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NRI トップ NRI JOURNAL 社会を支える強くてしなやかなITインフラ――サステナブルな品質維持への取り組み

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社会を支える強くてしなやかなITインフラ――サステナブルな品質維持への取り組み

データセンターサービス本部 DCマネジメント部 水河 力
クラウドサービス事業本部 クラウドサービス統括部 内田 英里

クラウド

2020/06/19

情報化が飛躍的に進んだ現在、多くのユーザーが利用する情報システムは社会インフラと呼べる存在です。そして、それらを支えるITインフラには、サステナブルな品質維持が求められており、環境保護や統制、情報セキュリティの確保は、これまでにも増して重要となっています。国内数か所にデータセンターを展開し、クラウドサービスを提供している野村総合研究所(NRI)の取り組みについて、データセンターのファシリティマネジメントを担当する水河力と、プライベートクラウドサービスの統制を担当する内田英里に聞きました。

環境負荷低減への取り組み

データセンターやクラウドサービスなどのITインフラは多くのユーザーが共同利用するため、同等システムを個々のユーザーが自前で運用した場合に比べてCO2を大幅に削減できます。つまり、このようなビジネスモデル自体が環境負荷の低減に寄与しているといえます。一方で、集約化されたITインフラの消費電力は決して少量とはいえず、当社が運営するITインフラも例外ではありません。これを踏まえ、事業者の責任として、日々の運用はもとより設備設計においても、環境負荷の低減につながるさまざまな工夫をしています。
一例として、2012年に竣工した東京第一データセンターでは、冬季に外部の空気を使って冷却を行うフリークーリングや太陽光発電、自社で開発したダブルデッキシステムを取り入れて、優れた環境性能を実現しています。このダブルデッキシステムとは、コンピュータを置くエリアと空調や電源などのメンテナンス機器を置くエリアを完全分離し、メンテナンスエリアとコンピュータエリアの圧力差を利用して、冷気を送り込むものです。実証実験を重ねて実現し、特許を取得した仕組みであり、ICT機器の冷却に必要な電力を大幅に削減することに成功しています。
こうした活動により、2018年度にNRIグループの事業活動から生じた温室効果ガスの排出量は、2013年度比で38%削減を達成しています。

高い統制品質、セキュリティ品質を保ち続ける運営

環境への配慮と同様に、安全安心なITインフラの運営のため、統制や情報セキュリティの確保もきわめて重要です。特に金融システムについては高い統制レベルが求められます。各機関が発行しているガイドラインなどを基に、社内で基準を定め、定期的にリスク評価を行い、対策を実施しています。また、この運営について独立した組織で定期的に監査や評価を行い、改善プロセスを回すことで、高い統制、セキュリティ品質を確保、維持しています。
一例をご紹介すると、免震機能や発電・蓄電機能、予備装置、不正侵入防止の機能など、設備や機能の導入だけでなく、有事の際にこれらが適切に稼働するよう、運営面においても日頃から点検や訓練を実施しています。大規模障害訓練を含む定期的な訓練は年間4,100回以上に及びます。さらに、危険予知活動や他社事例からの学び、研修を通じたルールの定着や知識の継承など、統制/セキュリティ品質の意識の向上と定着にむけた取り組みを継続しています。

数々の国際認証も取得

そのような活動の結果、NRIは、これまでに数多くの国際認証を取得しています。2014年にはM&O認証を日本で初めて取得しました。これは、ファシリティが基準を満たしていても、運用面に問題があり、期待したレベルのサービスが提供されない、ということが起こりがちであったことを背景に、米国のUptime Instituteが設けたファシリティ運用とデータセンター管理に関する認証です。
また、内部統制がきちんとできている証として、SOC2報告書があります。委託された業務に関連する内部統制を対象に、監査法人が規準を満たしていることの保証をするもので、NRIでは、可用性とセキュリティの観点で毎年受領しています。これ以外にも、情報セキュリティマネジメントシステムに関連するものとして、ISO/IEC 27001, ISO/IEC 27017の認証を取得しています。
もちろん認証取得はそれ自体が目的ではなく、これらを取得しようという取り組みが、より良いPDCAとなり、持続可能なITインフラの提供につながるものと考えて行っています。

サステナブルなITインフラであるために

NRIは、環境負荷低減への取り組みとして、「2030年度までにデータセンターで使用する電力の36%を再エネ由来にする」、そして「2050年には事業活動により利用する電力の全てを再エネ由来にする」ことを目標としています。これらを実現するためには、従来の省エネによる取り組みだけでは足りません。今後は、どのように発電された電気を使うのかを検討する必要があります。

また、安全安心な品質を維持向上していくためには、人材育成や風土醸成の継続も引き続き大切なことです。社会インフラを支えるデータセンターやクラウドサービスにおいてトラブルは許されず、失敗から学ぶことも難しい状況です。こうした中で、いかに知識や経験を蓄積・継承していくのか。前述のさまざまな活動にプラスして、AIやビッグデータも活用しながら、さらに質を高めていくことが重要だと考えています。

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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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