The World Business Council for Sustainable Developmentとサステナビリティ情報開示に関するラウンドテーブルを共同開催
株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)は、2024年7月1日、「The World Business Council for Sustainable Development (WBCSD:持続可能な開発のための世界経済人会議)」傘下である「最高財務責任者(CFO)ネットワーク」と、サステナビリティ情報開示に向けたCFOや財務責任者、サステナビリティ担当役員の戦略的役割について議論するラウンドテーブルを共同開催いたしました。
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の小森博司理事と金融庁(FSA)の倉持亘一郎国際会計調整室長をゲストスピーカーとしてお招きし、日本及び海外企業の17社の経営幹部にご出席いただきました。
本ラウンドテーブルでは、以下のトピックについて積極的な意見交換を行いました。
- サステナビリティチームと財務チームの開示にむけた体制について
- グローバル基準と国内基準、国内外の法定開示対応の両立に向けて
― 欧州企業サステナビリティ報告指令(CSRD)対応など複数の事業地域への対応 - その他
― 保証と内部統制、投資家への働きかけ、データ管理など
議論の中では、規制要件や投資家からのプレッシャーに加え、バリューチェーン全体でのデータ管理など乗り越えるべき様々な課題はあるものの、開示は今後継続的かつ弾力的に目標を達成するための手段として可能な範囲で対応していくべきだという意見が強調されました。
また、参加者の中からは、関連するリスクと機会、整合的な事業の資本フローを、マーケティングの観点も交えながら戦略的に管理し、先見性のあるリーダーシップを発揮することが、CFOの役割ではないかとの指摘がありました。
日本国内ではサステナビリティ基準審議会(SSBJ)がISSBのS1およびS2(※1)に相当するサステナビリティ情報開示基準の更改草案に関するパブリックコンサルテーションを現在実施しています。また、金融庁はサステナビリティ情報開示と保証を規制に組み込むことを検討しています。WBCSDとNRIは7月31日の締め切りまでに、すべての日本市場の参加者がコンサルテーションプロセスに積極的に参加することを推奨しています。
(※1:S1 S2 および コンサルテーションはこちらからご覧いただけます。
サステナビリティ基準委員会がサステナビリティ開示基準の公開草案を公表|サステナビリティ基準委員会 (ssb-j.jp))
さらに、様々な地域で同様の検討が進められる中で、WBCSDはPrinciples for Responsible Investment(PRI ※2)を含むその他の組織と共に、有用性の高いサステナビリティ情報開示のグローバルベースラインとなり得る、普遍的な基準の採用を求めています。
(※2:Joint call for adoption of ISSB standards | Policy engagement | PRI (unpri.org))
WBCSD の CFO ネットワークは、メンバー企業のCFOに対し、イベント等を通じた各種ステークホルダーとのネットワーク機会を提供すると共に、新しいリーダーシップと持続可能な事業変革に関する学習機会や観点を提供することを目指しています。NRIは本イベントをきっかけに、日本におけるサステナビリティ情報開示の取り組みが一層深まることを期待すると共に、今後もWBCSDとの連携を通じて国内外でのCFOの新たな役割に関する議論の発展に貢献していきます。
本件に関するお問い合わせ
株式会社野村総合研究所 DX事業推進部
E-mail: cc-web@nri.co.jp
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