4兆円を占めます。広告費全体の成長が横ばいとなる中、ネット広告市場は大きく成長を続けており、NRIは今後も年率5%程度の成長が見込まれると予測しています。
これまでネット広告は、自社サイトへの送客やサービス購買に直接結びつける「誘導」が大きな目的でしたが、大きなトレンドとして消費者にサービス自体を認識してもらう「態度変容」を目的とした広告出稿が増えています。
今後は、リアルやテレビなどネット以外の環境で取得されたデータと、ネット上で取得されたデータの統合が進み、見てほしい人に最適化された広告の配信と、広告単体について来店・購買も含む一貫した効果測定が可能となると予測されます。実際に、いち早く「位置情報×広告」の戦略を始めたGoogleは、技術精度向上と提供メニューの拡充をすでに進めており、LINEは街中に設置したBeacon端末を使った位置情報を利用して、新たな広告メニューの提供を模索しています。また、マツモトキヨシは、Googleの広告に自社のデータを連係させることで、来店だけでなく商品購買までを計測・予測し、そのデータを用いた高度なターゲティングを実現しており、従来のプラットフォーマー以外の参入も見られ始めました。
このように、従来ネット広告の技術として活用されてきたAdTechは、販売促進や商品企画、開発領域にも用途が拡大しつつあります。デジタルマーケティング全体で、AdTechの活用をあらためてとらえ直すことが求められています。

  • スマートファクトリー:ドイツ政府が提唱するインダストリー4.0を具現化した先進的な工場のこと。
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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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