AIエージェントとは

AIがユーザーの指示なしに、自律的に行動し、タスクを実行する仕組みやシステムのことです。情報収集、分析、行動選択、実行などをAIが自律的に行います。複数のAIエージェントが連携して動作し、情報共有やタスク分担する場合もあります。

AIアシスタントとの違い

AIエージェントと類似の概念として、AIアシスタントがあります。どちらもインプットに対してAIがタスクを処理して返答するものですが、AIエージェントは、自律的に判断しタスクを実行する能力を持つ点が異なります。
AIアシスタントは、人間の指示に基づきタスクを補助する対話型システムで、代表的なものとしてチャットボットとCopilotがあります。
チャットボットはスクリプトベースのシステムで、主にカスタマーサポートの分野でFAQや問い合わせ対応に利用されています。決められたシナリオに従うため、複雑な質問や予期しない状況への対応に限界があります。
Copilotは大規模言語モデルを活用しており、チャットボットよりも高度な情報処理が可能です。ユーザーが自然な言葉で指示を出すと、その意図を解釈し、より的確で状況に応じた提案を行います。しかしながら、Copilotも完全な自律型システムではなく、依然として人間の確認や指示が必要な場面があります。

自律型AIエージェントとマルチAIエージェント

AIエージェントには、自律型AIエージェントとマルチAIエージェントの2つがあります。
自律型AIエージェントは、自律的にタスクを遂行し、状況に応じて柔軟に対応することができます。目標を達成するために段取りを決め、環境からの情報を理解して最適な行動を選択します。過去の行動を記憶し、経験を基に学習を続けます。外部ツールを活用してコード実行や情報検索、計算などを行い、複雑なタスクに対応することもできます。
マルチAIエージェントは、複数のAIエージェントが協力してタスクを遂行することができます。それぞれのエージェントは異なる役割や機能を持ち、相互に情報を共有しながら共同作業を行います。単一のエージェントでは対処しきれないような大規模で複雑な問題を効果的効率的に解決できます。
これらのAIエージェントは、生成AIの進化とともにさらに発展しており、今後はより複雑なタスクの自動化において、その価値が一層高まると期待されています。

AIアシスタントとAIエージェント

分類 実装例 概要
AIアシスタント チャットボット 特定の質問に対して、定型的な応答を提供する単純なエージェント。FAQ対応やカスタマーサポートなど、決まったシナリオに従って情報を提供する。
Copilot ユーザーと協力してタスクを遂行する。完全に自律的ではなく、提案やレコメンデーションを通じてユーザーを支援する。
AIエージェント 自律型AI
エージェント
ユーザーの指示なしに、タスクを独立して実行できる。複数のステップからなるワークフローを自律的に完了できる。具体的な目的に向けて、情報収集、分析、行動選択、実行までを行う。
マルチAI
エージェント
複数の自律型AIエージェントが連携して動作し、共通の目標を達成するために協力するシステム。各エージェントは独立して行動し、エージェント同士の対話を通じて情報共有やタスク分担を行う。

出所)野村総合研究所作成

動画で解説

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