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NRI トップ NRI JOURNAL 独自のアプローチでデジタルトランスフォーメーションを支援 ~コスト効率と可視性に優れたIT環境へ~

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独自のアプローチでデジタルトランスフォーメーションを支援 ~コスト効率と可視性に優れたIT環境へ~

#DX

#グローバル

#業務プロセス改善

#オーストラリア

2020/10/06

2016年に野村総合研究所(NRI)グループに入ったASG Group Limited(以下、ASG)は、1996年の設立以来、オーストラリアの官公庁と民間企業のお客様に、統合基幹業務システムや経営データ分析など、IT分野のソリューションとコンサルティングを提供する「ITサービスプロバイダー」です。

ASG ホームページ(英語)

豪州のIT市場をリードするキープレイヤーとして、独自のアプローチで組織の変革を支援するASG。今回は、コスト効率と可視性に優れたIT環境へのシフトによりデジタルトランスフォーメーションを加速する2つの事例を紹介します。

Case1:Main Roads Western Australia

道路網のパフォーマンスの継続的改善を可能に

幹線道路網の計画、建設、維持管理を担う西オーストラリア州の政府機関Main Roads Western Australia(以下、Main Roads)は、運輸省、公共交通局、地方自治体と緊密に連携し、250万平方キロメートルを超える地域を対象に18,500キロメートル以上に及ぶ世界有数の道路交通網を提供しています。その目標は「安全で信頼性が高く持続可能な道路交通システムを通じて、顧客に価値をもたらすこと」。

目標達成に向けて道路利用者へのサービスを向上させるためには、収集した道路センサーデータから幹線道路のパフォーマンスを把握する「ネットワークパフォーマンスレポートシステム(以下、NetPRes)」の更改が必要でした。メンテナンスの難しさに起因する精度の低下に加え、追加データの処理に対応できる拡張性がないこと、レポートの作成に時間がかかること、高度な分析や機械学習を実行する機能がないことなどが主な理由です。

Main Roadsから依頼を受けたASGは、既存システムのボトルネックを特定するとともに、改善に向けたロードマップを作成。必要なコンポーネントやプラットフォームの選定とPoCを経て、最終的にMicrosoft Azure上に構築された最新のクラウドデータプラットフォームを提供しました。Main Roadsのネットワーク運用チームは、道路網全体のパフォーマンスを高精度に可視化できるようになっています。

<主要な成果>

  • 道路網の変化に応じて容易にメンテナンス可能なシステムを構築
  • データ量は4倍に増加したものの、1時間かかっていたクエリが数秒に短縮
  • 高度な分析や機械学習機能の利用が可能
  • より少ない時間とコストでデータソースやデータタイプを追加可能
  • 従来の数分の1程度のコストでワークロード開発のためのプラットフォームを構築

Case2:オーストラリア首都特別地域

ソフトウェア資産管理プログラムで2億3000万ドルのコスト削減に成功

オーストラリア首都特別地域(以下、ACT)は、ニュー・サウス・ウェールズ州に囲まれたオーストラリア連邦直轄の独立行政区域で、首都キャンベラ及び周辺6州から構成され、連邦政府の中核として幅広い業務を担っています。大規模で複雑なICT環境を有するACTは、日々の業務に追われ、組織内で拡張しつつあったソフトウェアのポートフォリオ管理が後回しになっていました。大量のソフトウェアライセンスを保有し、年間支出が増大するなか、ソフトウェアがどう展開されているのか、どの程度利用されているのかが把握できず、果たしてコストに見合った価値を提供できているのか、改善の余地があるのかどうかさえ判断できなくなっていたのです。

そこで、ASGのソフトウェア資産管理(SAM)チーム(ASGの100%子会社であるGroup 10 Consulting社:以下、Group 10)が詳細に分析した結果、毎年数百万豪ドルのコストがかかっていることに加え、次のような問題点が明らかになりました。

  • 必要以上のライセンスコストを支払っている
  • 未使用のライセンスに対しても継続的なサポートコストが発生している
  • コンプライアンスに準拠していないソフトウェアが展開されるリスクがある

コスト削減およびリスク回避を目指して、ACTはソフトウェアの調達と管理を行うエンドツーエンドのSAMサービスの導入を決定。導入にあたり、Group 10は経験豊富なITプロバイダーとして次のものを提供しました。

  • 毎年大幅な節約が可能なコスト削減プログラム
  • 投資効果を高めるソフトウェア管理手法への改善
  • サービスの有効性を測定するためのKPI
  • SAMに関する成熟度評価と継続的改善のためのロードマップ
  • コンプライアンスプログラムの継続的実施
  • アーキテクチャの方向性に沿ったSAMテクノロジーロードマップ
  • ライセンスを最適化するためのアドバイス
  • プロセスとガバナンスの効率化

結果として2億3,000万豪ドルのコスト削減と支出の最小化を実現できただけでなく、ソフトウェアの展開と使用状況の可視化、ソフトウェアのコンプライアンス違反リスクの低減、ユーザーエクスペリエンスの大幅な改善といった成果が得られました。こうして効率的なプロセス、プログラム、ガバナンスが整備されたのを機に、ACTは現在、組織全体にクラウドテクノロジーを急速に拡大中です。Group 10は支援を継続するなかで、ソフトウェアの検知機能および管理能力のさらなる向上に取り組んでいます。

関連サイト (ASG ホームページ ※英語)

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お問い合わせ

株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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