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キッザニア福岡 社会課題の解決を自分ごと化し、生きる力を育む(後編)

KCJ GROUP 株式会社 代表取締役副社長 宮本 美佐
NRI ITアーキテクチャーコンサルティング部長 奥田 友健

2023/02/06

こども向け職業体験施設「キッザニア福岡」で、NRIはスポンサー企業として「ビジネスデザイナー」と「DXエンジニア」の2つのアクティビティ(仕事体験)を提供しています。同施設を企画・運営するKCJ GROUPの宮本美佐さんとNRIの奥田友健に、具体的な活動内容や今後の展望について聞きました。

前のページ:キッザニア福岡 社会課題の解決を自分ごと化し、生きる力を育む(前編)

先端技術を使って社会課題を解決する

NRIのパビリオンでは、どのような仕事体験ができるのでしょうか。

奥田:NRIはもともと「未来創発」というコーポレート・ステートメントの下で、社会課題を解き、パラダイムシフトを起こそうと取り組んできました。そこで、未来を担うこども達が社会課題を「自分ごと」として考え、自らが手を動かして解決していくことに関心を持ってもらいたいという想いを込めて、2つのアクティビティを用意しました。

「ビジネスデザイナー」では、こども達に最先端テクノロジーを用いて社会課題を解決するビジネスモデルを考えてもらい、プレゼンテーションしてもらいます。そのパフォーマンスに対して、AIカメラが解析しフィードバックもしてくれます。「DXエンジニア」では、AIによる画像認識を活用して資源ゴミを自動分別するロボットシステムを開発してもらいます。パビリオンでは、未来を感じられるように内装を工夫し、カプセルトイを使って最先端技術をイメージしやすくするなど、細かな演出までこだわりました。

宮本:私自身が初めてキッザニアの拠点を訪れたとき、そのリアルさに驚いたのを覚えています。街並みが再現され、キッゾという貨幣で経済を回すなど、1つの世界が成り立っていたのです。当社のデザイナーは、こどもっぽいビジュアルや言葉を使うのではなく、こどもにもわかる形で本物を届けることを心がけています。

知るだけでなく、解決まで考え抜くことが楽しい!

カーボンニュートラルやフードロスなど難しそうなテーマを設定していますが、こども達はNRIの仕事体験を本当に楽しめているのでしょうか。

宮本:私の経験上、難しすぎるのではないかと思うことでも、意外にこども達はついてきてくれます。消化吸収には年齢ごとにレベル差はあるとしても、NRIのコンサルティング業務についてきちんと伝わっていますし、自分ごと化して取り組める貴重な体験になっています。

実際に、こども達に感想を聞いてみると、学校でプログラミングや社会課題を学ぶことはあるけれども、プログラミングする、こんな課題があると理解するところで終わってしまう。それが、プログラミングして実際にロボットが動いたり、課題をどう解決するかと最後までやり抜けたりするので、そこが楽しいと話していました。こどもが大人から離れて自分で少し難しいことをやり遂げる。それは自己肯定感や自己効力感など、困難な時代を生き抜くために必要な非認知能力につながると思っています。

奥田:学校の教科書でSDGsを学ぶだけでなく、NRIのアクティビティの体験を通じて、それが実際にどういうことなのかを理解し、そのうえで、課題の解決に向けて自分たちにもできることがある。身近なところで少し行動を起こせば、地球、社会、経済に自分も貢献できることを感じてもらいたいと思っています。取り挙げる社会課題は3カ月ごとに変えているので、一度体験した人も何度もチャレンジしてもらいたいですね。

キッザニアのプラットフォームを活かした新展開

今後は、どのようなことに力を入れていきたいですか。

宮本:キッザニア福岡では営業終了後にスペースを使って、中学生や高校生向けにワークショップを行う試みをはじめました(注:22年11~12月の期間限定)。今後もそういう産官学連携の取り組みを深掘りしたいと思います。また、これからの時代のこども達はデジタルネイティブなので、キッザニア体験をデジタル化して、いつでもどこでも体験を広げることにもチャレンジしたいと思っています。それから、キッザニアは世界に26拠点あります。個人的には、そうしたグローバル・プラットフォームを活かして、世界中のこども達をつなげて、自分たちで未来を考える支援をしていきたいと思っています。

奥田: NRIがキッザニアというブランドや企業価値をさらに高める支援をする、共創パートナーになりたいと思います。キッザニアの各拠点には50社以上のスポンサーが参加し、スポンサー同士が交流する機会も設けていただいています。いずれの企業も目先の利益ではなく、次世代のために貢献したいと思って出展していると思われますので、このネットワークをぜひ活かしたいですね。たとえば、スポンサー間で連携し議論を重ね、キッザニアという場をエデュテイメントだけでなく、SDGsに寄与する新しい事業やサービスの発信源にできれば素晴らしいと考えています。

DXエンジニアの体験ブース。プログラミング画面の先に、ゴミ分別ロボットのアームが並ぶ。

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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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