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NRI トップ NRI JOURNAL モバイル技術で会議のペーパーレス化に貢献

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モバイル技術で会議のペーパーレス化に貢献

事業活動を通じた省資源や廃棄物の削減による環境配慮

NRIネットコム「モバイル会議」

2017/02/01

企業内のペーパーレス化が叫ばれていますが、まだまだ多くの企業は、会議や打ち合わせで大量の紙資料を配付しています。紙使用に問題意識を抱えていたNRIネットコムは、2010年に、ペーパーレス化を実現する企業向け会議システム「モバイル会議」の提供を開始しました。150を超える導入企業で、紙使用量の削減、事務作業負荷の軽減などを実現しています。

会議の紙資料、作業負荷や情報漏えいのリスクも

1人1台のPCが当たり前となり、情報のデジタル化は進展しているにもかかわらず、企業内のペーパーレス化の実現は思ったほど進まず、オフィスにはたくさんの紙があふれています。多くの日本企業にとって、社内の紙使用量削減は大きなテーマ。環境負荷低減、またコスト削減の観点から、各社はペーパーレス化に向けて地道な取り組みを続けています。

イメージ:溢れかえる紙資料

イメージ:溢れかえる紙資料

日本製紙連合会の「2016(平成28)年紙・板紙内需試算(実績推移および見通し)」によれば、情報用紙(コピー用紙やインクジェット用紙など)の国内需要は、2013年に183.9万トン、14年には183.1万トン、そして15年に181.2万トン。わずかな減少は見られるものの、各社の努力によって「紙使用を増やさずにいる」のが実態ではないでしょうか。

中でもビジネスの場面で消費量が著しいのは、会議や打ち合わせなどで配布される紙の資料です。いまだに多くの官公庁や企業では、経営会議や各部門での定例会議、打ち合わせ、説明会などで、大量の紙資料を用意し、出席者に配布しています。もし、ペーパーレス化を推進するのであれば、まずは社内の会議から、ペーパーレス化に着手する必要がありそうです。実際、社内での紙使用量の大幅削減を目標に掲げる企業の多くは、会議におけるペーパーレス化の徹底を図っています。

自社の問題意識から生まれた「モバイル会議」

まずは社内会議のペーパーレス化を。
この課題に応えるサービスとして誕生したのが、NRIネットコムの「モバイル会議」です。2010年から、タブレット端末を利用する新たな会議システムとして提供しています。

「モバイル会議」の企画から携わってきたNRIネットコム デジタルマーケティング事業部の高島 秀実は言います。「弊社でも、会議で配布する紙資料と、それに関わるさまざまなコストが問題となっていました。紙の消費を抑えるためにも、なんとかペーパーレス会議を実現できないか。そんな切実な想いがありました」
2010年当時、NRIネットコムでは、5~6名で行われる役員会議が週1回、約40人が東京・大阪から集まるマネージャークラスの会議が週2回あり、その都度、平均して1人当たりおよそ20枚の紙資料を配付していました。毎週1,700枚を超える紙の使用量です。年間にすると85,000枚を超える量になります。「紙の消費量だけでなく、会議前日に、事務局スタッフは資料コピーのために長時間を費やすなど、作業負荷も生じていました。コスト環境負荷と作業負荷を軽減するためにも、ペーパーレス化は必須だったのです」

150社以上で導入、シンプルな操作性

2010年6月に開発を始め、7月には社内利用を開始。そして10月下旬に、iPadを利用した「モバイル会議」の国内販売が始まりました。
「モバイル会議」は、サーバーに格納した資料を、複数の会議参加者が各自端末を通じて閲覧する仕組みです。画面内容は議長の議事進行に沿って展開。操作がシンプルで、マニュアルを見なくても、誰でもすぐに使えるのが特長です。とはいうものの、導入には企業それぞれの障壁がありました。 お客さまと「いまこれにより目指しているものは何か」、「課題は何か」について一緒に検討を重ねてきました。それらの成果や技術の進化を生かし、その後バージョンアップを重ね、例えば、現在の「モバイル会議3」ではiPadとWindowsPCの両方に対応できるようにしました。 混在利用もできるため、企業は新たにタブレット端末を購入する必要がなくなり、コスト面での抵抗が除かれました。また、Wi-Fiなど無線LAN通信技術が企業内で整備されてきたことも導入を後押ししました。現在、150社以上、主に大企業の経営会議などに導入され、ペーパーレス化を推進しています。

年間で数万枚を超える紙資料がゼロに

企業の「モバイル会議」導入目的を、高島は次のように見ています。「多くのお客さまは、(1)印刷コスト、(2)事務方の作業負荷、そして紙の資料の紛失などによる(3)情報セキュリティを課題と認識されています。 これらを解決するために弊社の会議システムを導入し、効果を実感いただいています」

会議シーン:参加者は画面の資料を見ながら、会議に集中できる

会議シーン:参加者は画面の資料を見ながら、会議に集中できる

例えば、導入企業の1社である日本ハム株式会社の場合。およそ25人が参加する経営会議が月に8~9回行われ、紙資料は1人当たり20~50枚配布されていました。会議の用紙消費量となると、年間でおよそ72,000枚です。これらが「モバイル会議」導入後は大幅に削減し、環境負荷低減につながりました。経営会議で扱われる資料には機密情報が含まれていますので、セキュリティ管理の質にもこだわりました。

2012年に「モバイル会議」を導入した株式会社AIR DOの場合は、主要会議における紙使用量が年間で20,000枚を超えていたと言います。こちらも「モバイル会議」導入によってペーパーレス会議を実施。紙の使用量がゼロになり、コスト削減と環境負荷の低減を実現しています。

今後も、オフィスのペーパーレス化を推進するツールとして

ペーパーレス化だけでなく、導入前には想定していなかった効果も上げていると高島は補足します。「例えば、会議時間が短くなった」と多くのお客さまからコメントいただいています。ほかにも、会議のクオリティー向上、会議終了後の社内情報共有の効率化、会議資料の効率的な修正対応、出張の軽減などが挙がっています。

自社で抱いた問題意識から生まれた「モバイル会議」。「紙資源の使用量を減らし、事務局の作業負荷を軽減することで、オフィスのよりよい環境に貢献できているならうれしい」と、本サービスに関わるNRIネットコムのメンバーは思っています。

今後、企業の各部門での会議や打ち合わせ、セミナーや説明会などで配布される紙資料がなくなれば、日本のオフィスでの紙消費量を大幅に抑えることになるでしょう。NRIネットコムは、ペーパーレス化による環境負荷低減に向けた取り組みとともに、モバイル会議を始めとし、企業活動の一層の活性化、情報セキュリティの向上に貢献していきます。

「モバイル会議」について興味があり、さらに詳しいことを知りたいと思う方のための情報として、以下を紹介します。

■ 「モバイル会議」は、会議参加者の各端末から仮想の会議室にログインするだけで、会議資料が閲覧できるペーパーレス会議システムです。

詳しくはこちら

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株式会社野村総合研究所
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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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