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キッザニア福岡 社会課題の解決を自分ごと化し、生きる力を育む(前編)

KCJ GROUP 株式会社 代表取締役副社長 宮本 美佐
NRI ITアーキテクチャーコンサルティング部長 奥田 友健

2023/02/03

2022年7月31日に開業した こども向け職業体験施設「キッザニア福岡」で、NRIはスポンサー企業として「ビジネスデザイナー」と「DXエンジニア」の2つのアクティビティ(仕事体験)を提供しています。同施設を企画・運営するKCJ GROUPの宮本美佐さんとNRIの奥田友健にキッザニア福岡の開業 やNRI出展の経緯について聞きました。

先端技術を体験できるエリアを新設

「キッザニア福岡」は東京、甲子園に次ぐ日本で3番目の拠点ですが、新施設の開設意図や特徴を教えてください。

宮本:私たちはこども達が楽しみながら学ぶエデュテインメント事業を通じて、日本全国のこども達に生きる力を育む良い体験を届けたいと願っております。福岡市は人口増加率が高く、産官学連携がしやすいなどの好条件がそろっています。デベロッパーなど地域の方々の想いも一致し、開設に至りました。

キッザニア福岡の特徴として、福岡市が力を入れている「グローバル」「先端技術」「スタートアップ」を念頭に置いて、新しい技術に触れられる「先端技術エリア」を初めて設置しました。今回、NRIに出展していただいたのもそのエリアです。このほか営業時間外の施設を使って、アントレプレナー関連などのワークショップも行っています。

BtoB企業でもキッザニアに出展できる!?

キッザニアのスポンサーの多くは消費者になじみのある商品やサービスを扱う企業です。法人向け事業を主に行うNRIがなぜ出展したのでしょうか。

奥田:旧知の方がキッザニアで勤務される事となり、シニア層のリスキリ ングの場としての企画を提案したのがきっかけです。現代の社会課題解決の1つにシニア層の活用が挙げられます。リスキリングの観点で大人版キッザニアがあれば、大企業に長年勤めてきた人でも異業種にチャレンジしやすくなるのではないかという着想を得ました。そこで企画を持ち込んだのですが、キッザニアはこどもが主体で、大人版は時期尚早だと。逆に、NRIとしてこども向けの内容で出展しませんかと声をかけていただきました。

BtoC企業でなくても出展できるのかと驚きましたが、ブランディング戦略において願ってもない機会です。NRIは、知る人ぞ知る企業から、みんなが知るNRIを目指そうという、全社的なブランディング戦略に取り組んでいる時期でした。キッザニアであれば、相当数のこどもと保護者にNRIを知ってもらうことができ、大きな効果が見込めます。

宮本:キッザニア東京と甲子園の累計来場者数は2,100万人以上 。また、平均すると1年間で全国2500校が、遠足や総合学習、キャリア教育など学校行事に組み込んでいます。福岡を立ち上げた後は、中国地方などの学校からも問い合わせが多くなっています。NRIの出展後は、私たちの方にもBtoB企業からの問い合わせが増え、多様な企業との関係づくりにつながっています。

新しい人やものと「つながる力」で生き抜く

キッザニア側はNRIに何を期待したのでしょうか。

宮本:生きる力とは何かと考えたときに、不確実性の高い世の中では、個々人が国語や算数などの知識を学んだだけでは生き抜けません。チャレンジ、やり抜く力、自己肯定感、コミュニケーションなどの非認知能力がとても重要です。その中でも鍵になるのが、他の人々や新しい技術などと「つながる力」です。こども達には新しい技術に興味を持ち、積極的に触れて、その恩恵を享受していこうというマインドを持ってもらいたいなと。NRIはAIやロボティクスなどデジタルの先端技術を扱っていて、先端技術エリアのコンセプトに合致しているので、ぜひ参加していただきたいと思いました。

NRIの仕事を3~15歳のこどもにも楽しめる体験に仕立てるのは難しそうですが。

奥田:キッザニアにはコンテンツづくりのプロセスが整っているので、それに沿ってキッザニアのクリエイティブ担当者と議論しながら作り上げました。キッザニアは、仕事のリアリティに非常に拘っており、実際の仕事と異なることを子供向けにアレンジする事への妥協は許してくれませんでした。B2B企業は往々にして、こども以前に大人にも仕事内容が認知されていません。最初に担当者の方にNRIの仕事を説明するところがとても大変でした。シンクタンク機能は情報発信、社会課題提言し、コンサルティング機能で分析、課題解決策を考え、ソリューション機能でシステム開発などを行い実際に課題を解き、数年にわたって運用、維持管理するところまで行っている会社だとわかってもらえることを目指しました。

宮本:キッザニアを運営する当社内でも、コンサルティングの仕事とは何をすることなのかを議論しました。「NRIさんがやっているのは未来を創る仕事だよね」というクリエイターの発言を起点に、構想を練りました。アクティビティでは、こども達は新しい技術を使って社会課題を解決しますが、その先には新しい仕事の機会があるかもしれません。キッザニアで今ある仕事を知るだけでなく、未来の仕事を想像して創出するジョブクリエイターが生まれるきっかけになれば、とてもうれしいことです。NRIのパビリオンは私たちのそうした想いを象徴する場だと思っています。

(左)NRIパビリオンの外観(右)ビジネスデザイナーの体験ができるブース

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