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NRI トップ NRI JOURNAL デジタル人材を育成する3ステップ~デジタル時代を勝ち抜く競争力に自社人材は不可欠~

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デジタル人材を育成する3ステップ~デジタル時代を勝ち抜く競争力に自社人材は不可欠~

ITマネジメントコンサルティング部 中川 裕貴、紀ノ岡 真理

DX

IT人材強化

2021/01/25

デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させるためには、デジタルテクノロジーに精通する人材を揃えるだけでは不十分です。自社のビジネスやルールを熟知し、多様な社内ステークホルダーを巻き込みながら、現場でDX施策を推進できる「デジタルリーダー」の存在が鍵となります。野村総合研究所(NRI)の中川裕貴と紀ノ岡真理に、そうした人材の育成方法について聞きます。

デジタルリーダー候補は社内にいる

――DX推進の際に、人材面に課題を感じる企業は多いのでしょうか。

紀ノ岡:以前はDXで何をやるかという相談が多かったのですが、ここ1、2年は実行フェーズに移ってきて、デジタル人材に関する注目度が高まっているように感じます。NRIと日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が共同で行った「デジタル化の取り組みに関する調査2020」でも、「デジタル化を推進する上で、重要と考えている要因」として、「効果が不透明な時に実行するための決断・合意形成、リーダーシップ」(73.8%)や「これまでとは異なるデジタル人財の確保」(54.4%)などの回答が上位に来ています。

デジタル人材というと、データ分析ができるデータサイエンティスト、素早くシステムを作れるフルスタックエンジニアなど、いわゆるテック系スペシャリストに着目して、高いお金を払って外部から調達しようとする企業も見受けられます。そうした取り組みはもちろん大事ですが、問題はテック系人材だけ揃えてもDXが推進できるとは限らないことです。

中川:そもそも自社のビジネスや業務プロセスなどを理解していなければ、自社にとって有益なデジタル技術の活用アイデアは生み出せません。経営層や関係部門を巻き込み、橋渡しや合意形成をしながら、デジタル戦略を愚直に実行できる「デジタルリーダー」を、社内ルールや文化を熟知する社内人材の中から育てていくことが重要です。

「点火」「体験」「実践」の3ステップで育成する

――そうした人材を育成するための良い方法はありますか。

紀ノ岡:NRIでは「点火」「体験」「実践」の3段階での人材育成を提案しています。

デジタルリーダー人材候補は既存事業での成功体験があり、新しいデジタル化の取り組みに対して関心や意欲が低く、否定的な考えを持っていることも少なくありません。そこで点火段階で、「デジタル化を進めなければ今後どうなるか」を理解してもらい、デジタルマインドに火を灯し、関心や意欲を喚起します。

体験段階はOFF-JTで、必要な知識やスキルを習得します。NRIではデジタルリーダーについて、「ビジネス」「テクノロジー」「ヒューマン」という3領域の11要件を定義していますが、かなり広範囲の知識やスキルが要求されます。基礎的な知識を短時間で学び、企画・実施の模擬体験をするなど、効果的な研修プログラムを提供する必要があります。

実践段階では、OJTで実際のプロジェクトに参加し、実践を通じた成長を促します。メンターを配置するなど、有意義な育成の場となるようにサポート体制の整備も欠かせません。

現場の知見を盛り込んだオール・オンライン研修を実施

――NRIではどのような支援を行っていますか。

中川:コンサルティングやプロジェクトでの協業だけでなく、2020年9月に半日×4日間で、点火と体験段階までをカバーした「デジタルリーダー育成研修(初級編)」のトライアルを実施しました。広範囲に及ぶデジタルリーダー要件に対応したプログラムにするため、NRIグループの英知を結集させるだけでなく、外部講師の力も借りました。当初はオンサイト研修として準備していましたが、コロナ禍で急遽、オール・オンライン研修に作り替えることになりました。

トライアルには、さまざまな業界の企業から30名弱が参加。ワークショップツールMURAL、多様なZoom機能、オンデマンド配信などを用いての実施となりましたが、時間配分、休憩や交流時間の入れ方など、オンラインならでは勘所も学習できました。

紀ノ岡:トライアルでの反省点や参加者のフィードバックを踏まえて、初級編研修パッケージを完成させました。現在は、体験段階を中心とした中級編向け研修も検討中です。今後も実体験を持つ講師が、教科書にはない現場のリアルな状況やつまずきやすいポイントを紹介するなど、NRIらしい研修を追求したいと思います。また研修後も、実際のプロダクト開発や構想立案など、さまざまな形で支援できればと考えています。

――最後に、デジタル人材に課題を抱える企業にアドバイスをお願いします。

紀ノ岡:組織や会社は人がつくるものです。自社に必要なのはどんなスキル・知識、経験を持ったデジタル人材なのか、経営層を交えながら議論していくことが、デジタル時代の人材戦略の第一歩になります。その上で、従来の枠組みにとらわれることなく、採用や育成、働く環境などを1つ1つ地道に変革していくことが大切です。

中川:人に関わるテーマは報酬や昇進などデリケートな部分を含むので手をつけにくいのも事実ですが、これまでと同じ採用・育成方法では優秀な人材を獲得しにくくなっています。先進企業に後れをとらないためにも、「今」このテーマに取り組むことが重要です。

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お問い合わせ

株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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