事業概要
株式会社野村総合研究所では、東京都から「令和6年度東京港オフピーク搬出入モデル事業の実施に関する業務委託」を受託しています。
事業イメージ
2024年4月より、自動車運転業務の時間外労働に年間960時間の上限規制が適用され、また拘束時間に関する規制が強化されたことで、何も対策を講じなければ、輸送力不足に陥ると懸念されています。東京港と日本全国の間のコンテナ貨物輸送の多くはトラックによってなされているため、トラックの輸送力不足は、東京港及び東京港の利用者にとって喫緊の課題です。
これまで東京都では、東京港の混雑解消に向けた取組として、早朝ゲートオープンの実施、東京港ストックヤードの設置、混雑状況の見える化等の取組を進めてきました。これらの施策により、渋滞長の削減に一定の効果が見られています。
一方で、東京港のコンテナゲートへの来場台数を時間別に分析すると、午前はゲート処理能力を下回る台数の来場にとどまる一方で、午後や夕方に来場が集中する傾向にあります。その結果、混雑時の午後や夕方に来場したトラックは、ゲート前の待ち列に並び、待機時間が長時間に及ぶことがあります。
注)上記は東京港全体の傾向であり、ターミナルや時期などによっては、上記の傾向とは異なる場合もあります。
来場時間を午前中に移行できれば、荷主や物流事業者はゲート前の待ち時間を抑制でき、効率的な輸送計画を組み立てることができます。また、東京港としては、コンテナゲートの処理能力を最大限に活用し、少しでも多くの来場者に待ち時間を短くする機会を提供できるようになります。
一方で、来場時間を午前中に移行するには、荷主や物流事業者など多くの関係者の協力が必要です。また、リードタイムやコストなどの観点で、様々な課題が発生しうると考えられます。
このような背景を踏まえ、東京都は、東京港と荷主・物流事業者の双方の課題解決に資する取組として、午前中などコンテナターミナルが比較的空いている時間帯に搬出入を行う「オフピーク搬出入」の取組を推進するため、「東京港オフピーク搬出入モデル事業」を実施します。
都が委託した事業プロモーター(株式会社野村総合研究所)が、上記の課題解決に資するモデル事業を募集します。また、プロジェクトの実施に係る費用負担やアドバイス等の実施サポート、運営支援を提供します。支援の詳細については、公募要領を確認してください。本施策の趣旨に賛同し、東京都と共に課題解決を目指していただける荷主企業のご参加をお待ちしております。
公募案内
概要 |
本公募では、東京港の外貿コンテナターミナルにおいて、コンテナの搬出または搬入を行うトラックの来場時間を、荷主が物流事業者などの協力を得て、午後や夕方から午前中にシフトさせる取組を行う事業を採択します。詳細は公募要領を参照してください。 |
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募集する事業のイメージ |
【輸入の場合】
【輸出の場合】
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事業の流れ |
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募集期間 |
令和6年7月31日(水)~8月28日(水)12時必着 |
提出先 |
応募に必要な資料の作成方法や提出先は、関連ファイルを参照してください。 |
関連ファイル |
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公募結果NEW
選定プロジェクトの概要
「複数企業連携による東京港オフピーク輸送プロジェクト」
提案企業
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荷主企業
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株式会社クボタ(代表)、本田技研工業株式会社、コマツ、三桜工業株式会社、白石カルシウム株式会社、株式会社鶴見製作所
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物流企業
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吉田運送株式会社、みなと運送株式会社、鈴与株式会社、株式会社日新
事業概要
東京港の混雑によるドライバーの長時間拘束やアイドリング中のCO2排出という課題に対して、オフピークを活用した解決を、複数企業による連合協業により実現する
- 日中に各荷主企業と荷主最寄デポ間の移送を行い、道路混雑の少ない夜間に荷主最寄デポと東京港デポ間の移送を実施
- 東京港のオフピークである午前中に東京港デポとコンテナターミナル間の移送を実施。複数企業間におけるシャーシ共有化についても検討
- 各社のコンテナ発着情報を物流企業合同で共有し、行き帰り荷の事前マッチングにより車両効率を向上
輸送フロー図(輸出の場合)
- ここで使用する「デポ」とは、コンテナの中継輸送において、コンテナを搭載したシャーシのトラクタヘッドを付け替える場所を指す
想定されるメリット
- 港湾エリアの混雑解消への貢献
- 運送会社及びドライバーの負担の軽減
- 車両回転率の向上による運送生産性の向上
- 安定的なコンテナ輸送能力の確保
- CO2排出の削減による環境への貢献 など