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NRI トップ NRI JOURNAL 「コラボヘルス」による働く人の健康増進

NRI JOURNAL

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「コラボヘルス」による働く人の健康増進

データ活用によって健康経営を推進

デジタル事業推進室

2017/06/29

健康保険組合と企業が協力して、従業員の健康増進に取り組む「コラボヘルス」という動きが始まっています。「コラボヘルス」では、レセプト(診療報酬明細書)などのデータ活用が欠かせません。NRIは2007年から、健康診断データとレセプトデータを分析して、健康課題の改善策を企業に提案し、働く人が活き活きする社会づくりを支援しています。

「日本再興戦略」で掲げられた健康増進

高齢化が進む日本では、厚生労働省が発表する国民医療費が、13年連続で最高額を更新しています。平成27年度は41.5兆円にのぼり、平成2年度の20.6兆円と比べ、四半世紀で2倍以上の金額になっています。社会保障制度の問題については、年金だけでなく、医療費の負担が増大していることも大きな社会問題となりつつあります。
一方、政府は「日本再興戦略」の中で、「国民の健康寿命の増進」を重要な柱として掲げ、その実現策として「データヘルス計画」の実施をすべての健康保険組合(以下、健保組合)に求めています。これは簡単にいえば、“患者が受けた診療内容について、医療機関が保険者(健保組合、共済組合等)に請求する診療報酬(医療費)の明細情報を活用することにより、保険者、企業などが協力して従業員やその家族の健康増進に努めてください”、ということです。
産業界においても、従業員が健康であることを、経営の重要テーマとして捉える企業が増えています。従業員が健康であれば、生産性が上がり、組織が活気づき、その会社の成長につながるからです。高齢化の進展とともに、定年延長など生涯における“現役”期間が延びる中で、働く人の健康は、日本社会の重要なテーマとなっています。

2007年に始まった、NRIの「コラボヘルス」サービス

「日本再興戦略」が閣議決定された2013年ころ、健保組合と企業が協力する「コラボヘルス」の動きが始まりました。健保組合が保有する健康データを分析・活用して現れた健康課題を、企業と健保組合が協力して職場環境の整備や働き方の改善などによって解決していく取り組みです。この「コラボヘルス」の動きに先んじて、NRIは2007年から、企業が加入する健保組合に向けて、健康診断データとレセプトデータを分析して健康課題を洗い出し、改善策などを提案・実行するサービスを開始していました。増え続ける医療費の適正化が叫ばれる中、生活習慣を改善し、健康を維持するための取り組みなど健康増進ソリューションは当時から注目されていました。しかし、NRIが調査してみると、世に出ている健康増進ソリューションでは利用者が少ない上に、利用継続率が低く、健康保険組合などの保険者からは医療費適正化効果が低いと見られていました。その解決に向けて、NRIでは企業における従業員の健康管理を経営視点でコンサルティングするチームが中心になって、研究開発を行ってきました。

健康データから、マネジメント課題が見える

NRIの提供する健康データの分析サービスでは、5年以上の推移も含めて細かくデータを調べています。すると、企業によって異なる健康課題の特徴的な傾向、また、健康診断などだけでは見落とされてしまう傾向や課題が見えてきます。例えば、うつ病や不眠症、気分障害など、メンタル系疾患の発生率が多いといわれる業種や職種があります。また、別の角度で見ると、管理職側で発生が多い会社と、現場での発生率が高い会社などの違いがあることも見えてきました。同じ会社内でも、困難なプロジェクトの期間中に集中してメンタル系疾患が発生する部門や、数は少ないけれど定期的に発生する部門などがある、という違いもわかってきました。

NRIが提供する健康スコア分析シート
NRIが提供する健康スコア分析シート

こうしたデータ分析結果を元に、NRIは企業の経営陣・人事部を巻き込みながら、事業所別に健康度合いをスコア化、ランキング化した指標を導入することで健康改善の意識付けを図っています。例えば、ある健康保険組合には、二つのサービスを提供しました。
まず一つめは、約20ある全事業所の従業員の健康状態を共通の評価指標によってスコア化し、スコアを各社の経営陣に開示することで課題を見える化し、事業所における対策構築へとつなげました。さらに、課題の見える化のみにとどまらず、経営陣との健康課題に関するディスカッションを行い、先方の事業所単位での改善活動目標を設定しました。スコア導入により、各事業所が自らの課題を“自分ごと化”し、主体的に目標設定を行うようになり、健保組合と事業所とのコミュニケーションの向上にもつながりました。
もう一つの施策は、夫婦そろって生活習慣病の発症リスクが高いセグメントを主な対象とした、夫婦(家族)で参加できる健康イベントの開催です。2回の開催で夫婦12組を含む56名が参加。 参加者には健康に対する意識の変容が見られました。また、家族単位でのイベントは、従業員が保健事業への参加するハードルを下げることにもつながりました。
このようにNRIは、データ分析による「課題発見力」、解決方法を提案し、「実現する力」、企業と健保組合とをつなぎ、成果を導く「共創力」と、強みを生かして、コラボヘルスの実現を支援しています。

管理されるのではなく、楽しく取り組む

コラボヘルスは、企業にとって従業員の健康の重要性を、よりわかりやすいかたちで提示できる取り組みの一つです。多くの経営者は、従業員の健康が重要だということには同意していますが、ほかにもさまざまな経営課題があるため、優先順位が付けられずにいます。そこで、健康データを活用して医療費負担や労働力損失へのインパクトなどを明確にすることで、企業と健保組合が従業員の健康増進に取り組む風土醸成を支援しています。
ただし、従業員の健康を企業が組織的に管理しようとすると、管理されるほうは息苦しくなってしまいます。また、ストレスや無理がきく限界は人によって異なります。だからこそNRIは、誰もが楽しく取り組めるような健康経営ソリューションを提供することで、働く人の健康管理や医療費適正化にとどまらず、働く人たちが活き活きと働ける社会を目指していきます。

参照

リンク:
従業員の健康を考慮した企業経営5つのメリット

https://www.nri.com/jp/journal/2017/0116

NRI Public Management Review 2015年9月号
自治体として成果にコミットするための国民健康保険のマネジメント改革

https://www.nri.com/jp/Files/PDF/knowledge/publication/region/2015/09/ck20150902

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E-mail: kouhou@nri.co.jp

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