&N 未来創発ラボ

野村総合研究所と
今を語り、未来をみつめるメディア

勝ち残るためのデジタルマーケティング戦略

NRIネットコム デジタルマーケティング事業部 山田 輝明

デジタル化の進展は私たちの暮らしにも強い影響を与えていますが、デジタルデバイスやデジタルコンテンツを活用することで、消費者の購買スタイルを大きく変化させたのが「デジタルマーケティング」です。今後、企業はデジタルマーケティングをどのように活用していけばよいのか。日本で初めてGoogle アナリティクス 360 のプレミアムパートナー認定を受けたNRIネットコムの山田輝明は、「マーケティングとエンジニアリングの融合」を指摘します。

 

データ活用による「おもてなし」

 

最近は、デジタルマーケティングという言葉がよく使われています。従来のマーケティングと何が違うのでしょうか。山田は言います。

 

「2010年前後を境にタブレット端末やスマートフォンが急速に普及したことで、これらデジタルデバイスを介して、消費者は時間と場所を選ばず、商品をチェックしたり、買い物をしたり、サービス提供側の企業とつながることが可能になりました。一方、企業側はこの接点を通じて、収集したさまざまなデータを分析し、消費者に心地よい『おもてなし』を提供する。これがデジタルマーケティングの本質だと思っています」

 

もう、うんざりしない

 

「例えば、マンションの購入を検討する男性が、不動産会社のウェブサイトを訪れ、購入希望マンションをチェックしたとします。すると彼が興味を持ちそうな物件が、ウェブ上に自動的に表示されます。その不動産会社のサイトを訪れるのが初めてであっても、その男性のマンション購入目的が、転職なのか結婚のためなのか、求めている広さは1Kなのか2LDKなのか、ある程度絞り込んで見せてくれます」

 

「たくさんのポスティングちらしや営業電話を受けて、うんざりした経験は誰でもありますね。しかしデジタルマーケティングなら、その人にとって『関心あるとき』に『さりげなく』『最適なもの』が提示される。購入までのプロセスが心地よく、しかも短縮化されています」

 

消費者のニーズが発生した時に、自然にデジタルで入っていける。さらに、デジタル広告として、企業のブランディングという意味でのさりげない接点としても活用されています。

 

エンジニアリングとコンサルティングのスキルも

 

Googleアナリティクスをはじめとするさまざまな仕組みは無償ツールとして提供されており、基本的にはどの企業でも利用できます。では、すぐにデジタルマーケティングへ活用できるかというと、そう簡単ではなさそうです。

「あるターゲットの顧客層に最適な情報を提示する、という目的のために、今回はあちらで集めたデータとこのツールを使おう、などの設計がとても重要になるのです。となると、マーケティングに加え、エンジニアリングのスキルが欠かせません。またデータ活用においては、全社に散らばったデータを集約するうえで、各現場に通じつつ企業戦略も把握していなければならない。そのためコンサルティングスキルも必要なのです」

 

山田は、あるメーカーのデジタルマーケティングを支援したとき、各部門に散らばっていたデータを全社で活用していくために、データ活用の仕組みづくりに加え、全社横断でデータを集約する新たな組織づくりもサポートしました。

 

「NRIネットコムが提供するデジタルマーケティングテクノロジー」

 

デジタルトランスフォーメーションを実現するには

 

社会のデジタル化が一層深化している今、企業側でも今までのビジネス環境を大きく変える必要があります。だからこそ「従来のようなマーケティング部門だけ、あるいは情報システム部門だけ、では対応できないし、また両部門を単純にくっつけるだけでもうまくいかない」と山田は指摘します。

 

「NRIネットコムのデジタルマーケティング部門には、システムエンジニア出身者が多く、エンジニアリングのスキルをベースにしてマーケティングに携わっています。もともと金融機関向けに、一つのミスもなく数億件ものデータを扱う精度の高いシステムを構築してきた実績もあります。こうしたことが、デジタルマーケティング企業としての私たちの強みだと思っています」

 

NRIネットコムは、Googleアナリティクス、Googleクラウドプラットフォーム、そしてGoogleアドワーズの認定パートナーであることが象徴的です。

「GoogleアナリティクスとGoogleアドワーズの認定パートナーとなっているマーケティング専業企業はありますが、Googleクラウドプラットフォームまで併せ持つところはないと思います。この3つを兼ね備えていることがNRIネットコムの独自性であり、強みなのです」

 

NRIネットコム デジタルマーケティングサービス

NRIジャーナルの更新情報はFacebookページでもお知らせしています

プロフィール

  • 山田 輝明のポートレート

    山田 輝明

    NRIネットコム
    デジタルソリューション事業本部 クラウドテクニカルセンター

    

    2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げる。
    デジタルマーケティングの分野では、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告事業について顧客向けの営業企画、営業、コンサルティング、導入支援、分析サービスを遂行し、ビジネス拡大に注力。
    2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアップのCEOとして2年半業務を執行。
    2021年にNRIネットコム社に戻り、デジタルマーケティング事業の拡大と、全社の営業・マーケティングDXを推進。
    2024年4月より、営業DX推進は継続しつつ、クラウドテクニカルセンターの副センター長として、クラウドビジネスの拡大を担当。

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。