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日本企業のIT活用とデジタル化 - IT活用実態調査の結果から

第1回 日本企業のCIOはどんな活動をしているか

2023/04/24

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株式会社野村総合研究所では、2003年より毎年、売上高上位の国内企業約3000社を対象に「ユーザ企業のIT活用実態調査」を実施しています。この連載では、最新の調査から、いくつかの設問をピックアップして集計結果をご紹介します。日本企業のIT活用動向を知るとともに、自社のデジタル化および情報化の戦略を考える一助としてご活用ください。

注目される調査結果のエグゼクティブサマリーはこちら

CIO(Chief Information Officer : 最高情報責任者)とは、もともと組織の情報資源を管理する最高責任者を指す言葉ですが、今日では企業内の情報システムを統括し、ITを使った情報化を推進する責任者と理解されています。
調査では、各社においてCIOを実質的に誰が担当しているかを尋ねています。その結果、情報システムを担当する役員と回答した企業が49.7%とほぼ半数を占めました。次に多かったのは、情報システム担当部署の長(情報システム部長など)で16.6%、そして、経営企画担当役員と回答した企業で9.2%でした(図1)。

図1 CIOの実質的な担当者

また、CIOの活動時間の配分を全体の活動時間に対するパーセンテージで尋ねたところ、業務プロセスの統合や効率化に向けた投資に関わる活動の割合が全回答者の平均値で18.9%となりました(図2)。

図2 CIOの活動時間の配分
注)各活動時間のパーセンテージは回答企業の平均値

他の活動では、事業や業務の維持に向けた投資(セキュリティ、BCP対応など)に関わる活動が15.5%、既存のシステムの維持や費用削減に関わる活動が15.1%となり、事業やシステムを維持するためのこれらの活動に3割程度が割かれていました。さらに、ITやデジタル化以外の活動も3割近くを占めています。商品・サービスや顧客接点の変革に向けた投資に関わる活動は12.7%でした。
近年のデジタル化の潮流では、IT活用の目的が企業内業務プロセスの効率化から、商品・サービスの価値向上、顧客体験の向上、そして事業そのものの変革へと拡大しています。CIOの活動範囲も、情報資源の管理や業務プロセスの変革に加えて、デジタル技術を使った事業変革にまで広がっています。デジタル技術を使った事業変革を担うCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を置く企業も増えていますが、その場合でも、CIOにはCDOと連携して経営の視点から変革を主導することが求められます。CIOが、変革のための活動にどう時間を振り向けていくかは、一つの課題と言えそうです。

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第2回 日本企業のIT投資予算はどれくらいか

執筆者情報

  • 有賀 友紀

    システムコンサルティング事業本部

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