9日時点のレギュラーガソリンは前週比3.3円上昇
経済産業省の発表によると、3月9日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売販売価格は、前週比3.3円高の161.8円となった。4週連続の上昇である。少なくとも向こう数週間は、毎週ガソリン価格は引き上げられていくだろう。
前週はイラン情勢を受けて海外市場の原油価格が大幅に上昇した。原油価格の上昇は、1週間程度後に国内のガソリン価格に転嫁され始める。前週比3.3円高は予想よりもやや小さめであったが、来週16日のガソリン価格は前週比で5円以上上昇し、再来週の23日には170円を大きく超えて180円台に乗せる可能性が見えてくると予想する。
原油価格(WTI原油先物価格)は現時点で1バレル83ドル台であるが、筆者の想定するメインシナリオである1バレル87ドルで今後原油価格が安定的に推移する場合、あるいは向こう1年程度の原油価格の平均値が87ドルとなる場合には、国内ガソリン価格は1リットル当たり204円まで上昇する計算となる。
ちなみに、イラン攻撃が行われた後の3月2日から3月11日までの原油価格の平均値は81.8ドルである。この平均水準が今後も続けば、国内ガソリン価格は1リットル当たり191円になる計算だ。
前週はイラン情勢を受けて海外市場の原油価格が大幅に上昇した。原油価格の上昇は、1週間程度後に国内のガソリン価格に転嫁され始める。前週比3.3円高は予想よりもやや小さめであったが、来週16日のガソリン価格は前週比で5円以上上昇し、再来週の23日には170円を大きく超えて180円台に乗せる可能性が見えてくると予想する。
原油価格(WTI原油先物価格)は現時点で1バレル83ドル台であるが、筆者の想定するメインシナリオである1バレル87ドルで今後原油価格が安定的に推移する場合、あるいは向こう1年程度の原油価格の平均値が87ドルとなる場合には、国内ガソリン価格は1リットル当たり204円まで上昇する計算となる。
ちなみに、イラン攻撃が行われた後の3月2日から3月11日までの原油価格の平均値は81.8ドルである。この平均水準が今後も続けば、国内ガソリン価格は1リットル当たり191円になる計算だ。
政府はガソリン価格が180円台に乗る見通しとなれば補助金を復活させるか
政府は、ガソリン価格が1リットル180円台に乗る見通しとなった時点で、昨年年末に廃止したガソリン補助金を復活させると予想する。補助金を通じてガソリン価格を10円~20円押し下げる、あるいはガソリン価格を1リットル170円台で安定させることが考えられる。
原油価格の上昇は約1週間でガソリン価格に上乗せされ始める
石油元売り業者は、ガソリンの製造に用いる輸入原油の費用に、精製費、物流費、備蓄費、適正な利益を上乗せして、小売業者に販売するガソリンの卸売価格を決定する。週次で算出したコストにマージン等を上乗せする方式を採用しているのである。従って、海外での原油価格が上昇し、ドル高円安が進行する局面では、輸入原油の円建て価格の上昇分に見合ってガソリンの卸売価格が引き上げられていく。
中東からの原油の輸入には3週間程度の時間がかかる。従って、海外での原油価格の上昇が輸入原油の価格上昇につながるには、同程度の時間がかかることになる。
しかし実際には、輸入原油の価格上昇を先取りする形で、石油元売り業者は、小売業者に販売するガソリンの卸売価格を引き上げる。通常は週1回(多くは水曜日)、卸売価格を見直し、翌日から翌週分の出荷価格として小売店に通知すると見られる。ガソリンスタンドでのガソリンの小売価格は、ガソリンスタンドが独自に決めるが、それは石油元売り業者による卸売価格によって大きく決まる。
石油元売り業者は、過去1週間程度の原油価格と為替レートの平均値を参考に新たな卸売価格を決めると見られる。そのため、原油価格の上昇は1週間程度で国内ガソリン価格の上昇につながり、1か月程度で価格転嫁がかなり進むと見られる。最終的には、海外での原油価格の上昇率に相当する規模で、国内ガソリン価格は上昇することが予想される。
中東からの原油の輸入には3週間程度の時間がかかる。従って、海外での原油価格の上昇が輸入原油の価格上昇につながるには、同程度の時間がかかることになる。
しかし実際には、輸入原油の価格上昇を先取りする形で、石油元売り業者は、小売業者に販売するガソリンの卸売価格を引き上げる。通常は週1回(多くは水曜日)、卸売価格を見直し、翌日から翌週分の出荷価格として小売店に通知すると見られる。ガソリンスタンドでのガソリンの小売価格は、ガソリンスタンドが独自に決めるが、それは石油元売り業者による卸売価格によって大きく決まる。
石油元売り業者は、過去1週間程度の原油価格と為替レートの平均値を参考に新たな卸売価格を決めると見られる。そのため、原油価格の上昇は1週間程度で国内ガソリン価格の上昇につながり、1か月程度で価格転嫁がかなり進むと見られる。最終的には、海外での原油価格の上昇率に相当する規模で、国内ガソリン価格は上昇することが予想される。
ガソリン価格は基本的には需給ではなく原油価格と為替というコスト要因で決まる
このように、ガソリン価格は海外の原油価格と為替レートで基本的には決まるため、国内でのガソリン需給には通常は影響されない。
しかし中東からの原油輸入が停止する中、ガソリンの製造が先行き控えられるとの観測が広がると、あるいはガソリンの卸売価格、小売価格が上昇する前に、小売店や消費者がガソリンの買い急ぎに動けば、品不足感が強まり、国内のガソリン価格が海外の原油価格と為替レートから乖離して大幅に上昇する事態も生じ得る。
しかしそれは一時的な投機的現象であり、政府が保有する146日分の石油の国家備蓄を放出すれば、ガソリンの品不足感は解消し、国内のガソリン価格は再び海外要因によって決まるようになる。
石油の国家備蓄の放出によって国内のガソリンの不足感が解消されれば、投機的現象が収まり、ガソリン価格が正常化するだろう。石油の国家備蓄の放出は、国内の石油製品の価格を下げるためではなく、品不足から経済活動に支障が生じる事態を回避するために行うものだ。
しかし中東からの原油輸入が停止する中、ガソリンの製造が先行き控えられるとの観測が広がると、あるいはガソリンの卸売価格、小売価格が上昇する前に、小売店や消費者がガソリンの買い急ぎに動けば、品不足感が強まり、国内のガソリン価格が海外の原油価格と為替レートから乖離して大幅に上昇する事態も生じ得る。
しかしそれは一時的な投機的現象であり、政府が保有する146日分の石油の国家備蓄を放出すれば、ガソリンの品不足感は解消し、国内のガソリン価格は再び海外要因によって決まるようになる。
石油の国家備蓄の放出によって国内のガソリンの不足感が解消されれば、投機的現象が収まり、ガソリン価格が正常化するだろう。石油の国家備蓄の放出は、国内の石油製品の価格を下げるためではなく、品不足から経済活動に支障が生じる事態を回避するために行うものだ。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。