原油価格が高騰し、原油の調達に支障が生じる事態が長期化することが懸念される中、原油の消費を全体的に抑制したり、より効率的な消費にしたり、また原油を重要分野に傾斜配分するなどの措置がいずれ必要になるとの見方が広がっている。
日本はエネルギー効率が高い国である。「一次エネルギー原単位」、つまり経済1単位の付加価値を生むのに必要な一次エネルギー量は、1960年代~2023年にかけて一貫して低下してきた。近年では1999年から2023年の間に37%もの大幅改善をみせている。
一次エネルギーは、自然界から直接得られるエネルギーのことで、具体的には、石油、天然ガス、石炭、水力、原子力、風力、地熱、太陽光などが含まれる。
図表の一次エネルギー消費量GDP比率が、この「一次エネルギー原単位」を示している。2022年時点(中国は2021年)での各国の比率が、日本を1.00とした場合の水準で示されている。中国の2.00、韓国の1.62、米国の1.32と比べて日本の水準は低い。この5か国の平均水準は1.35であるが、日本はその平均水準を大きく下回っており、エネルギー効率の高い国であることが分かる。
他方、図表では、原油消費量のGDP比率についても、同じく日本を1.00とした場合の各国の比率が示されている。ドイツが目立って低く、韓国が突出して高いが、日本と米国、中国は概ね同程度の水準だ。5か国の平均は1.12であり、一次エネルギー消費量GDP比率と比べると日本の優位性は下がる。
日本のエネルギー効率は概して高いが、原油についてみるとそれほど顕著ではない。これは、日本が消費する一次エネルギーの中で、太陽光、原子力、風力などと比べて、原油を含む化石燃料の割合が高いことを意味しているだろう。つまり、脱炭素が遅れていることを反映しているものと考えられる。
原油供給危機の下、日本は原油消費の効率化が強く求められる。それは、技術革新を通じたさらなる原油消費の効率化にとどまらず、原油の消費自体を抑制し、他の資源への代替を進めることが必要だ。原油供給危機は、脱炭素社会に向けた日本の遅れも改めて浮き彫りにしている。
日本はエネルギー効率が高い国である。「一次エネルギー原単位」、つまり経済1単位の付加価値を生むのに必要な一次エネルギー量は、1960年代~2023年にかけて一貫して低下してきた。近年では1999年から2023年の間に37%もの大幅改善をみせている。
一次エネルギーは、自然界から直接得られるエネルギーのことで、具体的には、石油、天然ガス、石炭、水力、原子力、風力、地熱、太陽光などが含まれる。
図表の一次エネルギー消費量GDP比率が、この「一次エネルギー原単位」を示している。2022年時点(中国は2021年)での各国の比率が、日本を1.00とした場合の水準で示されている。中国の2.00、韓国の1.62、米国の1.32と比べて日本の水準は低い。この5か国の平均水準は1.35であるが、日本はその平均水準を大きく下回っており、エネルギー効率の高い国であることが分かる。
他方、図表では、原油消費量のGDP比率についても、同じく日本を1.00とした場合の各国の比率が示されている。ドイツが目立って低く、韓国が突出して高いが、日本と米国、中国は概ね同程度の水準だ。5か国の平均は1.12であり、一次エネルギー消費量GDP比率と比べると日本の優位性は下がる。
日本のエネルギー効率は概して高いが、原油についてみるとそれほど顕著ではない。これは、日本が消費する一次エネルギーの中で、太陽光、原子力、風力などと比べて、原油を含む化石燃料の割合が高いことを意味しているだろう。つまり、脱炭素が遅れていることを反映しているものと考えられる。
原油供給危機の下、日本は原油消費の効率化が強く求められる。それは、技術革新を通じたさらなる原油消費の効率化にとどまらず、原油の消費自体を抑制し、他の資源への代替を進めることが必要だ。原油供給危機は、脱炭素社会に向けた日本の遅れも改めて浮き彫りにしている。
図表 一次エネルギー・原油消費の経済効率


プロフィール
-
木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。