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NRI トップ NRI JOURNAL 悩める現代女性を応援する「魔法のコンパクト MAJICO」

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悩める現代女性を応援する「魔法のコンパクト MAJICO」

MAJICOプロジェクトメンバー

#DX

#IoT

2020/03/09

自分らしい生き方に悩む女性を後押しするコンパクト型IoTデバイス「魔法のコンパクトMAJICO(マジコ)」。この開発プロジェクトに関わっているのは、世界有数のマーケティング・コミュニケーショングループのマッキャン・ワールドグループでイノベーション活動に取り組むMcCANN MILLENNIALS(MM)と、野村総合研究所(NRI)で新サービス創出を目指すARUMONの有志メンバーです。メンバーの吉富亮介、眞木絢未、顧文瑜、仲理紗、前原良美、倉澤孝明に開発の裏側と、新しいコラボレーションのかたちについて聞きました。

自分を引き出す魔法のコンパクト

――ああ、今日も疲れた、コンパクトを開けよう。
「こんばんは、○○さん!今日はどんな一日でしたか?」
――もう、めちゃくちゃ忙しかった。
「確かに、ずいぶんとお疲れのようですね」
――今日のミーティング、自分から意見をいろいろ述べたけど、あれでよかったかな?
「自分から発言したのですね。それはがんばりましたね!」

このように、女性が話すと応答し、悩みを聞き、フィードバックやコーチングをしてくれる魔法のコンパクト「MAJICO」の開発が進んでいます。
現代の女性なら、セーラームーンをはじめとする魔法を使う少女キャラクターに馴染みがあると思われます。少女たちが持つ、自分に力を与えてくれる魔法のコンパクトがMAJICOのイメージです。
開発には、MMとARUMONの有志メンバーが関わり、共同プロジェクトとして進めてきました。

人間味のあるやりとり

昨年5月に始まったプロジェクトは、メンバー同士でディスカッションを重ねアイデアをふくらませながら、少しずつ「魔法のコンパクト」という形にしていきました。11月に完成したプロトタイプは、手にひらに収まる、まさにメイク用コンパクトそのもの。女性が幼い頃にアニメを見てときめいた「魔法のコンパクト」を彷彿とさせる外観は、夢を叶えてくれる印象を与えます。
現在、完成に向けて開発が進んでいます。自分の悩みや不安をコンパクトに話すと、コーチングの手法を活用して応答し使用者と対話する機能を、顧文瑜は伴走者のイメージだと話します。

「例えば、自分で決めた目標にアプローチするまでの過程を見せてくれることで自分の課題を明らかにすることができます。モチベーションが下がったときは、励ます言葉をかけてくれますし、気分に合わせて自分が好きなコンテンツや商品も表示してくれます」

しかし、人の気持ちに寄り添ったやりとりをIoTで実現するのは、簡単なことではありません。ARUMONのメンバーは、音声や顔の表情、コーチングなどのさまざまなデータを蓄積・分析しながら、自然なレスポンスができるようにしていく考えです。

「例えば、コンパクトに内蔵されたカメラとマイクから利用者の顔画像と音声を取得し、表情や会話内容から心情を解析して、適切なメッセージを返すようにします」と前原良美は言います。仲理紗は「IoTはシステマティックで冷たい印象がありますが、MAJICOでは人間味のあるやりとりができるように実装してきたいです」とMAJICOの機能を語ります。

なぜMAJICOが生まれたのか

MAJICOプロジェクトの発端は、顧が抱いていた想いでした。

「自分と同じ20代の女性たちと話すと、それぞれ、生き方に深い悩みを抱えていることに気づきました。自分にとっての幸せを見つけられていない。私自身、毎日忙しく過ごすなかで、周囲に流されていないか、自分の幸せな生き方とは何かと、いつも思い悩んでいました」

以前は、女性は結婚して家庭に入り子どもを産み育てることが幸せ、といったひとつのモデルがありました。ですが現在は、働き方やライフスタイルが非常に多様化し、若い世代にとって自分の指針となるモデルケース、将来像が見いだせない状況です。となると、幸せは自分で規定しなければならない。だからこそ周囲の価値観にまどわされず、自分に向き合うことが大切で、それをサポートするデバイスができないか、というアイデアから始まりました。

前原は、顧のアイデアに共鳴した一人です。

 「私自身、顧と同じような悩みを持っていたので、MAJICOのようなデバイスがあったら心強いと思いました。悩みを抱える女性の助けになれたらと、このプロジェクトに参加しました」

一方、仲はMAJICOのアイデアを聞いて衝撃を受けたと言います。

「私はそこまで自分の生き方に悩んでいなかったのです。でも、MAJICOをつくる過程で悩んでいないのではなく考えていなかったことに気づき、自分と同じような境遇の女性に対しても、このアイデアを発信していきたいと思うようになりました。」

有志メンバーによる新しいコラボのかたち

組織も専門領域もそれぞれ異なりながら、本プロジェクトに自分なりの意義を見出して関わっている点で、MAJICOのメンバーは共通しています。
MMもARUMONも、イノベーションの推進を期待して生まれた組織です。本来の仕事は行いつつ、その業務とは異なる活動に取り組む有志メンバーによって運営されています。
MAJICOプロジェクトの推進役である吉富亮介は「これからの時代に新しいものを生み出す、新たなコラボのあり方」だととらえています。

「MAJICOのプロジェクトは、有志団体同士のコラボである点に意味があると思うのです。元々私たち2社の有志団体が出会ったキッカケは、ONE JAPANという大企業の有志団体コミュニティです。日々のさまざまなディスカッションを経て信頼関係を築いていた中で、意欲やアイデアがあり、専門領域が異なる若手有志メンバーが、お互いを信頼しながら対等に関わることで、従来の企業内だけでは考えもしなかった新しいアイデアを実現できる手ごたえを感じました。今回のようなコラボプロジェクトをもっと行っていきたいと考えています。MAJICOのプロジェクトは完成に向けてまだ超えるべきハードルがありますが、プロジェクトメンバーが一丸となって進めていきたいと思っています」と今後に向けた思いを語りました。

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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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