米共和党が中間選挙の年に異例の党大会を開催
共和党は9月9・10日にテキサス州ダラスで党大会を開く。バンス副大統領が9日、トランプ大統領が10日にそれぞれ基調演説をする予定だ。党大会は4年に1度の大統領選挙のある年に実施されるが、中間選挙の年に開くのは初めてだ。
11月の中間選挙の投開票日まで2か月というタイミングで党大会を開くことで、有権者の注目を集める狙いがあるとみられる。トランプ大統領はSNSで、政権の成果を訴える場になる、と説明している。しかしそうした戦略が裏目に出ることを警戒する向きも共和党内にはある。
11月の中間選挙の投開票日まで2か月というタイミングで党大会を開くことで、有権者の注目を集める狙いがあるとみられる。トランプ大統領はSNSで、政権の成果を訴える場になる、と説明している。しかしそうした戦略が裏目に出ることを警戒する向きも共和党内にはある。
「ねじれ議会」となる可能性が高いか
現在の議会の議席は、上院では共和党53、民主党47、下院では共和党218、民主党214と、共和党が僅差で両院を制している。しかし現時点では、民主党が中間選挙で下院の過半数を獲得する見通しが有力だ。
2026年8月の主要な世論調査をみると、下院の投票先を問うジェネリック・バロットでは、民主党が共和党をおおむね6~8ポイント程度上回っている。また、ディシジョン・デスクHQの8月14日時点の平均では、民主党47%、共和党41%となっている。さらに金融市場の予測市場では、民主党が下院過半数を奪取する確率は8割を超えている状況だ。
一方、上院は改選35議席中22議席が共和党の現職であり、共和党と民主党が競う接戦区が少ないことから、共和党が過半数の51議席以上を保つ可能性が高い、とみられている。
ただし、テキサスやアイオワなどの共和党が優位な州で、民主党候補者の支持が高まり、接戦になるとの見方も出ていることから、上院の共和党の優位は今後揺らぐ可能性もあるだろう。
現時点では、民主党が下院で過半数の議席を奪い、上院では共和党が過半数の議席を何とか守り、「ねじれ議会」となるシナリオが最も有力だ。
2026年8月の主要な世論調査をみると、下院の投票先を問うジェネリック・バロットでは、民主党が共和党をおおむね6~8ポイント程度上回っている。また、ディシジョン・デスクHQの8月14日時点の平均では、民主党47%、共和党41%となっている。さらに金融市場の予測市場では、民主党が下院過半数を奪取する確率は8割を超えている状況だ。
一方、上院は改選35議席中22議席が共和党の現職であり、共和党と民主党が競う接戦区が少ないことから、共和党が過半数の51議席以上を保つ可能性が高い、とみられている。
ただし、テキサスやアイオワなどの共和党が優位な州で、民主党候補者の支持が高まり、接戦になるとの見方も出ていることから、上院の共和党の優位は今後揺らぐ可能性もあるだろう。
現時点では、民主党が下院で過半数の議席を奪い、上院では共和党が過半数の議席を何とか守り、「ねじれ議会」となるシナリオが最も有力だ。
トランプ大統領の支持率低下
中間選挙に向けて共和党が苦戦を強いられている背景には、トランプ政権(共和党)への国民の不満があるだろう。トランプ大統領の支持率は2026年8月17日時点のロイター/イプソス調査で33%まで落ち込み、政権発足以来最低水準となっている。
民主党は、中間選挙でトランプ大統領への批判を展開する戦略とされる。これに対して、トランプ大統領は、中間選挙で自らが共和党の顔となり、積極的な活動を行う考えとされる。トランプ大統領は、中間選挙前の10月には、多くの遊説を行い、1日1回の集会を開く可能性があるとされる。そこでトランプ大統領は、自らの政策の成果をアピールする可能性が高い。
しかし、支持率が大きく低下したトランプ大統領が前面に出るほど、それは、民主党の思惑通りの展開となり、中間選挙で共和党に不利に働く可能性がある。
選挙キャンペーン中に連日トランプ大統領が演説を行えば、失言が多く飛び出し、共和党議員がその対応に追われる可能性もある。
そのため、中間選挙ではトランプ大統領と距離を置く共和党議員も出てきており、彼らの中には共和党大会に欠席する者もいるという。
トランプ大統領はスーパーPAC(特別政治活動委員会)「MAGA Inc」で4億ドル(約620億円)に上る資金を保有しているとされるが、その資金を中間選挙に投入していないことに不満を募らせる共和党議員も少なくない。トランプ大統領はその資金を大統領図書館のために残しておきたいと考えている、との噂もある。
トランプ大統領が中間選挙の顔として前面に出たために、共和党に厳しい選挙結果となれば、トランプ大統領は共和党議員の支持を大きく失い、「ねじれ議会」となることに加えて、任期後半の政策運営はより厳しさを増すことになるだろう。
(参考資料)
“Trump Fatigue Starts to Rattle Republicans(「トランプ疲れ」、米中間選挙前に共和党に影)”, Wall Street Journal, September 4, 2026
“Trump Sticks With a Losing Midterm Plan(勝ち目ない選挙戦略に固執するトランプ氏)”, Wall Street Journal, September 3, 2026
民主党は、中間選挙でトランプ大統領への批判を展開する戦略とされる。これに対して、トランプ大統領は、中間選挙で自らが共和党の顔となり、積極的な活動を行う考えとされる。トランプ大統領は、中間選挙前の10月には、多くの遊説を行い、1日1回の集会を開く可能性があるとされる。そこでトランプ大統領は、自らの政策の成果をアピールする可能性が高い。
しかし、支持率が大きく低下したトランプ大統領が前面に出るほど、それは、民主党の思惑通りの展開となり、中間選挙で共和党に不利に働く可能性がある。
選挙キャンペーン中に連日トランプ大統領が演説を行えば、失言が多く飛び出し、共和党議員がその対応に追われる可能性もある。
そのため、中間選挙ではトランプ大統領と距離を置く共和党議員も出てきており、彼らの中には共和党大会に欠席する者もいるという。
トランプ大統領はスーパーPAC(特別政治活動委員会)「MAGA Inc」で4億ドル(約620億円)に上る資金を保有しているとされるが、その資金を中間選挙に投入していないことに不満を募らせる共和党議員も少なくない。トランプ大統領はその資金を大統領図書館のために残しておきたいと考えている、との噂もある。
トランプ大統領が中間選挙の顔として前面に出たために、共和党に厳しい選挙結果となれば、トランプ大統領は共和党議員の支持を大きく失い、「ねじれ議会」となることに加えて、任期後半の政策運営はより厳しさを増すことになるだろう。
(参考資料)
“Trump Fatigue Starts to Rattle Republicans(「トランプ疲れ」、米中間選挙前に共和党に影)”, Wall Street Journal, September 4, 2026
“Trump Sticks With a Losing Midterm Plan(勝ち目ない選挙戦略に固執するトランプ氏)”, Wall Street Journal, September 3, 2026
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。