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NRI トップ NRI JOURNAL 数値には世界を変える力がある――トップデータサイエンティスト集団がビジネスに革命を起こす

NRI JOURNAL

未来へのヒントが見つかるイノベーションマガジン

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数値には世界を変える力がある――トップデータサイエンティスト集団がビジネスに革命を起こす

データサイエンスラボ長 塩崎 潤一

データアナリティクス

ビッグデータ

2021/06/08

今や、ビジネスだけではなく、医療やスポーツなどあらゆる分野で活用されている「データサイエンス」。しかし、日本ではまだその担い手であるデータサイエンティストが大きく不足している状況です。そのような中、野村総合研究所(NRI)では2021年4月に未来創発センター内に「データサイエンスラボ」を新設しました。新組織の提案者の1人で、一般社団法人データサイエンティスト協会の理事も兼ねるNRIの塩崎潤一に、設立の意図や今、求められるデータサイエンティスト像について聞きました。

データサイエンティストの要件

――いま、なぜデータサイエンティストが注目されているのでしょうか。

デジタルテクノロジーが進展し、ビッグデータが利用可能になったことがきっかけです。特に、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)がビッグデータを使ったビジネスで成功している状況を見て、日本企業もデータを活かそうという流れが加速しています。一方で、日本におけるデータサイエンスに関わる人材不足は深刻です。ようやく大学で学部が新設されるなどの動きが出てきていますが、もっとこの分野を普及させることが重要と考えています。

――データサイエンティストになるために、どんなスキルが必要ですか。

データサイエンティスト協会では、データサイエンティストに必要な3つの能力を定義しています。1つめがデータサイエンス力で、統計学や数学の知識を持つこと。2つめがエンジニアリング力で、データを引っ張ってきて加工するシステム開発のスキル。3つめがビジネス力で、データをビジネスに活用できることです。

最近は、経営戦略にデータドリブンな意思決定を行いたいというニーズがある一方で、企業の間では、データはあるけれども、ビジネスにうまく活かせていないという問題意識が存在します。そこでNRIのデータサイエンスラボでは、ただ統計やアルゴリズムの知識を持つだけではなく、「データを使って新しいことに取り組み、ビジネスに応用できる」人材をデータサイエンティストと定義すると考えています。

データの力でコンサルタントとエンジニアの協業を促進

――なぜ新組織をつくろうと考えたのでしょうか。

NRIでは以前からデータサイエンスに力を入れる方針の下、社内認定制度や教育制度をつくってきました。しかし、社内にそうしたスペシャリストがいるのにも関わらず対外的には認知されておらず、新卒採用の募集職種にもなっていません。NRIにはデータサイエンティストの活躍の場があり、その育成していることを内外に周知するためにも、正式な組織が必要だと思いました。

コンサルティングとITソリューションで顧客に並走してきたNRIだからこそ、データサイエンスを実社会で競争力に変える重要な役割を果たせるはずです。例えば、流通業の発注最適化を考える際に、コンサルティングでは発注のあり方から考え、ITソリューションとしては自動発注システムを考えます。一見、異なるアプローチに見えますが、「データ」という共通言語を用いることで、両者が連携し、よりよいシステムをお客様に提案できる可能性があります。データサイエンスは、NRIの強みであるコンサルとシステムの連携をさらに大きく進歩させることができるのです。

「数値」は言葉よりも雄弁です。コンサルタントが、どんなに最新のフレームワークを使って問題の構造化をしても、事実を表す1つの数値にはかないません。また、「数値」は課題の程度も表現できます。現在のレベルが数値で表されれば、誰もが改善しようと考えるのです。言葉だけでは、このような変化は起こせません。「数値」が持つ不思議な力を使うことで、職種間の壁を越えて一緒に語り合い、同じ目線で取り組むきっかけになるはずです。データサイエンスには、それだけの力があると信じています。

目標は300人のデータサイエンティスト集団

――新組織でどのような活動をする予定ですか。

組織のミッションは3つあります。1点目は、「データサイエンスに強いNRI」というブランドを構築すること。データサイエンティストはどんな人材か、NRIに何人存在し、どのような活動をしているかという情報発信を行います。特に最初の半年は、対外的にアピールするために、書籍や動画による情報発信、社会問題の数理モデルの構築などに力を入れていくつもりです。

2点目が、データサイエンスに関するノウハウを集約し共有化すること。各組織に知見を分散させず、中立的な組織として、コンサルタントもエンジニアも利用しやすいものを目指します。さらに、ノウハウを集約するだけでなく、その結果を使いながら、実ビジネスをサポートする活動していきたいと思っています。

3点目が、データサイエンティストの連携、育成、活用。目標はNRI全体で300人のデータサイエンティスト集団を組織化することです。NRI社内には、担当業務とは関係なく、自発的にデータサイエンスのスキルを磨いている、意識の高い人材もいます。これらのデータサイエンティストの連携を推進し、対外的にアピールすることで、活躍の場を広げていきたいと考えています。そのために、データサイエンスラボは有機的な繋がりとして作用し、社内データサイエンティストのプロデュース機能を担っていきたいと考えています。

新組織名を「ラボ」とした背景には、単にデータを使った「研究」をするのではなく、データを使って「新しいことを創造する」という思いがあります。NRIでは1970年に大阪で開催された日本万国博覧会の入場者予測をほぼ的中させたことでシンクタンクとしての知名度を高めた歴史があります。
ゆくゆくは、データサイエンスラボの活動を通じて世の中にとって有意義でインパクトのある数字やモデルを発表したり、新しい事業を生み出したりすることで、NRIの歴史に刻まれる仕事ができればと考えています。

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お問い合わせ

株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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