NRI「生活者年末ネット調査」からみる4年間の変化
~高度デジタル社会における期待と不安~
2013年以降毎年実施されている「NRI生活者年末ネット調査」が、2016年末で4回目を迎えました。「生活者年末ネット調査」では、全国の15~69歳の男女3,000人からの回答を収集、分析しています。今回は、「NRI『生活者年末ネット調査』からみる4年間の変化~ 高度デジタル社会における期待と不安 ~」をテーマに調査結果をまとめました。
「実をともなう」景気回復感に。モノの購入よりコトに消費する意向が強まる
「アベノミクス」が発動されて、ちょうど4年が経過しました。新しい年を迎えるにあたり、生活者は景気回復をどのように実感し、消費傾向はどう変化してきたのでしょうか。
景気が今後悪くなると考える人は、減少傾向にあります。景気回復への期待が最も高かったのは2013年末ですが、2015年以降は景気・収入ともに楽観の傾向を強めています。景気回復を実感する理由としては、月収や賞与の増加をあげる人が多くなっています。
消費傾向の変化については、モノの購入よりも「旅行」「趣味・レクリエーション」「教育・学習」「交際費」など、コトに対する消費を増やしていきたいと考える人が多くなっています。
今年から来年にかけての「景気」・「株価」・「家庭の収入」の見通し推移
SNS等による情報検索は「信頼性」よりも「即時性・生の声・面白さ」を重視
SNS等を使用した情報検索は若年層ほど利用割合が高く、情報の信頼性よりも「即時性・生の声・面白さ」を求めて使用している傾向が見られます。そして、SNS等における個人情報の開示はメリット次第では肯定的です。しかし、事業サービスとして売買することには拒否感を示す人が多くなっています。
ロボットや人工知能(AI)については、認知・利用経験ともにいまだ限定的であり、好ましい/好ましくない、の判断ができない状況です。
日本を誇りに思うが、将来については不安視
「日本を誇りに思う」意識は、若者を中心に高まる傾向にあります。日本に対するポジティブなイメージは、「治安の良さ」「食」「衛生的・清潔」が上位に来ています。しかし、日本の将来については不安視する人が6割を占めます。ネガティブイメージを持っていることとしては、「少子高齢化」「自然災害」「長時間労働」などです。
生活満足度も直近では高まっていますが、生活の充実感はそれに比して低いという傾向が見られます。明確な充実感を感じていなくてもおおむね満足、とする人が一定割合いることになりますが、若者は上の世代より満足度・充実度とも高いのが特徴的です。
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