5月21日から1週間のガソリン補助金は1リットル当たり41.8円
5月20日に政府は、5月21 日から1週間のガソリン補助金が1リットル当たり41.8円になると発表した。前週の42.6円からやや低下したものの、40円を超える高水準となった。
- 3月19日以降:
- 30.2円/リットル
- 3月26日以降:
- 48.1円/リットル
- 4月2日以降:
- 49.8円/リットル
- 4月9日以降:
- 48.8円/リットル
- 4月16日以降:
- 35.5円/リットル
- 4月23日以降:
- 30.9円/リットル
- 4月30日以降:
- 39.7円/リットル
- 5月7日以降:
- 39.7円/リットル
- 5月14日以降:
- 42.6円/リットル
- 5月21日以降:
- 41.8円/リットル
「標準シナリオ」では6月26日にガソリン補助金の予算は枯渇
前回までと同様に、最新の補助金額である1リットル当たり41.8円が今後も続くケースを「標準シナリオ」、5月28日以降は1リットル当たり50円の補助金が続くケースを「悲観シナリオ」、5月28日以降は1リットル当たり20円の補助金が続くケースを「楽観シナリオ」とした。
現在のガソリン補助金の予算が枯渇する時期は「標準シナリオ」では6月26日と、前回の試算値から大きな変化はなかった。「悲観シナリオ」では6月21日、「楽観シナリオ」では7月29日だ。「悲観シナリオ」だけでなく「標準シナリオ」でも、予算が枯渇するまでに残り1か月強となった。
現在のガソリン補助金の予算が枯渇する時期は「標準シナリオ」では6月26日と、前回の試算値から大きな変化はなかった。「悲観シナリオ」では6月21日、「楽観シナリオ」では7月29日だ。「悲観シナリオ」だけでなく「標準シナリオ」でも、予算が枯渇するまでに残り1か月強となった。
図表 ガソリン補助金の予算枯渇シミュレーション


ガソリン補助金の追加予算を確保へ
政府は補正予算編成の検討を始めた(コラム「始まった補正予算編成の議論と長期金利の大幅上昇」、2026年5月18日)。7月から電気・ガスの補助金を導入することに伴い、予算確保が必要になったからだ。合わせて、補正予算編成でガソリン補助金の追加予算を確保するとみられる。
ただし、追加予算を手当てしてガソリン補助金を継続するにしても、同時にその枠組みを見直す必要があるのではないか。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金を長期化することには問題がある。
第1に、財政を圧迫することだ。それは長期金利の上昇や物価高をもたらす円安を助長することで、家計に悪影響を与える。生活が強く圧迫される中低所得層に絞った補助金とし、全体の支出規模を抑えるべきではないか。所得制限付きの補助金が技術的に難しいのであれば、電気・ガスの補助金の金額を抑えるとともに、低所得者向けの給付金を新たに検討しても良い。
第2に、原油の供給不足のリスクが残る中、ガソリン、あるいは電気・ガスの消費を緩やかに抑制し始めることが必要だ。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金制度や、昨年を上回る手厚い補助が検討されている電気・ガス補助金制度は、消費者の節約の機運を削いでしまう。
補正予算の編成とともに、既存のガソリン補助金や電気・ガスの補助金の仕組みを見直すことが求められる。
ただし、追加予算を手当てしてガソリン補助金を継続するにしても、同時にその枠組みを見直す必要があるのではないか。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金を長期化することには問題がある。
第1に、財政を圧迫することだ。それは長期金利の上昇や物価高をもたらす円安を助長することで、家計に悪影響を与える。生活が強く圧迫される中低所得層に絞った補助金とし、全体の支出規模を抑えるべきではないか。所得制限付きの補助金が技術的に難しいのであれば、電気・ガスの補助金の金額を抑えるとともに、低所得者向けの給付金を新たに検討しても良い。
第2に、原油の供給不足のリスクが残る中、ガソリン、あるいは電気・ガスの消費を緩やかに抑制し始めることが必要だ。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金制度や、昨年を上回る手厚い補助が検討されている電気・ガス補助金制度は、消費者の節約の機運を削いでしまう。
補正予算の編成とともに、既存のガソリン補助金や電気・ガスの補助金の仕組みを見直すことが求められる。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。