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NRI トップ NRI JOURNAL 「耳の可処分時間」を活かす
音声メディア・マーケティング

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「耳の可処分時間」を活かす
音声メディア・マーケティング

NRIネットコム デジタルSX推進室長 三上 純市

DX

2021/04/06

これまでも、Podcast(ポッドキャスト)やVoicy(ボイシー)といった音声メディアプラットフォームは増加してきていましたが、見知らぬ人と気軽に話し合える音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」の利用者が急増したことで、音声メディアへの注目が高まっています。以前から音声に着目し、企業の音声メディア活用に取り組んできたNRIネットコムの三上純市に、市場のトレンドや今後の可能性について聞きました。

音声メディアの利用者は増加中

――音声メディアといえば、ラジオを思い浮かべる人も多いと思います。

ラジオは4大メディア(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の1つですが、インターネットが新たな広告メディアとして急成長する中で、私も含めてマーケティング関係者の間では斜陽メディアのように見られてきました。しかし、ラジオ局や制作会社の方に話を聞くと、ラジオのリスナーは近年、右肩上がりで増加し、企業がその価値を再評価しようとする動きもあるそうです。

――なぜ利用が増えているのでしょうか。

スマホの普及が大きく影響しています。スマホやタブレットのアプリからラジオを視聴できるradiko(ラジコ)やPodcast、音楽配信のSpotify、書籍のオーディオブックなど、多様な音声コンテンツを気軽に聞けるようになったことで、利用が増えてきています。NRIネットコムが学生を除く30代~60代の男女5万人を対象にしたアンケート調査で「音声メディアを利用しているか」と聞いたところ、利用経験がある人は40%超、現利用者のうち週3日以上聴取している人は約半数にのぼりました。

耳の可処分時間はまだ残されている

――通勤や移動中など隙間時間での利用が多いのでしょうか。

スマホではそうした利用が多いと思います。ただ、通勤や運動をしながら聴く「ながら聴取」だけでなく、家でタブレットやスマートスピーカーなどのようなデバイスを使って、音楽やニュースなどをじっくり聴く人もいます。
今、世の中には文字や映像など視覚に訴求する情報が溢れ、忙しい人の視覚の可処分時間は殆ど残されていないと言われています。しかし、そういう人でも「耳の可処分時間」は残されていて、耳を使って情報を得たいというニーズがあります。

――企業は音声メディアをどのように活用できますか。

使い方は大きく3つあります。一番分かり易いのが、外部の音声メディアに対する広告出稿です。2つめは自社コンテンツを音声として発信し、ブランディングなどに用いることです。自社コンテンツを発信する企業は増えてきています。たとえば、昨年終了したのですが、トヨタ自動車は高級車レクサス専用のサイトを作って、レクサスの世界観を伝える音声コンテンツをタイムリーに更新していました。最近配信を始めたNRI Voiceもこのタイプです。専門家が肉声で情報を発信するので、文字の記事とはひと味違うヒューマンタッチのコミュニケーションが可能になっています。リスナーとしても感情移入しやすく、ファンづくりに適しています。
3つめが、自社で音声メディアを持ち、自社データや利用状況データなどを掛け合わせて、顧客にとって最適な情報を効果的に届けるというように、デジタル時代ならではのマーケティング活用です。世界的にもまだベストプラクティスとなる事例は見当たらないのですが、単なる音声配信ではなく、利用者や利用状況の分析を通じてより深いコミュニケーションができると期待されています。

データ分析や最適化による新しい可能性

――その一方で、音声メディア特有の難しさもありそうです。

リアルタイムや録音して音声配信すること自体は、既存の音声プラットフォーム・サービスなども利用できるので難しくありません。それよりも、私たちがNRI Voiceで試行錯誤したのが、音声コンテンツの作成です。1人で話す形式、複数の対話形式など試した末に、ラジオ番組制作会社などプロフェッショナルの力を借りることにしました。また、音声で伝えるときには要素をたくさん盛り込んでも記憶に残りません。それを前提に内容を作り込み、時間の長さも調整しています。各分野の専門家がわかりやすく解説しているので、ぜひ一度聴いていただきたいです。

――音声メディアの今後の可能性について、どのようにお考えですか。

インターネットが登場し、企業がウェブサイトを持ったことで、以前は新聞や雑誌などの活字メディアに頼っていた情報発信を、自社サイトで自由にできるようになりました。今度は自社で音声メディアを持つことで、同じように既存の音声メディアに頼らない独自のコミュニケーションやリレーションづくりができます。私たちもシステム開発の強みを活かして、データ分析や最適化も含めた新しい仕組みづくりに挑戦しています。企業の方々にぜひ「耳」というタッチポイントの可能性を知っていただければと思います。

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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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