金子国土交通相は1月20日に、2025年12月及び年間の訪日外国人の数字を明らかにした。
それによると、2025年の訪日外国人数は前年比16%増加の4,270万人と、初めて4,000万人を超えた。さらに訪日外国人による消費額、いわゆるインバウンド需要は前年比16%増の9.5兆円と過去最大になった。インバウンド需要は年間名目GDPの1.4%程度の規模に達し、また2025年の成長率を+0.2%程度押し上げるなど、日本経済への重要度は一段と高まっている。
他方、中国政府による訪日自粛要請の影響から、中国からの訪日客数は昨年12月に前年同月比-45%と大幅に減少した。訪日自粛要請が出されたのは昨年11月中旬であったが、中国からの訪日客数は昨年10月の前年同月比+22.8%から11月には同+3.0%へと急速に増加率を低下させており、さらに12月には大幅減少となった。
訪日自粛要請の影響で、中国からの訪日客数が2012年の尖閣問題の際と同様に1年間の平均で前年同月比25.1%減少する場合、さらに香港からの訪日客数が同率で減少する場合、日本の名目GDPは1年間で1兆7,900億円減少すると試算される(コラム「中国政府の日本への渡航自粛要請で日本の経済損失は1.79兆円、GDPを0.29%押し下げ」、2025年11月18日)。
12月の中国からの訪日客数の減少は、この試算の前提を上回るペースとなっており、想定以上に大きなマイナスの影響を日本経済に与えている。渡航自粛要請発表時に、中国政府は大手旅行代理店に対して、訪日旅行客数を前年の6割の水準に抑えるように求めたと報じられた。それに近いペースで実際に中国からの訪日客数は減少している。
他方、12月の訪日客数全体は前年同月比+4.0%と、11月の同+10.4%から大きく下振れた。これは、中国からの訪日客数の減少を、他国からの訪日客数の増加で補うには至っていないことを意味している。
やや長い目で見れば、中国・香港からの訪日客数の減少、インバウンド需要の減少は、他国からの訪日客数の増加や国内旅行の増加によって穴埋めされていく可能性が考えられるが、それには相応の時間を要するだろう。そのため、日中関係の悪化から中国からの訪日客数の減少が長期化すれば、日本経済への打撃は避けられない。
JTBは、2026年のインバウンド需要を9.6兆円と2025年比微増と予想する一方、外国人訪日客数は2026年に4,140万人と2025年から減少すると予想している。インバウンド需要による日本の成長率の押し上げ効果は、2026年には一時的に急減することが予想される。
それによると、2025年の訪日外国人数は前年比16%増加の4,270万人と、初めて4,000万人を超えた。さらに訪日外国人による消費額、いわゆるインバウンド需要は前年比16%増の9.5兆円と過去最大になった。インバウンド需要は年間名目GDPの1.4%程度の規模に達し、また2025年の成長率を+0.2%程度押し上げるなど、日本経済への重要度は一段と高まっている。
他方、中国政府による訪日自粛要請の影響から、中国からの訪日客数は昨年12月に前年同月比-45%と大幅に減少した。訪日自粛要請が出されたのは昨年11月中旬であったが、中国からの訪日客数は昨年10月の前年同月比+22.8%から11月には同+3.0%へと急速に増加率を低下させており、さらに12月には大幅減少となった。
訪日自粛要請の影響で、中国からの訪日客数が2012年の尖閣問題の際と同様に1年間の平均で前年同月比25.1%減少する場合、さらに香港からの訪日客数が同率で減少する場合、日本の名目GDPは1年間で1兆7,900億円減少すると試算される(コラム「中国政府の日本への渡航自粛要請で日本の経済損失は1.79兆円、GDPを0.29%押し下げ」、2025年11月18日)。
12月の中国からの訪日客数の減少は、この試算の前提を上回るペースとなっており、想定以上に大きなマイナスの影響を日本経済に与えている。渡航自粛要請発表時に、中国政府は大手旅行代理店に対して、訪日旅行客数を前年の6割の水準に抑えるように求めたと報じられた。それに近いペースで実際に中国からの訪日客数は減少している。
他方、12月の訪日客数全体は前年同月比+4.0%と、11月の同+10.4%から大きく下振れた。これは、中国からの訪日客数の減少を、他国からの訪日客数の増加で補うには至っていないことを意味している。
やや長い目で見れば、中国・香港からの訪日客数の減少、インバウンド需要の減少は、他国からの訪日客数の増加や国内旅行の増加によって穴埋めされていく可能性が考えられるが、それには相応の時間を要するだろう。そのため、日中関係の悪化から中国からの訪日客数の減少が長期化すれば、日本経済への打撃は避けられない。
JTBは、2026年のインバウンド需要を9.6兆円と2025年比微増と予想する一方、外国人訪日客数は2026年に4,140万人と2025年から減少すると予想している。インバウンド需要による日本の成長率の押し上げ効果は、2026年には一時的に急減することが予想される。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。