経済産業省が7月1日に発表した6月29日時点のレギュラーガソリン全国平均小売価格は、1リットル169.8円と前週から横ばいとなった。ガソリン補助金によってガソリン価格は1リットル170円程度の水準で安定が維持されている。
一方、7月2日~7月8日のガソリン補助金の金額は、1リットル当たり4.8円と前週の6.0円から減少し、3月19日に現在のガソリン補助金制度が開始されて以降の最低水準を更新した。
一方、2日からはガソリン補助金制度が見直され、割高な原油代替調達によるコスト増加分を補助金に上乗せする、「調整単価」の適用が始められた。調整単価は月単位で見直され、7月2日から適用される7月分は1リットル当たり4.9円となる(コラム「ガソリン補助金に代替調達の上乗せコスト分を反映」、2026年6月30日)。
7月2日から1週間のガソリン補助金は、この「調整単価」分を除けば、1リットル当たりほぼゼロ円である。WTI原油先物価格は1バレル70ドル程度を分岐点とし、その水準を下回れば、「調整単価」以外の補助金は無くなり、レギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットル170円を下回っていくと推測される。
ただし、2月末の米国、イスラエルによるイラン攻撃直前のWTI原油先物価格は1バレル67ドル程度であり、その後、ホルムズ海峡の封鎖という予期せぬ出来事も生じた。そのリスクプレミアムが当面原油価格に上乗せされるならば、WTI原油先物価格は1バレル70ドルを大幅に下回る水準で安定するのは難しいのではないか。その場合、ガソリン小売価格は1リットル170円からの低下余地はそれほど大きくない。個人が受けることができる中東情勢の改善を映した原油価格低下の恩恵は、比較的限定的だろう。
2022年1月のガソリン補助金制度導入以降、補助金の仕組みは、一定の水準にガソリン小売価格を安定させるため、海外の原油価格の変動に合わせて補助金を増減させる方式と、ガソリン小売価格に1リットル当たり一定額の補助金を支給し、小売価格を一定水準低下させることを目指す方式の2種類があった。3月19日に始められた現在のガソリン補助金制度は前者である。
「調整単価」制度の開始は、制度を後者の一定額の補助金へと修正する方向にあることを意味するように見える。そして、この先、ホルムズ海峡を通じた原油の輸入が復活していけば、割高な代替ルートで調達される原油は減少し、原油の平均単価はその分低下していく。そうなれば、「調整単価」制度も廃止となるだろう。
その時点で原油価格が安定しているのであれば、補助金の必要性は薄れ、ガソリン補助金制度を廃止する道も見えてくるだろう。
一方、7月2日~7月8日のガソリン補助金の金額は、1リットル当たり4.8円と前週の6.0円から減少し、3月19日に現在のガソリン補助金制度が開始されて以降の最低水準を更新した。
一方、2日からはガソリン補助金制度が見直され、割高な原油代替調達によるコスト増加分を補助金に上乗せする、「調整単価」の適用が始められた。調整単価は月単位で見直され、7月2日から適用される7月分は1リットル当たり4.9円となる(コラム「ガソリン補助金に代替調達の上乗せコスト分を反映」、2026年6月30日)。
7月2日から1週間のガソリン補助金は、この「調整単価」分を除けば、1リットル当たりほぼゼロ円である。WTI原油先物価格は1バレル70ドル程度を分岐点とし、その水準を下回れば、「調整単価」以外の補助金は無くなり、レギュラーガソリン全国平均小売価格は1リットル170円を下回っていくと推測される。
ただし、2月末の米国、イスラエルによるイラン攻撃直前のWTI原油先物価格は1バレル67ドル程度であり、その後、ホルムズ海峡の封鎖という予期せぬ出来事も生じた。そのリスクプレミアムが当面原油価格に上乗せされるならば、WTI原油先物価格は1バレル70ドルを大幅に下回る水準で安定するのは難しいのではないか。その場合、ガソリン小売価格は1リットル170円からの低下余地はそれほど大きくない。個人が受けることができる中東情勢の改善を映した原油価格低下の恩恵は、比較的限定的だろう。
2022年1月のガソリン補助金制度導入以降、補助金の仕組みは、一定の水準にガソリン小売価格を安定させるため、海外の原油価格の変動に合わせて補助金を増減させる方式と、ガソリン小売価格に1リットル当たり一定額の補助金を支給し、小売価格を一定水準低下させることを目指す方式の2種類があった。3月19日に始められた現在のガソリン補助金制度は前者である。
「調整単価」制度の開始は、制度を後者の一定額の補助金へと修正する方向にあることを意味するように見える。そして、この先、ホルムズ海峡を通じた原油の輸入が復活していけば、割高な代替ルートで調達される原油は減少し、原油の平均単価はその分低下していく。そうなれば、「調整単価」制度も廃止となるだろう。
その時点で原油価格が安定しているのであれば、補助金の必要性は薄れ、ガソリン補助金制度を廃止する道も見えてくるだろう。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。