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NRI トップ NRI JOURNAL 「TRAINA」が働きやすい職場を支援――AIによって変わるコンタクトセンター(中編)

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「TRAINA」が働きやすい職場を支援――AIによって変わるコンタクトセンター(中編)

AIソリューション事業部 中川 敬介 梅澤 香矢乃

DX

AI

2020/03/04

コンタクトセンターでは人手不足が深刻化しており、既存のコミュニケーターの生産性を高めることが急務となっています。その1つの解決策として、野村総合研究所(NRI)では人工知能(AI)を組み込んだシステム「TRAINA(トレイナ)」を様々な業種・規模のコンタクトセンターに提供しています。今、コンタクトセンターには何が求められ、どのような可能性があるのかを3回に分けてご紹介するシリーズの第二回では、TRAINAの提案や導入に携わっている中川敬介と梅澤香矢乃に、TRAINAを導入した企業の状況や効果について聞きました。

AIによって変わるコンタクトセンター前編はこちら

AI導入後、通話時間が20%削減

――具体的にどんな業務にAIを活用するのですか。

中川:電話対応業務の一連の流れのなかで時間短縮したい箇所は大きく3つあります。電話に出るまでの時間、電話をとってからの通話時間、通話後に内容を整理して記録する時間(後処理時間)です。TRAINAでは、このうち通話時間と後処理時間の削減に力点を置いています。

たとえば、ある大手サービス企業のコミュニケーターは、質問を受けると、社内に複数存在するデータベースをそれぞれ検索して回答していました。TRAINAを導入すると、事業部ごとに作成している情報が一元管理されたことに加えて、音声を自動でテキスト化して検索できる機能や、顧客に確認すべき項目を示すサポート機能なども追加されました。その結果、通話時間が20%削減したのです。

――必要な情報が調べやすくなり、補足情報を活用してお客様の状況を速やかに把握できれば、長く待たせることなく適切に回答できるようになり、満足度向上につながりますね。

中川:コンタクトセンターにかかってくる問い合わせは、簡単に答えられるものから複雑なものまで多岐にわたるので、事前にコミュニケーターのトレーニングが必要です。「コールセンター白書」には、トレーニングに3~6カ月かけているというデータもあります。AIで知識面をサポートすることで、業務効率の向上だけでなく、トレーニング期間の短縮も期待できます。

――後処理時間はどのように削減できますか。

梅澤:コンタクトセンターでは、電話を切った後で、内容をまとめて応対記録を作成することが大変だという悩みをよく聞きます。TRAINAは音声認識により会話をリアルタイムでテキスト化して記録し、さらに、その内容を自動で要約することができるので、コミュニケーターは1から応対記録を作成する必要がなく、誤字脱字を修正する程度で作業が完了します。手入力だと、詳細まで記入する人や、端的に書く人など個人差が出やすいのですが、それを均一化できる点も喜ばれています。ある生命保険会社はTRAINA導入後、作業時間が半分に削減。家電メーカーの場合は5分から1分にまで短縮されました。また、この家電メーカーでは、お客様の何気ない発言から商品企画のヒントを得ることに成功しました。

――大きな効果が見込めますが、やはりAI導入となると、データや学習などの面でハードルが高いのではないでしょうか。

中川:コンタクトセンターの場合、過去の応対履歴データが揃っているため、新たにデータを準備する必要があまりありません。運用後は、コミュニケーターが要約結果を修正したものを学習させることで、さらにAIの精度が高まります。事前準備の負担が少なく、使えば使うほど成長していくモデルであることは、大きなメリットだと思います。

――コンタクトセンター以外でもTRAINAの技術を使うことはありますか。

梅澤:営業担当者とお客様の会話の内容をTRAINAでモニタリングして分析するという使い方をしている企業があります。近年は、説明責任が問われる傾向が強まっているため、誤った説明をすれば大問題に発展し、企業全体にダメージを与えてしまう場合があります。この企業では、従来全通話をチェックすることができず、サンプリングせざるを得なかったのですが、TRAINAによって全通話を対象に分析し、コンプライアンス上課題のありそうな通話からモニタリング・チェックできるようになりました。

AIを活用して、働きやすい職場をつくる

――AIの導入を検討中のコンタクトセンターはどんなことに留意すべきでしょうか。

中川:イノベーションやDX(デジタルトランスフォーメーション)を担当される方々の中には、新しい技術を導入すればすぐに業務が楽になるだろうという発想だけでAIの導入に着目することがあります。しかしその結果、画面上で新しい操作をしなくてはならないなど、現場のコミュニケーターにかえって負荷がかかり、生産性が落ちてしまうことがあります。コンタクトセンターのどの業務プロセスを改善したいかを考え、あるべき姿にどう近づくかを具体化したうえで、必要なシステムを選択、導入していくことが大切です。

梅澤:新しいシステムを入れると業務の流れが大きく変わります。業務をきちんと整備し、現場の担当者に操作方法や適用範囲を理解頂くプロセスも重要です。私たちとしても、システムの提案や実装だけでなく、お客様の技術担当者と現場をつなぐことも重要な仕事だと捉えています。私達の長年のコンサルティングの経験やノウハウをもとに、AIとコミュニケーターが共存する、働きやすいコンタクトセンターの実現をお手伝いしたいと思っています。

AIによって変わるコンタクトセンター後編はこちら

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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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