8月に値上げの動きが広がる
食料品、日用品の値上げが、再び広がりを見せている。帝国データバンクの「食品主要195社価格改定動向調査」によると、8月に値上げされる飲食料品は2,311品目で、前年同月比約8割増となる見込みだ。値上げが2,000品目を超えるのは、7月に続き2か月連続となる。
2026年8月の値上げ品目で最も多いのはハム・ソーセージなどの食肉製品のほか、カップ麺、缶詰製品、鏡餅製品などの「加工食品」(1419品目)だ。
各種報道によると、8月には日本ハム、プリマハムのハム・ソーセージ類、ニチレイフーズの冷凍食品、日清製粉ウェルナ、ニップン、昭和産業の小麦粉・パスタ製品、はごろもフーズのシーチキンやかつお節、ネスカフェ、ペヤング、辛ラーメンなどが値上げされる。
また、飲食料品以外の日用品については、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーなどの紙製品、紙おむつ、目薬、冷却用品、貼付剤などの医薬品関連が値上げされる。また、一部の洗剤・柔軟剤も8月に値上げされる。
8月に飲食料品や日用品の値上げの動きが再び広がりを見せている背景には、3月以降の原油価格上昇の影響があると考えられる。インクや食品フィルム、トレー類などでの大幅な値上げや品薄状態による包装資材のコストアップの影響、電気代、物流費、原材料高が食料品の価格に転嫁されている。
原油価格上昇の影響を直接受けるナフサ由来の日用品に加えて、紙製品についても、製造過程で使われる燃料の価格上昇の影響から値上げが起こっている。
2026年8月の値上げ品目で最も多いのはハム・ソーセージなどの食肉製品のほか、カップ麺、缶詰製品、鏡餅製品などの「加工食品」(1419品目)だ。
各種報道によると、8月には日本ハム、プリマハムのハム・ソーセージ類、ニチレイフーズの冷凍食品、日清製粉ウェルナ、ニップン、昭和産業の小麦粉・パスタ製品、はごろもフーズのシーチキンやかつお節、ネスカフェ、ペヤング、辛ラーメンなどが値上げされる。
また、飲食料品以外の日用品については、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパーなどの紙製品、紙おむつ、目薬、冷却用品、貼付剤などの医薬品関連が値上げされる。また、一部の洗剤・柔軟剤も8月に値上げされる。
8月に飲食料品や日用品の値上げの動きが再び広がりを見せている背景には、3月以降の原油価格上昇の影響があると考えられる。インクや食品フィルム、トレー類などでの大幅な値上げや品薄状態による包装資材のコストアップの影響、電気代、物流費、原材料高が食料品の価格に転嫁されている。
原油価格上昇の影響を直接受けるナフサ由来の日用品に加えて、紙製品についても、製造過程で使われる燃料の価格上昇の影響から値上げが起こっている。
10月にかけて値上げの動きはなお強まる
帝国データバンクの「食品主要195社価格改定動向調査」によると、2025年9月以降、飲食料品の値上げ品目数は、前年同月比で一時減少傾向を辿っていた。2022年以降の急速な円安による輸入原材料価格の上昇を製品価格に転嫁する動きが、一巡してきたためと考えられる(図表1)。
この時期には、高騰していたコメの価格も低下しており、物価高による家計負担は相応に軽減されていた。
しかしそうした流れを大きく変えたのは、中東情勢緊迫化による原油価格高騰だ。原油価格高騰はガソリンや電気代・ガス代などを除けば、数か月から半年程度で製品価格に多く転嫁されると考えられる。WTI原油先物価格は、今年3月に一気に1バレル110ドル台を超えた。その影響を受けて、飲食料品の値上げ品目数は7月から前年同月比で再び増加に転じたと考えられる。
この時期には、高騰していたコメの価格も低下しており、物価高による家計負担は相応に軽減されていた。
しかしそうした流れを大きく変えたのは、中東情勢緊迫化による原油価格高騰だ。原油価格高騰はガソリンや電気代・ガス代などを除けば、数か月から半年程度で製品価格に多く転嫁されると考えられる。WTI原油先物価格は、今年3月に一気に1バレル110ドル台を超えた。その影響を受けて、飲食料品の値上げ品目数は7月から前年同月比で再び増加に転じたと考えられる。
図表1 飲食料品の値上げ品目数の推移


原油価格と為替が現状維持であれば11月にも物価の安定傾向が確認されるか
7月から9月にかけてが、原油価格高騰の影響による値上げの動きが本格化する時期と考えられる。それ以降の値上げ、物価動向については、原油価格と為替動向に左右されるだろう。
原油価格が現状の1バレル70ドル台から80ドル前後、ドル円レートが1ドル160円前後で推移する場合、食料品の値上げ品目数は前年同月比で9月がピークになると予想される。
ただし、四半期の初めの月で値上げ品目数が例年多くなりやすい10月には、まだ消費者が値上げ増加の一巡を実感しにくいだろう。それを実感できるのは11月以降と見ておきたい。
このように、10月までは物価上昇率が高まり、家計の負担感が増す。これは、来年4月から予定されている食料品の消費税率の引き下げでは対応できない。消費税率の引き下げは、物価上昇率の高まりによる家計負担増加が一巡したタイミングで行われることになるだろう。
原油価格が現状の1バレル70ドル台から80ドル前後、ドル円レートが1ドル160円前後で推移する場合、食料品の値上げ品目数は前年同月比で9月がピークになると予想される。
ただし、四半期の初めの月で値上げ品目数が例年多くなりやすい10月には、まだ消費者が値上げ増加の一巡を実感しにくいだろう。それを実感できるのは11月以降と見ておきたい。
このように、10月までは物価上昇率が高まり、家計の負担感が増す。これは、来年4月から予定されている食料品の消費税率の引き下げでは対応できない。消費税率の引き下げは、物価上昇率の高まりによる家計負担増加が一巡したタイミングで行われることになるだろう。
コメの価格下落が家計の負担を一部軽減する
一方、当面、値上げの動きが広がる中で、唯一価格が下落して、物価高による家計負担増加を軽減するのがコメの価格だ。コメの価格は6月に前年同月比-8.7%と下落している(図表2)。在庫水準が高い中、当面は価格下落が続くだろう。9月から流通が本格化する新米は、前年比で4割程度下落する可能性がある。これは、消費者物価上昇率を0.25%程度押し下げる計算だ。原油価格高騰による家計負担増加の4分の1から3分の1程度は、コメの価格の下落によって打ち消されると見込まれる。
このように、コメの価格の下落の影響もあり、物価上昇による家計負担感は10月にかけて一時的に強まるものの、11月以降、年末にかけては軽減されていくと予想する。
ただし、今後原油価格の上昇、円安の進行が見られれば、家計負担感の軽減は年明け後にずれ込むことになるだろう。
このように、コメの価格の下落の影響もあり、物価上昇による家計負担感は10月にかけて一時的に強まるものの、11月以降、年末にかけては軽減されていくと予想する。
ただし、今後原油価格の上昇、円安の進行が見られれば、家計負担感の軽減は年明け後にずれ込むことになるだろう。
図表2 コメの価格と消費数量


プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。