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NRI トップ NRI JOURNAL hyphenate×NRI デザインとビジネスの融合で価値創出と変革を後押しする

NRI JOURNAL

未来へのヒントが見つかるイノベーションマガジン

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hyphenate×NRI デザインとビジネスの融合で価値創出と変革を後押しする

hyphenate 代表取締役 平田 智彦氏、クリエイティブディレクター 繁里 光宏氏
グローバルインフラコンサルティング部長 村岡 洋成
コーポレートイノベーションコンサルティング部 グループマネージャー 徳重 剛

#イノベーション

#UX/UIデザイン

#DX

#CX

2021/02/09

ユーザーの価値観が多様化する中で、企業は変えてはいけないコアとなる価値を見定めた上で、素早く変革を進める必要があります。野村総合研究所(NRI)は2020年7月にデザイン・コンサルティング会社のhyphenate(ハイフネイト)と業務提携し、お客様の新たな事業創出のサポートを強化しています。両社がともに動くことでどのような価値が生み出せるのか、hyphenateとNRI、双方の担当者に話を聞きました。

デザインの背後にある必然性

hyphenateはUSBの開発や銀行の顧客体験変革などで実績のあるアメリカのデザイン会社zibaの日本法人として発足しました。その後、日本企業に合わせたサービスの提供を目的に独立。2020年から「色、形といった表面だけのデザインではなく、人の体験に関与するというDNAを保ちながら、独自メソッドも加えて展開しています」(hyphenateの平田氏)。

hyphenateとNRIがともに動くことで1+1=2以上の価値が出せる。NRIの徳重がそう強く感じたのは、ある開発案件で、hyphenateのデザイナーから「今回開発するAIチャットボットはどんな人格を想定していますか」と聞かれたときでした。「ユーザーの質問に完璧に答えるチャットボットか、曖昧な質問にも対応しようとするお節介焼きのチャットボットか。そうした人格によって、UI(ユーザーインターフェース)の見せ方も、UX(ユーザーエクスペリエンス)も全く違ってくることを示唆する問いでした。UI/UXは趣味趣向で決まるのではなく、必然的なプロセスであることに、ハッとさせられました」

一方、「定量的にデータを導き、ロジックを組み立てて、事業化に向けて説得力を持たせるNRIのアプローチはとても新鮮でした」と、hyphenateの繁里氏は振り返ります。互いに異なる発想を持ち寄り、デザインに意味性を持たせ、それをビジネス価値に翻訳することで、相補的な役割を超えた相乗効果が出せると考えたことが、提携の決め手になりました。

コミュニケーションとスピードの促進

両社は現在、お客様向けに課題認識や変革ターゲットの設定、ユーザーリサーチに基づいたインサイト抽出、事業の方向性の設定、構想の具現化といった内容の支援を行っています。このようなプロセスを体験しスピードを実感したい方向けに、全プロセスを4週間で体験するトライアル支援プログラムも共同開発しました。お客様に提供する際には、サービスや事業のデザインという一義的な目的だけでなく、コミュニケーションの質を高め、関係者がスピーディーに意思決定できるように促しながら、より骨太なソリューションにしようと取り組んでいます。

「ワークショップでは、文字や言葉だけでなく、絵を描いたり、カードを使ってキャラクターを表現したり、ジェスチャーやロールプレイングなど様々な手法を使って、発想の幅を広げ、自社ブランドの根幹にある意味に迫ります。楽しみながら議論するうちに、参加者の表情が変わり、生き生きとしてきます。コミュニケーションを深めることは重要であり、プロジェクトが最終的に成功する可能性も高まります」(繁里氏)

NRIの村岡が手応えを感じているのは、スピード面の効果です。「社内からせっかく良いアイデアが出てきても、稟議を通すのに時間がかかり、実現スピードが遅いせいで、他社に先を越されてしまう事例を何件も見てきました。言葉で説明するだけでなく、事業やサービスのアイデアを可視化することで、同床異夢の状況が減り、意思決定のスピードが確実に上がります。前に進めるスピードを上げることは、企業の長期的なバリューにもつながるはずです」

このほか、企業の長期ビジョン策定案件にもデザイン手法を導入しています。絵を描いてみることでアイデアが明確になった、個人の想いと企業の方向性を関連づけたことで自分事になったなど、刺激を感じる参加者も多く、ミドルマネジメントの巻き込みにも役立ちます。

「良い」を超えて「好き」を作る

両社は今後、デザイン手法の適用領域をさらに広げていくつもりです。「日本には、良いサービスや良い企業が当たり前に存在しますが、それでも世界にプレゼンスはありません。良いものは技術の積み重ねで作れるとしても、その先になると、自社がやらないことを決めて、『好き』を作らないといけません。好きを作る背後には哲学があり、意味を持たせることが大切です。そのためにもクリエイティビティを発動させる場を提供したいと思います」(平田氏)

コロナ禍で環境が急変する中で、自社を変革し、真に意義のあるイノベーションを求める企業が増えています。「その支援ができるように、アイディエーション(着想)から始まり、サービスを開発し、収益化するところまでカバーするイノベーション・バリューチェーンを完成させたいですね。ワクワクするイノベーションを生み出すための『船』をhyphenateさんと一緒につくり、そこに多様な仲間に加わってもらい、日本企業のイノベーション活動を盛り立てたいと思っています」(徳重)

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お問い合わせ

株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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