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ニューノーマルカンパニー――激しい変化の時代を生き抜く変革永続力

コンサルティング事業開発部 須藤 光宜
コーポレートイノベーションコンサルティング部 加藤 貴一

#DX

#ビジネスモデル変革

#事業構造改革

2020/12/11

多くの企業では、デジタルトランスフォーメーション(DX)、業務改革、組織改革など多様なテーマで変革を試みるものの、実行しきれていないというのが実態です。こういった状況への一つの解として、野村総合研究所(NRI)のコンサルタントとして幅広い企業を支援してきた有志6人が知見を結集させ、この度、単行本『ニューノーマルカンパニー』を上梓しました。共著者の須藤光宜と加藤貴一に、成功企業から導き出した「変革永続力」について聞きます。

大変革よりも、日常的に変わり続ける

――なぜ執筆を思い立ったのでしょうか。

須藤:2018年頃から、利益至上主義よりもSDGsに代表されるように社会貢献を重視する風潮が高まってきました。また、コロナ禍のように不確実な事象は今後も起こりうることが経営のコンセンサスになっています。中期計画を掲げて大きな改革を始めても、うまくいかない実態を見るうちに、今の環境下では、日常的に変化し続ける企業体のほうが将来のありたい姿に近づくのではないかと考えるようになりました。そこで新しい会社の形を皆で考えるきっかけにしたいと本を書きました。

加藤:仕事柄、「会社を変えたい」という相談が多いのですが、そういう企業に限って過去の成功体験に基づいて意思決定をしがちです。一方、オムロンやリクルートなど強い企業を見ると、過去にこだわらず、常に変わり続けています。「変革が必要だ」ではなく、「自分たちはいつも変われているか」と問い続けるのが「ニューノーマルカンパニー」であり、これについて書くことで前例踏襲主義に一石を投じたいとの思いもありました。

4つの力で変革を永続させる

――変革し続けるために企業には何が必要でしょうか。

加藤:図に示すように、「未来志向力」「共感演出力」「換装自在力」「式年遷宮力」の4つの力が必要だと考えます。縦軸の「未来志向力」と「共感演出力」は気持ちに関わるものです。未来の社会でどのような価値を出せる会社になるのかを全員が意識できていないと、変革を続けられません。20~30年後にどのような会社を目指すのか未来を描く「未来志向力」が、特にトップ層に求められます。さらに、それを末端まで伝えて一体感をつくるのが「共感演出力」です。「醸成力」という表現でも良かったのですが、変革できている企業では、経営層が皆を盛り上げ、アピールするなどの工夫が見られ、そういう演出の必要性を示したかったのです。

横軸の「換装自在力」と「式年遷宮力」は仕組みに関するものです。「換装」はIT用語で、部品や装備を取り替えて、同じ主体を使い続けること。基幹システムなどは一度つくり込むと変更しにくいのですが、不確実性の高い中では、必要に応じて自在に変えられる仕込みが欠かせません。「式年遷宮力」は、伊勢神宮で1000年以上続いてきた、定期的に建物を新しく作り直す伝統を踏まえています。人に依存するのではなく、定期的に変革する仕組みを入れることが永続性につながります。

――日本企業に不足しがちな力はありますか。

須藤:「未来志向」はできていても、それを全従業員にわかりやすく浸透させる「演出力」が非常に弱いように感じます。全社員を集めて30分、社長がプレゼンテーションをするだけでは、浸透活動として十分ではありません。「換装自在力」も不足しています。アメリカ企業はデジタル化で必要なスキルが変われば、すぐに人材を入れ替えて対応しますが、日本企業ではそうもいきません。既存の人材を活用しながら変革するために、最初から新しいものに組み替えやすい形にしておく必要があります。

それから、執筆して改めて感じたのは、良い社長には4つの力が揃っていること。保身で守りに入るのではなく、会社を伸ばし、新しいものをつくるマインドセットを社長が持つためには、その意識を醸成するための経営者教育も重要です。

やりたいことを追求し、能動的であれば、変革は苦にならない

――この本を今後どう活かしていきたいですか。また個人として、変革を楽しむ方法はありますか。

加藤:本の中で4つの力を実現するための7つのメソッドを紹介していますが、そうした内容をコンサルティングの提案に採り入れています。安全策をとって変わらないのではなく、とにかくやってみて、失敗したら、また変わればいい。海外企業に負けないためにも、変わり続けることをDNAにしてほしいと思います。

個人にとって大切なのは、受け身にならないこと。本の執筆時にも感じましたが、自分のやりたいことを持って皆が集まれば、良いチームができ、建設的に議論して納得のいく仕事ができます。大企業の中でも、言われたことをこなすのではなく、能動的に考えて仕事をすることは可能です。

須藤:自ら考えたコンセプトやメソッドを発信し、私たちが組織変革を支えるパートナーになれることを伝えながら、高い視座を持ってコンサルテーションをしていきたいと思います。特に今は、個人の価値観が変化し、会社に就職するのではなく、自分のやりたい仕事をベースに会社を選ぶ時代になっています。会社のため、誰かのため、といった行動原理は、逃げ道を作ることになります。やりたいことがあって、それをやると決めたら、あとは実践あるのみ。そういう姿勢で仕事に取り組み、世の中と関われば、将来に活きてくると思います。

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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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