立憲民主党と公明党が新党を結成
15日に開かれた党首会談で、立憲民主党と公明党が新党を結成することで合意した。新党名は「中道改革連合」とする方針とも報じられているが、16日にも正式に公表される。高市首相が早期に衆院を解散する意向を示したことを受けて、野党の体制作りが一気に加速してきた。これが、政界再編の動きにつながる可能性もある。
公明党の斉藤代表は保守化、右傾化する高市政権への対立軸を作るため、「中道勢力を結束させる」とし、「立民と公明はそれぞれ存在したまま、新党を設立する」とした。新党は衆院議員を中心に結成し、参院議員、地方議員は後に合流していく。
公明党は小選挙区ではなく比例での戦いに移る。その際、立憲民主党は比例で公明党の候補を上位に優遇し、その代わりに公明党は小選挙区で立民候補を応援するという選挙協力が見込まれている。
公明党の支持母体・創価学会は組織票を持つが、立憲民主党の候補が接戦区でこの公明票を得られれば、自民党の候補に競り勝てる可能性が高まるとの見方もある。
来週中に綱領の策定など新党設立の手続きをする方針だ。非核三原則の堅持や選択的夫婦別姓の導入などでは、両党の政策は一致するが、安全保障やエネルギー政策を巡っては違いもある。両党は今後、政策のすりあわせを進め、公約作りを急ぐ。立憲民主党は従来、安全保障法制の違憲部分廃止を掲げていたが、これを見直す可能性もあるだろう。
公明党の斉藤代表は保守化、右傾化する高市政権への対立軸を作るため、「中道勢力を結束させる」とし、「立民と公明はそれぞれ存在したまま、新党を設立する」とした。新党は衆院議員を中心に結成し、参院議員、地方議員は後に合流していく。
公明党は小選挙区ではなく比例での戦いに移る。その際、立憲民主党は比例で公明党の候補を上位に優遇し、その代わりに公明党は小選挙区で立民候補を応援するという選挙協力が見込まれている。
公明党の支持母体・創価学会は組織票を持つが、立憲民主党の候補が接戦区でこの公明票を得られれば、自民党の候補に競り勝てる可能性が高まるとの見方もある。
来週中に綱領の策定など新党設立の手続きをする方針だ。非核三原則の堅持や選択的夫婦別姓の導入などでは、両党の政策は一致するが、安全保障やエネルギー政策を巡っては違いもある。両党は今後、政策のすりあわせを進め、公約作りを急ぐ。立憲民主党は従来、安全保障法制の違憲部分廃止を掲げていたが、これを見直す可能性もあるだろう。
保守化する高市政権の対立軸を目指す
両党は、外交、安全保障面での高市政権の右傾化を強く懸念している。与党内で、安保3文書の改定時に「非核三原則」を見直すべきだとの意見があることや、憲法改正で集団的自衛権を全面容認したり、戦力の不保持などを定める9条2項を削除したりする意見などがあることを、両党は強く警戒している。
高市政権の「責任ある積極財政」についても、積極財政姿勢が金利上昇や円安を助長し、国民生活を圧迫していると両党は批判している。
公明党の赤羽副代表は、立憲民主党と公明党を合併するのではなく、中道主義に賛同できる議員で新しい党を作ると説明している。
立憲民主党の野田代表は、国民民主党や無所属の議員らにも参加を呼びかける考えを明らかにしている。立憲民主党の衆院議員の中には、新党に加わらない者も出てくる可能性がある一方、国民民主党や無所属の議員、あるいは自民党の議員から新党に合流する動きが出てくる可能性もある。
高市政権の「責任ある積極財政」についても、積極財政姿勢が金利上昇や円安を助長し、国民生活を圧迫していると両党は批判している。
公明党の赤羽副代表は、立憲民主党と公明党を合併するのではなく、中道主義に賛同できる議員で新しい党を作ると説明している。
立憲民主党の野田代表は、国民民主党や無所属の議員らにも参加を呼びかける考えを明らかにしている。立憲民主党の衆院議員の中には、新党に加わらない者も出てくる可能性がある一方、国民民主党や無所属の議員、あるいは自民党の議員から新党に合流する動きが出てくる可能性もある。
自民党は他党からの選挙協力は得られず、高市首相個人の高い人気に頼る闘いに
昨年自民党総裁選で現在の高市首相が勝利した直後、自民党の右傾化を嫌う公明党は約26年続いた自民党との連立を解消した。さらに、今回は、高市首相が衆院の解散・総選挙の意向を固めたことをきっかけに、公明党が立憲民主党との選挙協力、新党結成に動いた。これらは、高市首相にとっては予想外のことだっただろう。
公明党は自民党との連立を解消した後も、選挙では自民党候補を人物本位で支援する可能性があると説明してきた。しかし、新党結成を受けて、公明党が自民党に選挙協力を行うことはほぼなくなった。これは自民党にとって大きな痛手である。
また、自民党は日本維新の会とは「連立政権合意」を結んでいるものの、選挙協力については基本的に行わない方針だ。自民党の鈴木幹事長も、「選挙区調整は基本的にしない」と明言している。選挙では日本維新の会と競合することになる。
このため、次の衆院選で自民党は、他党からの選挙協力は期待できず、高市首相個人の高い人気のみに頼る闘いの構図となる。昨年12月の読売新聞の世論調査によると、高市内閣の支持率が73%であったのに対し、自民党の支持率は30%にとどまっている。この自民党の支持率は、石破前首相の下で自民党が惨敗した2024年の衆院選の前よりも低い。
公明党は自民党との連立を解消した後も、選挙では自民党候補を人物本位で支援する可能性があると説明してきた。しかし、新党結成を受けて、公明党が自民党に選挙協力を行うことはほぼなくなった。これは自民党にとって大きな痛手である。
また、自民党は日本維新の会とは「連立政権合意」を結んでいるものの、選挙協力については基本的に行わない方針だ。自民党の鈴木幹事長も、「選挙区調整は基本的にしない」と明言している。選挙では日本維新の会と競合することになる。
このため、次の衆院選で自民党は、他党からの選挙協力は期待できず、高市首相個人の高い人気のみに頼る闘いの構図となる。昨年12月の読売新聞の世論調査によると、高市内閣の支持率が73%であったのに対し、自民党の支持率は30%にとどまっている。この自民党の支持率は、石破前首相の下で自民党が惨敗した2024年の衆院選の前よりも低い。
自民党が単独過半数獲得に失敗すれば「高市トレード」は勢いを失う
衆院では昨年11月に、自民会派に「改革の会」の3議員が入り、連立を組む日本維新の会と合わせて、与党がぎりぎり過半数を回復している。
自民党の鈴木幹事長は、衆院選での勝敗ラインは与党で過半数の議席獲得、と低い目標を掲げている。その達成は比較的容易とみられるが、実際には、自民党単独で過半数の議席獲得が事実上の勝敗ラインと広く考えられているのではないか。その場合、自民党は現在衆院での195議席を233議席まで38議席増やす必要がある。これは相応に高いハードルであるかもしれない。
仮に衆院選で自民党が単独で過半数の議席獲得に失敗すれば、高市首相の求心力は低下し、足元で進む円安、株高、債券安の「高市トレード」も勢いを失うだろう。
保守色の強い高市政権の発足を契機に、日本の政治は右派と左派に分かれる動きがより鮮明となり、将来的にはさらなる政界再編を通じて右派と左派の2大政党制の構図を強めていく可能性もあるかもしれない。
そうした際に、衆院選後の政界再編のキャスティングボートを握るのは、右派、左派双方に影響力を持つ国民民主党となる可能性もあるだろう。
(参考資料)
「立憲民主と公明が新党結成で合意、衆院解散で野党協力が加速」、2026年1月15日、ブルームバーグ
「<衆院選2026>立憲と公明の新党名、「中道改革」の方針 国民民主に参加呼びかけへ」、2026年1月15日、毎日新聞速報ニュース
「立憲民主・公明が新党結成で合意 党首会談、衆院選へ協力」、2026年1月15日、
日本経済新聞電子版
自民党の鈴木幹事長は、衆院選での勝敗ラインは与党で過半数の議席獲得、と低い目標を掲げている。その達成は比較的容易とみられるが、実際には、自民党単独で過半数の議席獲得が事実上の勝敗ラインと広く考えられているのではないか。その場合、自民党は現在衆院での195議席を233議席まで38議席増やす必要がある。これは相応に高いハードルであるかもしれない。
仮に衆院選で自民党が単独で過半数の議席獲得に失敗すれば、高市首相の求心力は低下し、足元で進む円安、株高、債券安の「高市トレード」も勢いを失うだろう。
保守色の強い高市政権の発足を契機に、日本の政治は右派と左派に分かれる動きがより鮮明となり、将来的にはさらなる政界再編を通じて右派と左派の2大政党制の構図を強めていく可能性もあるかもしれない。
そうした際に、衆院選後の政界再編のキャスティングボートを握るのは、右派、左派双方に影響力を持つ国民民主党となる可能性もあるだろう。
(参考資料)
「立憲民主と公明が新党結成で合意、衆院解散で野党協力が加速」、2026年1月15日、ブルームバーグ
「<衆院選2026>立憲と公明の新党名、「中道改革」の方針 国民民主に参加呼びかけへ」、2026年1月15日、毎日新聞速報ニュース
「立憲民主・公明が新党結成で合意 党首会談、衆院選へ協力」、2026年1月15日、
日本経済新聞電子版
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。