NRIは、当社らしいESG施策の一つとして、サステナブルファイナンス(持続可能な社会を実現するための金融)にも取り組んでいます。サステナブルファイナンスを通じて資金調達手段の多様化と資金調達の安定性向上に努めるだけではなく、環境問題をはじめとした社会課題に対し、ステークホルダーの皆さまとともに新たな価値を創造し、サステナブルな未来社会の創出に貢献していきます。
NRIグリーンボンドとは
NRIは「未来創発」をコーポレート・ステートメントに掲げ、企業価値向上のためのESGの取組みを実践しています。
NRIらしいESGの取組みとして、以下の概要にてNRIグリーンボンド(株式会社野村総合研究所第3回無担保社債)を発行しました。NRIグリーンボンドの発行により、当社のグリーン投資の実践と国内のグリーン投資の活性化を促し、持続的な未来社会の実現をリードすることを目的としています。
NRIグリーンボンド概要
名称 | |
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発行日 |
2016年9月16日 |
期間 |
10年 |
発行総額 |
100億円 |
条件決定日 |
2016年9月9日 |
資金使途 |
横浜野村ビルの一部を信託財産とする信託受益権の取得資金及び当該ビルに係る設備投資資金に充当 |
信用格付 |
AA- (株式会社格付投資情報センター) |
セカンドオピニオン(※1) | |
社債要項 | |
発行登録追補目論見書 | |
グリーンボンド・ フレームワーク(※2) |
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※1:
NRIグリーンボンドがグリーンボンド原則(*)に沿った社債であるかについて、ESG(環境、社会、ガバナンス)評価会社であるVigeo SASが展開するVigeo
Eirisによる独立した意見
*グリーンボンド原則(Green Bond Principles):国際資本市場協会(ICMA)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド原則執行委員会(Green Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドライン
http://www.icmagroup.org/Regulatory-Policy-and-Market-Practice/green-bonds/green-bond-principles/ - ※2: 2023年5月改定。情報は資料改定時点のものです。
上記、NRIグリーンボンドは、2016年9月9日付で、株式会社格付投資情報センター(R&I)による「R&Iグリーンボンドアセスメント」(※2)の最上位評価である「GA1」(グリーンボンドの調達資金が、環境問題の解決に資する事業に投資される程度が非常に高い)を取得しました。
ダウンロード(PDF版)
グリーンボンドアセスメント
ファイルサイズ:322KB
- ※3: グリーンボンドで調達された資金が、環境問題の解決に資する事業に投資される程度に対する、R&Iの意見であり、GA1(非常に高い)~GA5(低い)の5段階の符号で評価される。
本情報は当社による社債の発行を一般に公表することのみを目的とするものであり、いかなる証券についての投資勧誘行為又はその他の類似行為を行うためのものではありません。
信託受益権の売却及び新たな充当先の決定について
当社は、「NRIグリーンボンド」(第3回無担保社債)において当初取得した横浜総合センター(横浜野村ビル)(※1)の信託受益権を売却し、売却による資金は、新たなグリーンプロジェクトに充当するまでの間、専用口座にて管理しています。
この資金について、これまでに以下の3つのプロジェクトをグリーンプロジェクトとして採択し、新たな充当先として資金充当を進めてきました。
①大阪第二データセンター(O2DC)増床プロジェクト(約48億円)
大阪第二データセンター第二棟建設プロジェクト(「O2DC増床プロジェクト」)(※2)を、2021年7月に新たな充当先として採択し、工事進捗状況に合わせて資金充当を進め、2023年末に資金充当を完了しました。
②STAR導入プロジェクト(約33億円)
共同利用型サービス「THE
STAR」のみずほ証券株式会社様導入プロジェクト(「STAR導入プロジェクト」)(※3)を、2022年7月に新たな充当先として採択し、これに係る当社開発費等の一部に、2022年12月に資金充当を実施しました。
③大阪第二データセンター(O2DC)太陽光パネルプロジェクト(約0.5億円)
大阪第二データセンターに太陽光パネルを設置するプロジェクト(「O2DC太陽光パネルプロジェクト」)を、2022年7月に新たな充当先として採択し、2022年12月に完工、資金充当を実施しました。
また当社は2023年4月に、以下の3つのプロジェクトを新たな充当先として採択いたしました。
④NRI-CTSプロジェクト(約7億円)
「NRI-CTS」は、企業が自社のサプライチェーンにおけるGHG排出関連情報のトレースを効率的かつタイムリーに実現するために、NRIが開発しているカーボントレーシングシステムです(※4)。当社はNRI-CTSが将来的にお客様や社会の脱炭素化に資することから、これのR&D及びシステム・サービス開発プロジェクト(「NRI-CTSプロジェクト」)を新たな充当先として採択しました。当プロジェクトの費用のうち約7億円について、進捗状況に合わせて資金充当を進めていきます。
⑤東京第一データセンター(T1DC)太陽光パネルプロジェクト(約1億円)
再生可能エネルギーの発電設備の建設・取得等を適格なグリーンプロジェクトとして規定するグリーンボンド・フレームワークに基づき、東京第一データセンターに太陽光パネルを設置するプロジェクトを新たな充当先として採択しました。2023年第4四半期に完工・資金充当を行う予定です。
⑥大阪第二データセンター(O2DC)事務棟太陽光パネルプロジェクト(約0.5億円)
再生可能エネルギーの発電設備の建設・取得等を適格なグリーンプロジェクトとして規定するグリーンボンド・フレームワークに基づき、大阪第二データセンターの事務棟に太陽光パネルを設置するプロジェクトを新たな充当先として採択しました。2023年第4四半期に完工・資金充当を行う予定です。
上記6つのグリーンプロジェクトに対する2023年3月末時点の資金充当額は約86億円となっており、予定する充当が完了した時点の資金充当額は約90億円となる見込みです。現時点で充当の予定が決まっていない約10億円につきましても、グリーンボンド・フレームワークに則り、新たな充当先として適格なグリーンプロジェクトを、財務部門とサステナビリティ推進部門で組織横断的に検討してまいります。また資金の充当状況及び当該プロジェクトによる環境改善効果は、社債の償還まで毎年ESGデータブックにてレポーティングする予定です。
-
※1
:横浜総合センター(横浜野村ビル)が取得した環境認証
- CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランク
- LEED Gold
- DBJ Green Building認証 5つ星(*)
- SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)
- ※2
:大阪第二データセンター(O2DC)第二棟
O2DC第二棟は、1965年創業以来、半世紀に亘るデータセンター運営を通じて培った環境マネジメント技術やセキュリティノウハウを搭載したデータセンターです。
NRIが特許取得しているダブルデッキシステムを採用、冷房負荷の最小化や効率的な処理等の環境負荷低減への工夫(*)を凝らしています。
金融業界をはじめとした様々な業界のお客様に安心してご利用いただけるサービスレベル(**)を実現しています。
*ダブルデッキシステム等の環境負荷低減への工夫は下記をご参照ください(増設後のO2DCの設計PUE:1.5未満)
https://www.nri.com/jp/sustainability/materiality/esg/environment/greenstyle.html#green_of_nri
**JDCCのデータ・ファシリティ・スタンダードのティア4相当 - ※3
:STAR導入プロジェクト
「THE STAR」は、当社がリテール証券会社向けに提供する総合バックオフィスシステムの共同利用型サービスです(*)。今回のみずほ証券様におけるSTAR導入プロジェクトにおいてはシステムが消費する電力量について、導入前と比較して約25%の削減(**)を実現することができました。
*「THE STAR」の詳細は下記をご参照ください
https://www.nri.com/jp/service/solution/the_star.html
**特定月の2日の最大値平均を導入前後で比較 - ※4
:NRI-CTS
詳細は下記をご参照ください。
https://www.nri.com/jp/news/info/20211215_1.html
https://www.youtube.com/watch?v=0USJanefLe4(外部サイト)
(2023/06/01時点の情報)
NRIサステナビリティ・リンク・ボンドとは
NRIは、気候変動問題及び環境汚染を含む地球環境問題への取組みを世界共通の問題であると認識し、企業価値向上のためのESGの取組みを実践しています。
NRIらしいESGの取組みとして、2016年9月に国内事業会社として初めて発行したグリーンボンドに続き、以下の概要にてNRIサステナビリティ・リンク・ボンド(※1)(株式会社野村総合研究所第8回無担保社債)を発行しました。NRIは、「未来創発」の企業理念のもと、NRIサステナビリティ・リンク・ボンドを通じて資金調達手段の多様化と、資金調達の安定性向上に努めるだけではなく、環境問題をはじめとした社会課題に対し、様々なステークホルダーの皆さまとともに新たな価値を創造し、今後もサステナブルな未来社会の創出に貢献していきます。
NRIサステナビリティ・リンク・ボンド概要
名称 | NRIサステナビリティ・リンク・ボンド(株式会社野村総合研究所第8回無担保社債) |
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発行日 | 2021年3月26日 |
期間 | 12年(期限前償還条項付) |
発行総額 | 50億円 |
条件決定日 | 2021年3月19日 |
SPTs(※2) |
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信用格付 | AA- (株式会社格付投資情報センター) |
セカンドオピニオン(※3) | セカンドオピニオン(V.E(Vigeo Eiris)) セカンドオピニオン(株式会社格付投資情報センター) |
社債要項 | 社債要項 |
発行登録追補目論見書 | 発行登録追補目論見書 |
フレームワーク | フレームワーク |
- (※1) あらかじめ定められたサステナビリティ/ESGの目標を達成するか否かによって条件が変化する債券のこと。サステナビリティ・リンク・ボンドの発行体は、あらかじめ定めた時間軸の中で、将来の持続可能性に関する成果の改善にコミットする。具体的には、サステナビリティ・リンク・ボンドは、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(以下「KPI」という。)とサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPTs」という。)による将来のパフォーマンスの評価に基づいた金融商品であり、KPIに関して達成すべき目標数値として設定されたSPTsを達成したかどうかによって、債券の条件が変化する。
- (※2) サステナビリティ・リンク・ボンドの発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づくESG目標のこと。
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(※3)
NRIサステナビリティ・リンク・ボンドが、サステナビリティ・リンク・ボンド原則(*)に沿った社債であるかについての、V.E(Vigeo
Eiris)及び株式会社格付投資情報センターによる独立した意見のこと。
(*)サステナビリティ・リンク・ボンド原則(2020年版)(The Sustainability-Linked Bond Principles):国際資本市場協会(ICMA)が2020年6月に公表したサステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドライン
(https://www.icmagroup.org/sustainable-finance/the-principles-guidelines-and-handbooks/sustainability-linked-bond-principles-slbp)
本情報は当社による社債の発行を一般に公表することのみを目的とするものであり、いかなる証券についての投資勧誘行為又はその他の類似行為を行うためのものではありません。
KPIの状況
KPI | 単位 | 基準年 | 目標年 | 進捗 |
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2013年度 | 2030年度 | 2023年度 | ||
NRIグループの温室効果ガス排出量(Scope1 + 2) | 千t-CO2 | 108 | 30 | 8 |
データセンターの再生可能エネルギー利用率 | % | - | 70 | 100 |
- 注1) Scope2の集計対象範囲のうち、電気使用量はNRIグループ全体、冷気・蒸気・温熱はNRIグループのうち本社が国内にあるもの。
- 注2) KPIの進捗については、EY新日本有限責任監査法人による限定的保証を取得。