xR技術を使った新たなアート巡りのユーザー体験
みなとみらい21地区では「新しい建築物を建てる時にパブリックアートを積極的に導入する」という「みなとみらい21 街づくり基本協定」により、街全体にパブリックアートが点在しています。「Public Art's Light」は、ヨコハマトリエンナーレ2020(以下、ヨコトリ)のタイトルである「AFTERGLOW-光の破片をつかまえる」になぞらえて、パブリックアート(=光の破片)を巡りながら街全体でアートを楽しむことができる新感覚のアート鑑賞アプリです。巨大なパブリックアートもARにより360°あらゆる角度から鑑賞可能となり、アニメーションとサウンドで、より臨場感のある体験を得られます。アートを巡りながら、街の魅力も再発見する体験を届けようというものです。
【写真】ポストカードにスマホをかざしてARでアート作品を鑑賞。(現在は提供を終了しています)
多様な専門性を持つメンバーそれぞれの強い想いが短期間の開発を可能に
今回のヨコトリ会場である、横浜美術館とプロット48は、NRIの横浜総合センターに近接したエリアでの実施ということもあり、NRIは主幹事として横浜美術館や周辺企業と協働してアートを体験する新企画を検討しました。横浜美術館や横浜市文化観光局、海外DXパートナー、そしてNRI社員とでアートになじみがない方や子どもでも楽しめるようコンセプト作りを行いました。
ですが4月に新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令され、プロジェクトは一時休止状態に陥りました。その後、改めて展覧会の開催が決定したのが 6月初旬、開幕まで残された時間は約2カ月でした。
【写真】美術館でのフィールドワークの様⼦
NRI社員が持つ専門性(デザイン・シンキング、UI/UX/xR/クラウド/Web/PWA技術、スクラム開発手法)、有志から提供される斬新なアイデア、それらをアジャイルに形にしていく海外DXパートナー。さまざまな専門家が組み合わさったことと、「横浜トリエンナーレを盛り上げたい、コロナ禍に負けたくない」という各人の想いから、2カ月という短期間でアプリを完成させることができました。
NRIグループの「共創」から新たなビジネスを創出
今回のプロジェクトは、「xRで何かできないか」というシーズ発想で、ゼロから創り出し、実装までやり遂げました。外部企業との連携と、多様な専門家の力が結集したことにより実現した活動であり、NRIグループの「共創」の重要性と手ごたえを実感しています。アプリでは、データ活用によるマーケティングへの応用も視野に入れた技術を開発しており、このアイデアは、特許出願も認められました。アプリで取得したデータを活用して商業施設のサービスを向上させるなど、xRというメディアを用いたデジタルマーケティングで良い循環を生み出し、魅力ある街づくりやビジネスの創出につなげていきたいと考えています。