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ポスト・コロナのデジタル・ニューノーマルを牽引するテクノロジー

IT基盤技術戦略室長 城田 真琴
IT基盤技術戦略室 亀津 敦

DX

2020/07/17

新型コロナウイルスの感染拡大が続く一方、世界で感染が落ち着いた後(ポスト・コロナ)を見据えた新たな行動様式の模索が始まっています。この新たな社会のニューノーマルにおいて、大きなポイントになると考えられているのがテクノロジーの活用です。新しい生活様式を支えるテクノロジーとはどのようなものになるのか、先端技術の動向に詳しい野村総合研究所(NRI)の城田真琴と亀津敦に聞きました。

新たな生活様式や働き方に貢献するデジタルテクノロジー

新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、デジタルテクノロジーを活用する試みが積極的に進められています。日本でも始まった、スマートフォンを利用した新型コロナウイルス感染症の陽性者との接触を確認するアプリなどは、その代表例と言えるでしょう。

城田は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向けて、すでに様々な技術が活用されていると言います。人間の体温を13人同時に計測できるスマートヘルメット、ウェアラブルデバイスを用いて体温や心拍数・血中酸素飽和度などのデータを取得し、その分析によって新型コロナウイルスの感染を予測する研究、3Dプリンターで作成可能な個人用防護具の設計図を無料公開している事例など、様々な取り組みが行われています。

そして「新型コロナウイルスへの日常的な感染対策のための新しい生活様式、あるいは新しい働き方のスタイルが提案されつつあります。これらを実現する際に大きく貢献するのがデジタルテクノロジーであり、これによって実現される新たな世界を『デジタル・ニューノーマル』と定義しています」と城田は述べました。

この新たな社会で注目されている技術の1つとして城田が取り上げたのは、非対面営業システムです。こうした仕組みがあれば、人との接触を避けることが求められる状況でも、多くの企業にとって極めて重要である営業活動を継続することが可能になります。

城田は「現状のWeb会議システムでは、事前に受け取ったURLやパスワードを使って接続する必要があります。しかし一般消費者の中には、複雑な操作や対応が難しい方もいます。今後の活用拡大に向け、簡単に接続できるものが求められています」と説明します。

さらに外出することが難しい状況での日常生活を支援するものとして、Eコマースの高度化を実現する技術にも言及しました。例えば、衣料品をEコマースで買おうする場合、店舗での購入と異なり、商品が自分に似合っているのかを試着して確かめるといったことが容易ではありません。そこでデジタルテクノロジーを活用し、オンラインでも商品を試すことを可能にするというわけです。

城田が具体例の1つとして挙げたのは、米国で眼鏡のオンライン販売を行っているWarby Parkerです。同社では3D映像を用いた、オンラインでの眼鏡の試着を実現しています。城田は「顔を上下左右に動かしても、カメラに写した自分の顔にバーチャルな眼鏡が追従し、自分に似合っているかどうかを確認できます。これはAR(Augmented Reality:拡張現実)の技術を使って実現されているもので、興味深い事例です」と語りつつ、今後はこうした仮想試着のニーズは高まるだろうと予測を述べました。

このようにさまざまなテクノロジーを紹介した上で、それらが普及してデジタル・ニューノーマルに取り込まれるためには、「技術」と「費用」「法」「文化」そして「体験」という5つの壁を乗り越える必要があると指摘します。この5つの壁の中で、特に乗り越えるのが難しいのは体験であるとした上で、次のように話しました。

「たとえばオンライン授業では、単純に先生の話を聞くだけであれば現在の技術でも実現できますが、友人との何気ない触れ合いのようなものも学生生活では必要であり、単純に授業さえできればよいというものではないでしょう。こうした体験を含め、5つの壁を乗り越えられるかどうかがデジタル・ニューノーマルでは重要になると考えています」

オフィスで働く人たちの健康を守るために

亀津は、職場における新型コロナウイルスの感染拡大の防止を考える上で、まず重要になるのは密閉・密集・密接の「3つの密」を避けることだと述べます。具体的には、2メートルを目安に従業員が座る席の間隔を保つことなどが考えられます。

海外の企業をみると、米国のAmazonでは倉庫業務でのソーシャルディスタンスの確保、中国のアリババではオフィス内における従業員の行動追跡、といった具体的な取り組みがすでに行われています。

また亀津は、オフィスに来訪するお客様や勤務者の健康を守るための対策が必要になると述べ、「NRIではオフィスの入館ゲートにサーマルカメラを設置しています。もし高熱の人が入館ゲートを通ろうとすると、画面上に警告が表示されるようになっています」と、NRIの取り組みを話しました。

さらに亀津はNRIのソリューションである「AIカメラ for meeting」を紹介しました。これは小型カメラで会議室をモニタリングし、マスクをしていない人を検知して着用を促したり、人と人との距離が近すぎる場合は「近すぎるので席を離してください」などとアナウンスを流すものです。

このように職場における新型コロナウイルス対策について説明を行った亀津は、最後に「従業員をオフィスに受け入れるとき、従業員をいかに守っていくかは企業が改めて考えなければならない課題ではないでしょうか」と述べました。

新型コロナウイルスの脅威はまだまだ継続しており、私たちの生活やビジネスに大きな影響を及ぼし続けています。このような状況の中、生活やビジネス、そして何より私たちの命を守るために何をしていくべきか、しっかり向き合って考えていく必要があるでしょう。

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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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