内閣府が8日に発表した5月の景気ウォッチャー調査は、中東情勢緊迫化、原油価格高騰を受けて企業の景況感が引き続き低迷していることを示した。
5月の景気の現状判断DI(季節調整値)は前月比2.8ポイントの43.6と、3か月ぶりに持ち直した。しかしその水準は、景況感の判断の分かれ目である50を大幅に下回っている。
先行き判断DI(季節調整値)も前月比1.3ポイントの40.7と、3月に急落した後、2か月連続で持ち直している。しかし、その水準は、判断の分かれ目である50をやはり大幅に下回っている。家計動向関連では小売と住宅の持ち直しが特に弱く、DIの水準も低い。
企業のコメントを見ると、家計動向関連では、原油価格の上昇などによる物価高が個人消費の逆風となり、生活必需品以外を買い控える動きが小売業から指摘されている。また、この先、中東情勢の影響による不景気で、買い控えに拍車がかかることが懸念されている。
住宅関連については、金利の上昇や資材不足、工事費の高騰などによって住宅投資は調整局面を迎えるとの見通しが示されている。
雇用関連については、物価上昇の影響から、今後の人員計画が不透明になる可能性が高いと人材派遣の企業が指摘している。
現状では、日本経済が急激に悪化している証拠はないが、今後、時間の経過とともに価格上昇や製品の供給不足傾向が生じる可能性が高い。しかし、それがどの程度深刻なものかは不確実だ。
米国とイランが戦争終結に向けた合意に近づき、ホルムズ海峡再開への期待から原油価格が下落しても、国内での物価上昇率の高まりは年末近くまでは続くだろう。他方、ホルムズ海峡再開への期待が高まれば、企業は防衛的な減産を緩め、製品の供給不足は緩和されるだろう。しかし、現状ではそのような明確な動きは見られない。
先行きが不透明なことが企業の生産、投資、雇用を萎縮させ、それが経済の下振れを徐々に促しているのが現状だ。
5月の景気の現状判断DI(季節調整値)は前月比2.8ポイントの43.6と、3か月ぶりに持ち直した。しかしその水準は、景況感の判断の分かれ目である50を大幅に下回っている。
先行き判断DI(季節調整値)も前月比1.3ポイントの40.7と、3月に急落した後、2か月連続で持ち直している。しかし、その水準は、判断の分かれ目である50をやはり大幅に下回っている。家計動向関連では小売と住宅の持ち直しが特に弱く、DIの水準も低い。
企業のコメントを見ると、家計動向関連では、原油価格の上昇などによる物価高が個人消費の逆風となり、生活必需品以外を買い控える動きが小売業から指摘されている。また、この先、中東情勢の影響による不景気で、買い控えに拍車がかかることが懸念されている。
住宅関連については、金利の上昇や資材不足、工事費の高騰などによって住宅投資は調整局面を迎えるとの見通しが示されている。
雇用関連については、物価上昇の影響から、今後の人員計画が不透明になる可能性が高いと人材派遣の企業が指摘している。
現状では、日本経済が急激に悪化している証拠はないが、今後、時間の経過とともに価格上昇や製品の供給不足傾向が生じる可能性が高い。しかし、それがどの程度深刻なものかは不確実だ。
米国とイランが戦争終結に向けた合意に近づき、ホルムズ海峡再開への期待から原油価格が下落しても、国内での物価上昇率の高まりは年末近くまでは続くだろう。他方、ホルムズ海峡再開への期待が高まれば、企業は防衛的な減産を緩め、製品の供給不足は緩和されるだろう。しかし、現状ではそのような明確な動きは見られない。
先行きが不透明なことが企業の生産、投資、雇用を萎縮させ、それが経済の下振れを徐々に促しているのが現状だ。
図表 景気ウォッチャー調査の先行き判断DI(季節調整値)


プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。