自民党内でガソリン補助金見直し議論が高まる
5月23日に自民党の鈴木幹事長は、原油価格の高騰を受けて3月19日に政府が導入したガソリン補助金制度について、「大変に財政的な負担がかかるものなので、今後のこともしっかり考えなければいけない」と述べ、見直しを視野に今後の対応を検討する必要があるとの認識を示した。
政府は全国平均のレギュラーガソリン価格を1リットル当たり170円程度に抑えるため、石油元売り会社への補助金を続けており、21日からは1リットル当たり41.8円が支給されている。補助金がなければ、ガソリン価格は1リットル当たり211円台とみられる。
自民党の萩生田光一幹事長代行も18日の記者会見で「全く見直しせずに続けるのもかなり無理がある」と述べた。さらに、自民党の小林政調会長も21日の記者会見で「あくまで激変緩和策だ。現在の支援の水準を続けていくのは現実的ではない」と述べ、補助を縮小する必要があるとの認識を示した。
このように、自民党内では予算規模を抑える方向でガソリン補助金を見直す議論が急速に高まってきた。高市政権は、ガソリン補助金制度の見直しに慎重な姿勢をとってきたが、自民党内の議論の高まりを受けて外堀を埋められつつある。
政府は全国平均のレギュラーガソリン価格を1リットル当たり170円程度に抑えるため、石油元売り会社への補助金を続けており、21日からは1リットル当たり41.8円が支給されている。補助金がなければ、ガソリン価格は1リットル当たり211円台とみられる。
自民党の萩生田光一幹事長代行も18日の記者会見で「全く見直しせずに続けるのもかなり無理がある」と述べた。さらに、自民党の小林政調会長も21日の記者会見で「あくまで激変緩和策だ。現在の支援の水準を続けていくのは現実的ではない」と述べ、補助を縮小する必要があるとの認識を示した。
このように、自民党内では予算規模を抑える方向でガソリン補助金を見直す議論が急速に高まってきた。高市政権は、ガソリン補助金制度の見直しに慎重な姿勢をとってきたが、自民党内の議論の高まりを受けて外堀を埋められつつある。
現在のガソリン補助金の予算は6月下旬に枯渇する計算
最新の補助金額である1リットル当たり41.8円が今後も続く「標準シナリオ」では、現在のガソリン補助金の予算は6月26日に枯渇する計算となる(コラム「ガソリン補助金の予算枯渇シミュレーション:ガソリン補助金制度の見直しを」、2026年5月24日)。
そこで政府は、7月から9月の電気・ガス料金補助金の開始と併せて、ガソリン補助金の追加予算を確保するために、暫定予算編成を実施する考えだ。
5月24日までの1か月間で政府が使ったガソリン補助金は約4,900億円と試算される。2か月で1兆円程度というペースの巨額の予算が使われている。それが財政環境を悪化させ、金融市場では長期金利の上昇や円安などの反応を引き起こしている面があるだろう。暫定予算で、ガソリン補助金の追加予算を手当てするのであれば、同時にガソリン補助金を縮小させる方向で見直しをすべきだ。
現在のガソリン補助金をそのまま続けることの問題は、財政への影響だけではない。原油の供給不足のリスクが残る中、ガソリン、あるいは電気・ガスの消費を緩やかに抑制し始めることが必要だ。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金制度や、昨年を上回る手厚い補助が検討されている電気・ガス補助金制度は、消費者の節約意識を弱めてしまうという問題もある。
そこで政府は、7月から9月の電気・ガス料金補助金の開始と併せて、ガソリン補助金の追加予算を確保するために、暫定予算編成を実施する考えだ。
5月24日までの1か月間で政府が使ったガソリン補助金は約4,900億円と試算される。2か月で1兆円程度というペースの巨額の予算が使われている。それが財政環境を悪化させ、金融市場では長期金利の上昇や円安などの反応を引き起こしている面があるだろう。暫定予算で、ガソリン補助金の追加予算を手当てするのであれば、同時にガソリン補助金を縮小させる方向で見直しをすべきだ。
現在のガソリン補助金をそのまま続けることの問題は、財政への影響だけではない。原油の供給不足のリスクが残る中、ガソリン、あるいは電気・ガスの消費を緩やかに抑制し始めることが必要だ。ガソリン価格を1リットル170円程度で安定させる現在のガソリン補助金制度や、昨年を上回る手厚い補助が検討されている電気・ガス補助金制度は、消費者の節約意識を弱めてしまうという問題もある。
規模の縮小と低所得層支援を強化する形でガソリン補助金を見直すべき
生活が強く圧迫される中低所得層に絞った補助金とし、全体の支出規模を抑えるべきではないか。所得制限付きの補助金が技術的に難しいのであれば、電気・ガスの補助金とともにガソリン補助金の金額を抑え、同時に低所得者向けの給付金を新たに検討しても良いのではないか。
ガソリン補助金を縮小させる方法としては、ガソリン価格を一定程度の水準に抑える現在の仕組みを続けながら、その水準を1リットル当たり190円などへと引き上げる方法がある。また、市場で決まるガソリン価格に対して、1リットル20円などと一定額の補助金を政府が支給する方法もある。後者の場合、海外での原油価格がこの先大幅に上昇しても、政府の補助金を一定額に抑えることが可能となるが、ガソリンの小売価格は大きく上昇してしまう。現時点では、前者の見直し方法が採用される可能性の方が高いのではないか。
ガソリン補助金を縮小させる方法としては、ガソリン価格を一定程度の水準に抑える現在の仕組みを続けながら、その水準を1リットル当たり190円などへと引き上げる方法がある。また、市場で決まるガソリン価格に対して、1リットル20円などと一定額の補助金を政府が支給する方法もある。後者の場合、海外での原油価格がこの先大幅に上昇しても、政府の補助金を一定額に抑えることが可能となるが、ガソリンの小売価格は大きく上昇してしまう。現時点では、前者の見直し方法が採用される可能性の方が高いのではないか。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。