フリーワード検索


タグ検索

  • 注目キーワード
    業種
    目的・課題
    専門家
    国・地域

NRI トップ ナレッジ・インサイト コラム コラム一覧 東京五輪1都3県無観客開催で観客数は9割減少、経済効果は1,300億円減少

東京五輪1都3県無観客開催で観客数は9割減少、経済効果は1,300億円減少

2021/07/09

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn

8日に政府が東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めたことを受けて、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議では、1都3県の大会を無観客で開催することが決められた。その他の県での開催は、会場の収容人数の50%、上限1万人とする方向だ。

そこで以下では、この措置によって観客数がどの程度減少し、経済効果がどの程度減少するかについて試算を行った。まず、各会場での観客数をそれぞれの収容人数と上記の観客制限のルールに従って算出した。さらに、各会場で予定されている競技の数で加重平均を行った。

試算によると、新しいルールの下での観客数は、フルに受け入れた場合の10.8%となった。つまり89.2%減少する計算だ。ちなみに現時点では決定されていない北海道の会場でも、観客数を収容人数の50%、上限1万人とすることとした。

その場合、チケット購入や関連する消費(交通費、宿泊費など)の合計が、1,309億円減少する。観客数はフルに受け入れた場合の東京五輪開催の経済効果1兆8,108億円は、1兆6,799億円に7.2%減少する。

ところで、東京都と沖縄県に新たに発令される4回目の緊急事態宣言によって、GDPは1兆260億円減少すると試算される(コラム「東京に4回目の緊急事態宣言発令:1兆円の経済損失で東京五輪の経済効果の6割を相殺」、2021年7月8日)。4回目の緊急事態宣言の期間は、東京五輪の日程と重なるが、それによって、東京五輪開催の経済効果1兆6,799億円(1都3県は無観客、その他は会場の収容人数の50%、上限1万人の場合)は61%相殺される計算となる。

(図表)東京オリンピック・パラリンピック観客制限による経済効果の減少

執筆者情報

  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn