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アフリカと日本がともに発展する関係づくりを推進

製造業の投資先からイノベーション拠点としてのアフリカへ

社会システムコンサルティング部 新興国市場コンサルティンググループ

2017/10/11

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日本政府はアフリカ諸国の発展に向けて、技術移転やインフラ輸出など、さまざまな開発支援を行っています。一過性の援助ではなく、現地の雇用創出や人材育成、インフラ整備などを進めるために、日本企業とともに数多くのプロジェクトを実施しています。NRIは、これまでに築いてきた現地政府との強固な関係や、さまざまな開発プロジェクトを実行支援してきたノウハウを活かして、アフリカの持続的な成長と発展に向けた活動を続けていきます。

日本政府のアフリカ開発プロジェクトを支援

2016年8月、ケニアの首都ナイロビで、第6回アフリカ開発会議(TICAD)が開催されました。貧困撲滅や自助努力によるアフリカの発展に向けて、アフリカ諸国の首脳が集い、話し合うこの会議は、国連機関などとともに日本政府が主導する形で、1993年から開かれています。
TICADに代表されるように、日本政府はアフリカの発展に向けて、さまざまな取り組みを行っています。従来のように、(経済)援助中心の支援や、資源獲得を目的とした開発では、アフリカの人々の生活は改善されず、自立的な経済発展は望めません。そこで政府は経済産業省などを通じて、アフリカにおける雇用創出や人材育成、技術移転やインフラ整備などを進めるために、日本企業とともに、数多くのプロジェクトを実施しています。
こうした取り組みを、陰で支えているのがNRIの社会システムコンサルティング部 新興国市場コンサルティンググループです。およそ10人いるメンバーの誰かは、毎月アフリカ各国を訪れています。

国際連合工業開発機関(UNIDO)
セミナーの様子

例えば、日本の技術を活かすことで、気候変動による損失を緩和できます。これまでに、地球温暖化の影響で海面上昇や砂漠化などの被害を受けやすいアフリカの国々で、東レなどが開発した農業資材繊維による砂漠の緑化推進や、シャープの太陽電池技術を活用したソーラーランタンの展開といったプロジェクトに携わってきました。

経済産業省 「途上国における気候変動適応対策への我が国企業の貢献可視化事業」における支援企業に対して、NRIが伴走したプロジェクト(実施社名50音順)

実施社 プロジェクト名 プロジェクト概要 対象国
味の素 タンザニア共和国における農産物高温障害等に対するアミノ酸含有肥料による適応対策実現可能性調査 アミノ酸含有肥料を農業従事者に提供していく事業の対象国における実現可能性を調査する。本調査を通じて、気候変動による生じる植物の高温などによる障害への耐性の向上と生産量の増加の両立を目指す。 タンザニア
シャープ ケニア共和国での地球温暖化起因の水資源枯渇問題解決に向けたソーラーを主電源とする電気分解方式の浄水装置の市場導入調査事業 太陽光発電と電気分解による浄水装置を組み合わせて提供していく事業の対象国における実現可能性を調査する。本調査を通じて、気候変動により減少し始めている安全な水へのアクセスに対する持続可能な改善を目指す。 ケニア
東レ 気候変動の影響による砂漠・荒廃地の農地化・緑化推進 防砂網・植生基盤・点滴灌漑を組み合わせて提供していく事業の対象国における実現可能性を調査する。本調査を通じて、気候変動により増加している砂漠化進行の抑制・農業適地面積の増加・農業生産性の向上を目指す。 南アフリカ
ヤマハ発動機 コートジボワール・ガーナにおける安全な水の供給を通じた生活/健康改善を伴う小型浄水装置の事業化検証 緩速ろ過技術を活用した小規模浄水給水システムを提供していく事業の対象国における実現可能性を調査する。本調査を通じて、気候変動により減少し始めている安全な水へのアクセスに対する持続可能な改善を目指す。 コートジボワール・ガーナ

また数年前には、住友ゴム工業によるインド資本のタイヤ会社Apollo Tyres South Africa社の買収後の経営統合を支援しました。住友ゴム工業は、南アフリカにあるApollo Tyres South Africa社の工場を刷新して、日本の技術を持ち込み、現地の雇用維持にも貢献しています。

従来の製造業による投資モデルの限界

NRIの活動は、TICADの思想や、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を後押しするものです。しかし、NRIでアフリカでの開発支援に長く携わってきたグループマネージャーの小池純司は、最近ある懸念を抱くようになりました。「製造業による投資を呼び込み、技術を移転し、雇用を創出して発展を促していくというのが、アフリカで志向されてきた成長ストーリーです。しかしこれは、アジアで行われていたモデルをアフリカにあてはめたもの。現在のアフリカでは、原油価格の下落により資源国を中心に経済成長が鈍化し、また全般的に人件費はアジアより高くなっています。そのため海外からの投資が減って、全体的に成長が止まっています。アフリカ経済の発展には、従来の製造業をベースにした成長モデルとは異なる、別のモデルへの転換が必要ではないかと思っています」

イノベーション創出の場

コートジボワール投資庁での
意見交換の様子
(右から3番目がNRI 社会システム
コンサルティング部
グループマネージャー 小池 純司)

その観点から小池は、アフリカを『イノベーション創出の拠点』としてとらえる提案をしています。「アフリカ各国の強みは、若い人が多く、新しい技術やサービスの受容性が高いことと、先進国に比べて規制が緩いことだと思っています。つまり、イノベーティブな試みを起こしていく場所として、アフリカはとても適しているのです。すでにルワンダでは、米国のスタートアップ企業によってドローンを利用した物流サービスが始まっています。海外の企業がアフリカでイノベーティブな事業を起こせば、新しい技術の移転や雇用が現地で生まれます。そこで技術やサービスに習熟した人たちが、逆にアフリカから先進諸国の市場へ打って出られるようになれば、アフリカの発展に寄与するのではないか。そして、日本にとってアフリカ諸国は、従来型の製造業モデルではない、新しい日本の成長モデルを協働して検討する場所であり、いわばイノベーションを創出するパートナーとなる国々です。日本では規制などの関係から、すぐには実施が困難な領域の実証実験を、アフリカにおいて試してみることができます。例えば、IoT(Internet of Things)と農業機械の組み合わせや、ドローンを活用した物流革新、携帯電話を使ったフィンテック分野での新サービスの検討など、日本ができること、やるべきことはたくさんあります。それらがうまく動き出せば、アフリカと日本の双方にメリットが生じ、よりよい関係を構築することができます。こうしたモデルの創出が、アフリカの成長に向けた一つのあり方であり、私たちNRIが貢献できることだと思っています」

NRIは、これからもアフリカの「産業と技術革新の基盤づくり」を支援する事業を通じて、アフリカの産業や市場の発展と、日本企業の国際市場への展開に積極的に貢献していきます。

「アフリカ開発支援」について興味があり、さらに詳しいことを知りたいと思う方のための情報として、以下を紹介します。

■ 単行本

アフリカ進出戦略ハンドブック

日本企業の成長機会はアフリカにある!
進出国の選定方法、現地パートナーの探し方からコミュニケーションのコツまでがわかる先進企業事例も掲載
発行所: 東洋経済新報社
発行年月: 2015年12月

■ レポート

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株式会社野村総合研究所
コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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